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タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第四章
118/123

118.かちゅ(エレーンの友達)


 番組を終えた僕は、夕陽と共に家路についた。


「おっかえりーっ」

マンションの階段を上がり始めたところで、マコさんが声を掛けてきた。

僕の姿を見かけて走って来たらしい。かわいい。


僕はマコさんの手を取って階段を上がる。(仲良しなのだ)



 玄関のドアを開けようとカギを取り出していると、部屋の中から何やら聞こえてきた。


僕とマコさんは耳をドアに寄せて様子を伺う。


 ナン、ナーン、にゃごりょょょ~♪


かわいいあの歌声である。僕達は思わず顔をほころばせた。


 「ただいま!」カギを開けてドアを開く。

はっとした気配と共に歌声が止まる。


部屋のドアの磨りガラス越しにネコちゃんの姿が見えていた。


 「タロとマコですよ~」と玄関で僕達は声を掛ける。


おそるおそるドアの影から顔をみせたのは・・・”かちゅ”だった。


 『こんちわ!おじゃまチてます!』と言って、”かちゅ”は飛びついて来た。

僕はよしよしと”かちゅ”の頭をなでる。


マコさんが僕の後ろから顔を覗かせると、かちゅが固まる。


 「大丈夫だよ。彼女はマコさん。僕の恋人なんだ」 僕が紹介すると初めてかちゅは安心した顔を見せた。

「マコさん。この子は”かちゅ”。エレーンの友達だよ」 僕はマコさんにかちゅを紹介する。

ゴロゴロと喉を鳴らし、マコさんに挨拶のキスをする。

「かわいい!よろしくね”かちゅ”ちゃん」 マコさんが抱き上げるとかちゅは照れくさそうに身をよじった。


 僕達がかちゅに夢中になっていると、奥の部屋から強い視線を感じた。

はっとした表情で”かちゅ”は後ろを振り向く。


エレーンが無表情でじっと見つめていた。(焼きもちを焼いているのだ)


---


「まったく、みんなでわたしを忘れてるんだもの」 失礼しちゃうわよ、と言ってエレーンが拗ねる。

ごめんごめん、と僕はエレーンを抱きしめる。

・・・誇り高き”奇跡の猫”は大きくあくびをして、しっぽをゆっくりと揺らす。

やがてゴロゴロと喉を鳴らすエレーン。(ご機嫌が直ったようだ)


「さあ、タロちゃん。マコちゃん。改めて紹介するわ、この子が”かちゅ”よ」 と言って、エレーンが胸を張る。


 エレーンは自分から紹介したかったのだ。


挿絵(By みてみん)


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