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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第一章
8/123

8.リクエスト

-”タロと今夜も眠らない番組”始まるよ!

-今日は「巷で話題のウワサ」について!!


 アップテンポのBGMが一転しんと静まり、かちかちと時計の針が時を刻む。


少しずつ遠くから聞こえてくる太鼓の音。


「うらぁめしやぁぁ~っ」


-きゃぁぁぁ

-自分で脅かして、自分で怖がっちゃった。あはは。

-さあて、今夜のウワサはなんだろうねえ。


 タロさんこんばんわ。

ヘビーリスナーのマコです。

これはわたしが体験した、そして今でも続いているこわーいお話です。


わたしの部屋には、一枚の姿見があるのですが、時々そこに何かが見えるのです。


最初は目の錯覚だと思って気にしていなかったのですが、それにしては頻繁に見えてしまうのです。


今思えば、知り合いのウワサを面白半分に試したことが原因だったのかもしれません。


午前3時に鏡に向かって、ある言葉をつぶやくのです。

その時、同じ言葉を鏡の向こうから繰り替えされるそうです。


「あなただあれ」


-ぎゃあ゛あ゛~っっ


なんちって。これはネタですよ。怖かったかな。


-怖いよっ。こわいってばよっ。

-ヘビーリスナーのマコさん!

-タロはね。一人なのっ!

-寂しく一人で真夜中のDJブースなのっ

-…

-いま、なんか聞こえたよね。

-いや、やっぱり聞こえない!

-…

-…

-(あなただあれ)

-あっはっはー。お返しだよ、マコさん。

-女性の声をサンプリングしておいたんだ。

-びっくりしたでしょ?

-さぁ、ここでマコさんリクエストを一曲。

-10cc。”I'm Not In Love”



 放送中だから我慢していたが、BGMを絞った後に聞こえた「時計」の音に僕は怯えていた。

”無音”が条件のスタジオでは、アナログ時計など存在しないのだ。


挿絵(By みてみん)


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