5-4 佐久の結論
佐久の結論
佐久への帰還はゆるりと動いていた伊那では縄文の景色や米作の田んぼ等、弥生との暮らしが混ざってる感じだった。
また、諏訪では、山を降りた巫女が社を構えており、こちらは平地に人が降りてきているのが見えていた。
親分は諏訪まで来ると、直江津王国が気になってきた。伊勢の大巫女は、大丈夫と言っていたが、あれは近畿圏からの密かな動きを感じる話であった。悩んだ末、弓使いに伝えた。
「弓使い、悪いが内の巫女に伝えてくれ、オレは直江津王国に行ってみる。戸隠の事の確認が必要だし、南の国の話も、いや、話はしないと思うが気になるからな、保倉川の小屋に寄ってから戻る」
親分は、言い終わると、さっと手を挙げ、山を登り始めた。ここから松本に出て、戸隠の横を抜ける道に向かうのだ。
弓使いは、分かったと返事をして、そのまま直線して、分かれた。
諏訪から二日目、直江津王国に着いた親分は、直江津王国の執務室に入った。
「王、宰相殿、お久しぶりです。」
「なんぞあったか?」
王が親分の動きが気になり、問いかけた。
「いや、この頃、南の国の動きはありましたでしょうか?」
何だ、そんなことかと気を抜いて、王が答えた。
「大分と静かになっている。我らも南の国の方に人を遣わし、偵察したんだかな」
「そうですか。よかったです。近畿圏の動きがあるようなので、お伺いに参ったまでです。保倉川の小屋に用があったので、ついでにお尋ねしました」
なるほど、宰相が答え、親分は席を外した。
出ると、夏の日差しだったが、伊勢と比べると日の力が弱い、保倉川の小屋に入った。
少し手足を伸ばし、小屋にいる人間に飯を頼み一眠りした。
「おおい、世話になるぞ」
と、騒がしい声がして、南に移動するグループが入ってきた。飛び起きで、挨拶を済ませると早速、話が始まった。
「おお、南の国の動きはどうだ?お前らはかなり深く入ったんだろう」
「お見通しだな、そうだ。奴らのところには鉄の剣なんかがあるからよお、あちこちで呼ばれるんだ。でも、動きは、鈍くなった。どうも近畿圏が関係あるたいだぞ」
「ほう、そうか。そりゃ直江津王国にはいい話だな。」
親分は、裏が取れたぞと、ほくそ笑み、彼らの持って来た酒をもらい、いっしょに夕食を済ませていた。
神殿には、新たな長、巫女がいて、チビと弓使いも来ていた。親分は、戻ると直ぐに話し始めた。
「伊勢の大巫女の話は弓使いからあったと思う。」
皆が頷く。
「そこで戸隠に寄って、直江津王国に行き、保倉川の小屋で南に移動するグループとも会ってきた。」
皆が真剣に聞いている
「ここからが相談だ。長、我々は、直江津王国と近畿圏どちらに付くか考えねばならない」
若い長に対して義を見せた親分だが答えが出ないことであった。
巫女が代わりに答える
「仕方がないですね。動きが速いですね。我らの場所には時間がある。と思います。長よ、ゆっくりと考えておいてください」
長がゆっくりと頷き、目を細めて、顔を横に降った。
仕方がなかった。佐久には力がない。どうするかは相手次第なのだ。
浅間山に夕日が当たり、青い空が黒色に染まり始めていた。




