5.パウロ(東京)
「ねえ、ハッピー」
またマキからんでる。
なんでかな。フロアでダンスしててもハピハピいってるし。
ハピもニブいね。
オトコだろーにね。
パウロのクニではガールトークだいじね。
いつもカオみてるね。
オンナのサインだいじね。
でもハピいいね。
ハピのミュージックセレクトいい。ハートある。
「パウロく~ん」
マキいいオンナ。
でもパウロあそばれるね。
マキはボクみてるフリしてるだけ。
いまもハピをチラチラいしきしてる。
いいなあハピ。
「きいてる?パウロくん」
「なにですか。マキさん。ボクきいてます」
「ハッピーのことだよぉ。あいつ鈍いんだよぉ」
マキ、はなみずふきましょうよ。
「なになにパウロくん。あたしの顔じっと見てるのさ。
あぁ~っわかったぁ~。口説くつもりだなぁパウロくん!
ノーノー、インポッシブルっ。マキ様は恋してるのよ。
パウロくんはマキの相談役なのだよぉ」
はぁ。いつもこれ。マキてばいつもこれ。
ボクだてオトコですのに。
・・・ハピにコクハクできないで、ザンネンだったね。マキ。
きょうはハピがオハカマイリにいった。
ハピがボクにれんらくしてきた。
これからRADIOきいてみろって。
Why RADIO?
-ぷっぷっぷーーーん。
-ハイ、エブリワン!
-良い子はみんな夢の中。
-でも眠れないあなたには、今夜も僕がお相手を。
-DJタロが眠らせないよ!
DJタロ?
ハピじゃん。いいヴォイスね。
-リスナーのみんな。まだ起きてる?
-外はずいぶん冷え込んできましたね。
-音もなく降り続く雪がなんだか映画を見てるみたいだよ。
-次の曲。リクエストも来てないみたい。
-だから僕の好きな曲かけちゃいます。
-
-先日亡くなったマキのために。
-
-ナットキングコール。「ザ・クリスマス・ソング」。
Thankyou。ハピ。
マキにもきっととどいてるね。