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プロローグ
それは折れた音、濡れた音、曲がった音、歪んだ音、刺さった音、貫く音と声帯が震えた音とを一遍に雑ぜた様な、音と呼ぶには悍ましく、耳にこびりついて離れない代物だった。
全神経が鼓膜に集まり今のオトを何度も脳内で自動的に再生する。
部屋中の赤も生臭い匂いも粘つく唾液も、倒れ込んで来た冷たくなっていく友人の感触でさえ、認識する事無く。
そんな中鼓膜に新たな音が届いた。
ぺろり、と。
それは折れた音、濡れた音、曲がった音、歪んだ音、刺さった音、貫く音と声帯が震えた音とを一遍に雑ぜた様な、音と呼ぶには悍ましく、耳にこびりついて離れない代物だった。
全神経が鼓膜に集まり今のオトを何度も脳内で自動的に再生する。
部屋中の赤も生臭い匂いも粘つく唾液も、倒れ込んで来た冷たくなっていく友人の感触でさえ、認識する事無く。
そんな中鼓膜に新たな音が届いた。
ぺろり、と。
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