35.マコとの休日1
休日。
今日はマコさんを自宅にお招きしたんだ。
でも家はタバコ臭くて汚れてて、さすがに反省しつつ掃除をした。
(トイレットペーパーの三角折は迷ったけどしなかった)
スリッパとか座布団とか、なんにもない。大丈夫かなあ。
インスタントコーヒーを片手に部屋をうろうろしていたら、携帯が鳴った。
マコの叔父さんからだ。
「読んでみました?」叔父さんは開口一番にそう切り出す。
「読みました」僕は答える。
「気が進まなかったら遠慮しないでくださいね。わたしからちゃんと返事もできますから」
おそらく、叔父さんなりに考えてくれてるみたいだ。
「大丈夫ですよ。番組にも迷惑をかけません。会長さんにもタジマさんにも僕からお話しますから」
叔父さんは断る場合の僕のことを心配してくれているようだった。
僕は直接話してみて、そこから判断したいのだと説明した。やってみたい気持ちであることも。
「わかりました。それならよかった。あ、マコくんにも今度遊びに来るように伝えてください」
そういうと叔父さんは電話を切った。
マコさんを今日招いていることを知ってるようだった。
なんかくすぐったいね。
僕は幸せなんだと感じる。
みんなが応援してくれて、暖かく見守ってくれてるよ。
「さてと」声に出して立ち上がる。
マコさんを駅まで迎えにいかなくちゃ。
玄関のドアを開けると眩しい日差しが降り注いでいた。
向かいの家の塀越しに大きなヒマワリが顔を覗かせていた。