111.護身術4
ツヨシの護身術鍛錬は、日を追って本格的になっていった。
(嬉々としてツヨシの特訓に付き合う僕を見て、マコさんとエレーンは「よく飽きないわね」と言っていた)
-筋トレ-
足腰を鍛えるための走りこみとスクワット。
腹筋と腕立て伏せと背筋(うつ伏せと仰向け)。
-基礎-
空手のすり足移動、払い受け、突き、蹴り、柔道の受身。
(技の体得は、一つの動作に対して2万回とも言われている。まさに”刷り込み”が無意識レベルでの反応を可能とするのだ)
-骨法-
手の形を(上向きを下向きに)いかに無効化させるか、
これを様々な位置からイメージさせ、身体で覚え、体得する。
-応用-
これまでの一つ一つの練習が自分の中で統合されていく。
(ここからが楽しかった、とツヨシは言っていた)
・身体に対して相手と平行に対峙し、攻撃された瞬間に身体を横に反らし、払い、攻撃に転じるタイミングを刷り込む。
・相手の身体から伸びる腕を一枚の板としてイメージする。(木の枝に吊るした棒をよける練習もここに繋がる)
これは相手が武器を振りかざして攻撃してきた場合に真価を発揮する。
・組み合った状態から骨法をもって組み伏せる。
さらに相手の力を逆方向へ捻りつつ受身を取るだけで投げ飛ばす事ができる。
これは様々なパターンに応用ができる。角度を変え、高さを変えて鍛錬する。
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そのようにして、僕はツヨシに最後の”キモ”を教える段階に入ったのだ。
※通常、何年も掛かるべき内容ですが、小説の時間軸の関係で短期間で表現しています。