表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タロと今夜も眠らない番組  作者: シュリンケル
第四章
108/123

108.護身術2


骨法こっぽう


”柔術”を体得する上で、他の格闘技と一線を画しているのが骨法であろう。


通常、取り組む場合の「手の形」は、やや上向きで力を込めているものだ。

それをいかに下へ向けさせるか。これが柔術の(キモ)となるのだ。


相手の手の形を無力化し、体術をもって力を制す。それは骨法をもって可能となる。


 スポーツとしての柔道の裏の形(原形)を伝承する。それが柔術の真の姿である。

(一説では柔術から空手や柔道に派生したと伝えられる)



 では具体的にはどのようなものだろう。

それには裏投げが連想しやすいだろう。


掴んできた片手を取り、手首の力を殺す(骨法)。

そして前襟ではなく裏襟を掴んで(身体を背後に回りこんだ上で)背負い投げる。

投げ方次第では一瞬で腕を折り、脳天から叩き落す。

(それは目を瞑った状態でも可能となるのだ)


---


 僕は近所の公園で、ツヨシに一つずつ教えることにした。


 立ち方はやや内股で。(へそ下三寸に意識を集める)

すり足は軽やかに。(水の上を歩くが如く)

呼吸は長く途切れなく。

そうして四方八方への移動をひたすら練習する。


 30分も練習しているうちに、ツヨシは全身から汗をかいた。


公園の向こう側で遊んでいた子供達が遠巻きに眺めている。


僕は意識を集め、身体に戻す。(気を補充するのだ、と”李”先生は言っていた)

ツヨシも見よう見まねで動作を繰り返す。


 「今のを毎日やるんだ。息切れしなくなるまで」


今日はここまで、僕の言葉にツヨシは無言で頷く。

汗びっしょりで。まっすぐな瞳で。


公園の向こう側で再び子供達が遊び始める。

(サッカーを放り出して、彼らはすり足で遊んでいた)

空を横切る飛行機を、ツヨシが見上げる。汗が頬を伝っていた。


 そのようにして、僕とツヨシの特訓が始まった。


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ