4-27 宰相の提案
宰相の提案
宰相の迎えはしっかり対応出来た。
巫女は安心していた。
宰相が食べ終わり、頭を下げ、巫女に話しかけた。
「直江津王国にとって、佐久の集落は、身内であり、先代の巫女は、前王の直系であることも理解している。巫女は直江津王国をどのような存在であるとお考えか?」
巫女は来たな、と思った。
「直江津王国とは、先代の巫女が、直江津王国から独立した存在として、集落の安寧のため、様々に対応を図り、佐久平での縄文の知恵を積極的に取り入れ、今の形を作りました。」
宰相は、それは違うと言いかけたが、言葉が出ない。巫女は続けた。
「つまり、浅間山の大噴火の後、大きく独立した佐久の巫女としての動きがありました。
直江津王国との関係は、巫女の血筋でしかありません。」
宰相に浅間山の大噴火は知ってはいたが、何が起きたのかは理解していなかった。
ここは遠い土地なのだな、と、理解するしかなかった。
巫女が更に続ける。
「その血筋の繋がりがあった為、春日山の巫女の危機の天啓を受け、私が移動するグループを使って、対応させた次第です。」
もう何も言えない。
我らは、支配の構造を作りきれてなかった。ましてやこの巫女には大きな借りがあった。それをこのように言われては、宰相は深く頷いて、答えを出した。
「春日山の巫女の事は、誠にありがとうございました。
我らは、兄弟の集落として、これからもよろしくお願いいたす。」
宰相は、言ってしまったと思ったが、続けた。
「この遠い佐久平を見れて、良かったと思う。感銘した。そこで、、、縄文の森には入れるのだろうか。」
巫女は、驚き、吹き出しそうになったが、それでも慌てず、応えた。
「あのー、縄文の森へ入りたいと?」
巫女は宰相の突然の展開に、問を繰り返した。
宰相は、ここで得られるものがあるかも知れないと、既に考えを変えていたようだ。
巫女は、弓使いに耳打ちし、婆様の返事を聞くことにした。
「宰相様、縄文の森は、我らの土地ではありません。この弓使いに連絡して、聞いてもらいます。しばらく、お待ちください。」
神殿の巫女の祈りの場で、宰相は、待つことになった。
神殿に静寂に包まれていた。




