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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第三章
97/123

97.マコ、サプライズ


 会長の屋敷で、タジマ達との彩り豊かな旅行の想いでを語り合い

名残惜しい気持ちを共有したまま、僕は家路に着いた。


 あまり広くないマンションに僕の足音が響く。


ひと際明るい月明かりの下で僕は部屋のドアを開ける。



 「おかえりタロちゃん!!」


マコさんが部屋から走り出て、僕に飛びつく。

驚いた顔の僕に、マコさんがキスをする。嬉しい!


 マコさんのサプライズ。

あぁ、もっと早く帰りたかったよ。

(知ってたらサプライズにならない、とマコさんが言う)


---


 マコさんが注いでくれたワイン。

カリフォルニアの日差しを浴びて育った赤いワインを飲みながら、僕はマコさんに話した。


旅行の日々を。

そこで確かな仲間ができた事を。


「あの猫山さんが」とマコさんは驚く。


「ツヨシちゃん、タロちゃんを慕ってるのねえ」とマコさんは微笑む。


「タジマさん。よっぽどあなたが好きなんだわ」とマコさんが笑う。


”鷹”の(くだり)に話が進むと、マコさんは真剣な顔になった。

「タロちゃん、やっと見つけたのね。あなたの中に鷹がいるわ」とマコさんが言う。


 猫森村の話になると、マコさんはとても興味を持ったようだ。


「エレーン?その猫ちゃんと会ったのね?」とマコさんが身を乗り出す。

僕は頷くとマコさんは意外な話をする。


「実はね、数日前から何度も不思議な夢を見るのよ。

白いブラウスに黒いコートの女性が私に会いに来るの。

彼女は言ったわ、「あたしはエレーンよ」って」



 僕はそこで気がついた。

エレーンを紹介しなければいけないのだ。


 エレーン出ておいで。僕は声を掛けてみる。

マコさんは狐につままれたような顔をして僕を見つめる。(何かの冗談だと思ったようだ)



 部屋の電気がちかちかと点滅し、部屋の中に風が吹き込む。


 『やっと思い出したのね。待ちくたびれちゃったわよ』

エレーンがぶつぶつ言いながら僕の肩にひらりと飛び乗る。


 「ど、どこから来たのかしら?その猫ちゃん」

明らかに動揺しているマコさんに、僕は順を追って説明したのだ。

長老とエレーンの秘密について。猫森村の運命について。



 うーん、と唸るマコさん。

毛づくろいをするエレーン。



 彼女らが仲良くなるのは時間の問題だった。


挿絵(By みてみん)


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