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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第一章
22/123

22.イベント当日2


-レディース&ジェントルメン!

-ようこそ”ホタルの森”と”DJタロと夜空のハーモニー”へ!!


 大型モニターに映し出され、次々と姿を変えて行くイメージ映像とDJブースの僕。

少し照れくさいな。


 始まりの曲は -10cc。"I'm not in love"-

レーザー光線がステージを彩り、森の一角が異質な雰囲気に包まれた。


スノーマシンから人工的な雪が空を舞う。


瞬間、爆発音と共に音楽が止み、暗転するステージ。森の鳥が一斉に飛び立った。


 やがて重奏低音が持ち上がる。

ステージに降り注ぐ光の粒は星屑のようだ。


次の曲は -PRAISE。”イージー・ウェイ・アウト”-

神秘的な音が辺りを包み、聴く人を魅了する。

タロにMIXされる自然の音たちが体に染み込んでゆく。


水面に落ちる水滴の音が、リズムに乗る。レーザー光線が合わせて踊る。

ぽちゃんっと響き渡るそのサウンドが天然のトランスを生む。


川のせせらぎが横切る。水面のきらめきが舞台背景にプロジェクターから投影される。


水しぶきの映像と音がはじけ、舞台にダンサーが舞う。

弾ける様に踊るFingerPlayダンサーズ。

パウロの切れの良いラップから高まるグルーブ感。



 舞台背景に蝶々が飛び交うと、夕焼け空へと映像が変化する。

曲は -グローバー・ワシントンJr.&Bill Withers。”Just The Two Of Us”-

”メロウでスイート”僕達のステージ。


徐々にステージは暗くなり、やがて全ての照明が消える。


ざわめく会場。


-本日はご来場ありがとうございます。

-私達のステージ、楽しんでいただければうれしいです。

-このステージの模様はそのまま今夜のラジオでも放送します。どうぞよろしく。

-さて、なぜここで照明を落としたのか?

-それが今夜の会場にお招きした答えです。

-みなさん。辺りをよく見つめてください。

-これが”ホタルの森”です。



 来場した人たちが辺りを見つめる。やがて聞こえるため息。そして歓声。拍手。


暗闇の森に、無数のホタルが舞い踊っていた。

”ホタルの森”


 しばらくの後、ステージの背景にはホタルに呼応するかのように無数の星が投影された。

みんな気づいていた。

ステージの映像はやがて、頭上に果てしなく広がる本物の星空へと繋がっていた。

彩りを増し、”Just The Two Of Us”が天高く響き渡る。


ホタルと星空のコラボレーションに誰もが息を呑んでいた。


挿絵(By みてみん)


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