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一つに成ること

場しょハ、スグわかった。


ダってもうヒトリの美夜トぼくは同じ。


「……キタネ。久」

「なんデ僕の名まエを」

「分かルデシょ? ……私と久は同ジ……同ジ妖怪だヨ」

「――――チッ」


うるサイ。こンなヤツと話すノも嫌。そしテ、コイツといっショナノも嫌。


「キュウ!!」


コエ。これは、美夜。


「キュウ! やめ、ヤメテ……オ願い……」

「美夜……」

「キュウ……」

「マテテ。すぐニ――――殺ス」


目ノ前には、もうヒトリの美夜。けど、関係ナイ。殺スだけ。


黒のテが迫る。ソレヲ避ケて、走る。


一閃。


「……まだ、まだヤラれない」


避ケらレタ。離れタ……クソガ。


斬る。斬ル。キる。キル……kill


スパン


「……痛イ」


左の肩ヲ斬らレタ。左手が、落チた。


生えル。左手が……生えル。


「デタラメね……アナたの体」

「お前に言ワれたくない」


感覚ガモどル。コレデ、いける。


走る、人間ジャアリエナイ速さ。


「ソッカ。ボクは、もう……人間ジャない」

不思議とメかラ、ナミダが出る。


斬っタ。コンドは、感覚ガある。


「ザンネン。足を斬られテもヨユウ」


「……ドウカナ?」

「――――え?」


アシ斬られタラ、動けナイ。ソレヲ分からないなんて。カワイソウ。


刺ス。斬っテモ。コイツは再生する。


「サヨナラ」

「……違うヨ。久」

「え―――?」

「コレカラも、ヨロシク……よ」


そうか。ナンデ。僕は気づかなかった?


分カレタものは。一つにナロウとする。


黒ノ妖怪が、僕の体を覆う。


「ア――――ああああアイやアアアアいいややああああああ!!!??」


「入る! 僕のナカニ! 入る――ハイルナ!! ヤメ……ヤメテ……ヤメテくれえええエエエエエエええええええ…………え……え……ええ…………」




「タリ……ない。もっと、もっと。ほしい……」


タリない。トラナイと。体が……崩れる。


「久……?」


ミヤ……か。ミヤ……ミヤ……


「ミヤ……」

「久っ!!」

「うまそうだ」

「え――――――」


グシャリ。三尾の尻尾。狐ノ耳。クロカミの少女は……僕と――いっしょ。




「トうさん。カアさん。カナで。リュウタロウ。みんな……そして…………美夜」


コエが聞こえる。みんなのコエ。ワラッているコエ。


「ずっとずっと…………いっしょだよ」




ハッビーエンドです。久はみんなと一緒になれて幸せでしょう。それが間違った形でも。

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