4-11 南の国の使者
南の国の使者
南の国は、敦賀にあった。
そこで領地の拡大のための戦力を戦略担当者に任せていた。
直江津王国への交渉で、柏崎を使うことや、春日山の巫女を排除することは、一任していたのであった。
戦略担当者は、少し動いた時、直江津王国や柏崎の様子を見て、考えていた。
柏崎の反応は良い、それでは、春日山の巫女を排除できれば、良い。
そこで、戦うことが前提で、国王に、巫女の排除を脅せば、こちらの要求を飲むのじゃないか。
と、彼は、簡単に考えていた。
南の国は、大陸から移住し、新たな領地を近隣の縄文集落を新たな技術、米を作る事などで、指導し、命令すると簡単に吸収できていた。
この新しい土地を吸収するのは単純だ。かつての大陸での争いのようには、ならない。
我らは優秀なのだ。そんな風に見ていた。
直江津王国の得意な部分は米の量産が我々より多いだけで、我々のような支配体制なく、軟弱のように見えた。そんな国など、簡単に領有出来ると思っていた。
彼らは、20人程度の戦闘兵を連れて、何週間かけて、山を駆け渡り、春日山の麓とは逆の海側にテントを張り、控えていた。
そこへ、使者が戻って来ていた。
柏崎の、殿様の反応を伝えた。
「戦略担当殿、柏崎は、自ら直江津王国に行き、支配をして南の国に従属すると申しておりました。本当に支配などが、出来ることは思いませんが、柏崎が直江津王国の王との交渉が入れば、我らがこの戦闘兵を連れて行けば、事はなると思います」
戦略担当は使者を使い、柏崎の状況を確認し、我と同じ考えであることに満足していた。
その春日山の麓の神殿に、柏崎からの先駆けが来ていた。
執務室で、王は宰相にも見せ、対応を考えていた。
そして佐久の集落の移動するグループのオヤジ達にも相談するのであった。
「オヤジ、そなたの言った通りになったな、南の国を背景して、柏崎の殿が訪ねていてくるようじゃ」
「宰相様、柏崎の殿は、元々王族ですよね。関わりはないのですか?」
言い難いのか、宰相は王に発言を促した。
「王よ、お願いします」
「オヤジよ、佐久の集落には、様々な協力を得てるので、正直に話そう。柏崎は、王になれないと判断された王族が移住して出来た集落で、長岡のように、ワシに頭を下げてお願いしてくるような仲ではないのじゃ」
「王よ、柏崎には、直江津王国への執着が酷いと感じております。」
「そうじゃのう、宰相のいう通りだと思う」
その日の太陽は高く明るく輝いていたが、妙高の方での雲が黒く広がっていた。




