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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第二章
38/123

38.新番組”タロのハッピー・昼タイム”

-ぷっぷっぷーーーん。

-ハイ、エブリワン!

-お昼休みのひと時を、わたくしDJタロがお邪魔しまーす!

-仕事でがんばってる人も、疲れちゃった人も、タロが元気をおすそわけ♪

-”タロのハッピー・昼タイム”始まるよ!


 3時間の放送枠で始まった新番組は予想を超えた反響を呼んで

ラジオ局にも観覧希望者がたびたび訪れるようになったんだ。

いまも窓越しに観覧者が見学に来ているよ。緊張しちゃうな。


-さあ、今日の放送は夏休みスペシャルだよ。

-みなさんからのお便りから選んだ企画は何でしょうね。

-・・・「怖い話」

-ぶーっ。タロが怖がりなの知ってるくせにぃ。

-でもリスナーさんたちのリクエストを叶えることがタロの使命なんだねえ。

-ではがんばっていきましょう!リスナーからの体験談はこちらっ



-*********************

(リスナーからの体験談)投稿者・眠り姫


  それは、先週のことでした。


  かなり昔に廃業した病院がわたしの街にあるのですが、「出る」って有名なんです。

  友達と一緒にドライブした帰り、肝試しをしようってことになって。

  冗談半分で廃病院に行ったのです。


  車で建物まで行こうとしましたが、敷地に沿って囲まれたフェンスまでしか乗り入れられません。

  仕方なく車から降りたわたしたちはフェンス沿いに歩いてみました。

  誰かがこじ開けたのでしょう、フェンスの継ぎ目が風に揺れて少し開いていました。

  わたしたちはそこから入ることにしたのです。


  建物にたどり着いてみると思っていたよりずっと綺麗な建物です。

  入り口から中を覗き込んだそのとき、わたしたちは見ました。


  部屋の中を覆いつくす無数の顔を見たんです。

  

  一瞬おいて、友達が悲鳴をあげたことで、みんな走り出したんです。

  逃げているわたしたちの耳には赤ん坊の泣き声が聞こえていました。

  よく事故に合わなかったと思います。

  なにしろ車に駆け込んで叫びながら猛スピードで走る車の中でもずっと赤ん坊の泣き声が・・・



-うわぁぁ。もう読めないっ。イヤっ絶対っ。

-もう曲かけるねっ。えーん。


 曲をかけている間に、リスナーさんからメッセージが届いた。


「赤ちゃんの鳴き声が大きくてタロさんの声が途中から聞きづらかったです」


まあ、ステキ。


挿絵(By みてみん)


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