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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第一章
15/123

15.マコ(ダイジェスト3)

 1999年。夏。


 部長がしつこい。


 新入社員への興味が一通り薄まり、あたしが彼氏と別れたことを嗅ぎつけた部長。

一人の夜は寂しいだろうとか、

若いうちの経験は多い分肥やしになるとか

年上の魅力を知りたくないかとか。


魂胆がミエミエなんだよね。


 年1回のデスク移動。なぜ部長の隣なのよ。

あぁ、神様。あたしが何をしたのよ。



 部長(51才)はいつもあたしの服装をチェックしてくる。

「おやおや、マコくん。昨日と同じスカートですねえ。

もしかして、イイコトあったんじゃないのかなあ。まさかして。

あ、その目、しつこいなあとか思ってるのかなあ。まさかして」


着ようと思ってた洋服をクリーニングに出したまま忘れてたのよ。

予備のスカートは干したまま雨に汚れたのよ。

あんたが残業させなければ間に合ったのよ。



 部長(51才・趣味は風俗)はいつもひけらかす。

「最近、若者の間では"エクステ"とか言うの?知ってる?

あれってどう思う?」

あきらかにエクステが何を指してるか理解できてない。

目が泳いでるし。

エックスの形に手をかざすことだと教えておく。



「たとえばさ。マコくんは年上とかってどう思う?」

「最近気になる映画は?---誰かと行く予定?」

「テレビで好きなのは?」



おそらくこいつは中年デビューだな。


誰か相手してあげてよ。


---


 疲れたあたしを癒してくれたのは、やはりタロちゃんだった。


-上司に疲れちゃったんだね。世代が違うと余計に伝わりにくいし。

-そんなマコさんから「癒してくれる曲」をリクエストされました。

-笑顔を取り戻せますように。

-ナットキングコール。「スマイル」。


タロちゃんの声。笑顔がこぼれるよ。


挿絵(By みてみん)


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