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紀元前0世紀の物語  作者: 熊さん
第5章 大和政権への吸収
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5-5 紀元前0世紀の世界の動き

紀元前0世紀の世界の動き


南の国の王は、敦賀の縄文巫女との会談のあと、大きな勢力から共闘を求められていた。

その力は強く、王は気圧され、支配の流れを自らの国にも受け入れざるを得なかった。

南に移動するグループが言っていた「近畿圏の力」とは、この勢力のことであった。


紀元前5世紀頃から渡来系の人々が入り込み、農耕を広げ、平地に民を集めた。

人口が増え、各地に王が生まれたが、南の国と同じように争いが絶えず、落ち着くまでに多くの失敗を繰り返していた。


その中で、伊勢の大巫女と渡来系の王との出会いがあった。

大巫女は、米を持つ渡来系の王にも寛容であった。

長い年月をかけて、王たちは「力ではなく、米という理で支配する」ことに気づいていった。


戦わず、共闘して力をつける。

それが新たな動きであり、民にとっても合理的な選択だった。

農耕に従事することで人口が増え、米を与える存在が自然と支配者となる。


支配の形が、縄文の時代とは違う“理”へと変わり始めていた。


佐久の親分は、麻の収穫が済むと伊勢に通うようになっていた。

大巫女と話すうちに、この“共闘の理”が分かってきていた。

弓使いを連れて行くと、大巫女は機嫌が良く、いつも喜んで迎えてくれた。


一方、九州では、紀元前3世紀頃に大陸から渡来した別の勢力がいた。

彼らは永遠の命の薬を求めて現れた者たちで、大きな舟を操り、米作を進めながら動く武力系の集団であった。

この勢力が、後の九州勢力の原型となっていった。


その日、親分と弓使いが伊勢を訪ねたとき、大きな舟が川べりに停泊しているのを見つけた。

上陸した者たちは明らかに兵で、海辺の小屋の住民とは違う風貌をしていた。

彼らは周囲を見向きもせず、大巫女の祠へ向かっていた。


胸騒ぎがして、親分と弓使いは思わず後を追った。


兵たちは祠の前の警護と相対していた。

体格の違う兵たちは強気で、警護の者に詰め寄っていた。


危ないと感じた親分が動き、弓使いも弓を構えた。


兵の一人が手を挙げた瞬間、親分が横から入り込み、木の棒でその腕を止めた。

兵が叫ぶ。


「何をする!」


弓使いが叫ぶ。


「止まれ!」


祠の前の兵たちが動きを止めた。

親分が一言。


「ここは大巫女様の祠だ。礼をわきまえろ。」


勢いに乗っていた兵たちは、その言葉で動きを止めた。


そのとき、大巫女が現れた。


「双方、静かに。」


大巫女の一声で、すべてが静まり返った。

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