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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第二章
50/123

50.CMの反響2

 秘書室フロア奥のオフィスから珍しく笑い声が聞こえる。


その笑い声が事務局長のものだと知り、仕事をしていたスタッフたちは一同に驚いていた。


「アタルさん…タジマさん、笑ってますね」

お茶を差し入れようとした栗木マコさんも驚いている。

先ほどオフィスに招き入れた人物がタロさんということもあり、驚きもひとしおなのだろう。


タジマさんは滅多に笑わない事で有名なのだ。


---


 アタル室長から促されたわたしは、タジマさんとタロちゃんにお茶を差し入れる。

タロちゃんはビデオテープをそそくさとカバンにしまう。

なんだか照れている。

あやしい・・・


タジマ事務局長は笑った事などないような顔をしている。

あやしいな。


彼らが何も話さないので私は退室する。


もちろん、タロちゃんには後で連絡するわよ。

なんだか面白そうだもの。



 「お茶出し」から戻ったわたしに同僚のみんなが押し寄せる。

そのまま私たちは給湯室へ移動する。


「どうだったの?教えてっ」受付のせっちゃんが先陣を切る。

「局長、何に笑ったの?」事務のたえさんも真剣だ。

「タロさんとあんたどこまでいってるのよ?」秘書役の同僚みっちゃんはどさくさにまぎれて何を勘違いしてるのか…。


「タジマさんは嬉しかったみたいですね。タロさんが冗談を言ったのでしょうね」

無難な答えにみんなは納得しない。

「そういえば・・・」仕方なく白状するわたし。


”ビデオテープ”に興味深々の私たちは、タロちゃんが帰ったことにも気がつかず、ひたすら議論を重ねるのだった。。。



「僕のお茶・・・」

お茶の時間になっても一向に配られる気配のないフロアの片隅で、アタル秘書室長はつぶやくのであった。


挿絵(By みてみん)


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