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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第三章
84/123

84.取材旅行29(招き)

 「”森”に行きたいんじゃろ?」

袋一杯のにぼしを両手に抱えて、長老が言う。

もちろんです、と僕は言う。


---


 ”猫森村”へは車で直接行けると言う。

当初目指していた吉和の”冠山”は僕たちを導くための目印に過ぎなかったのだと、長老は言うのだ。

僕は長老とエレーンを助手席に乗せ、車を出発させた。


 「ずいぶんとまぁ・・・ごついんじゃねえ」

長老が珍しそうに車内を見回す。


ダッシュボードをいじくり、車検証を穴の開くほど見つめる。


灰皿を取り出し、匂いを嗅ぎ、また閉める。(エレーンは飛んで逃げた。タバコが嫌いなのだ)


パワーウィンドーのボタンをしばらく眺め、押す。窓が開くと口をぽかんと開けて驚く。


たくさんボタンの付いたカーステレオをいじくる。音が鳴り飛び上がる。

-ラ・カンパネラ(パガニーニによる大練習曲S.141-3)(F.Liszt)-

飛び跳ねるようなピアノの音色に合わせて体を左右にゆする。


 「音楽は好きですか?」と僕は聞いてみる。


 「好きじゃ。特にこの曲はええね」長老はごきげんである。

エレーンは運転する僕の肩にのって揺れている。

彼らは音楽が好きなようだ。うれしい。



 そのようにして車はゆっくりと”森”を目指して進んだのだ。


 限りなく澄んだ空気を吸いながら。


挿絵(By みてみん)


実在の地名その他が出てきますが、細部は作者の創作です

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