4-10 南の国の使者
南の国の使者
神殿前の物陰にいた弓使い。
若が、早足で現れた。
実は、弓使いは、事前に連絡役に会って、柏崎に侍女が捕まったと伝えていた。
若は連絡役に会うために柏崎に来ていたので、それを聞いて、ここまで来たのだ
弓使いは、若を見つけると、声をかけ、二人で話をした。
そこに、侍女を連れた南の国の使者が出てきた。
「私は、佐久の集落の移動するグループです。貴方は、南の国の使者様ですか?」
「何故だ、どうしてそれを知ってる?」
侍女は、使者の連れてる男に引き連れられていたが、弓使いが、若と同時に出て、無言で殴りつけ、侍女を取り戻していた。
若は、それを確認すると、
「使者様、残念ですが、侍女は頂きます」
「何を、、、」
使者が振り向くと、弓使いの手に侍女が掴まれており、使者の連れは倒れていた。
一方、柏崎の神殿では、殿が、南の国の使者に対して、直江津王国を支配して、南の国の属国になると、しっかり言えたことで…ホッとしていた。
同席していた部下の男が
「先ほどの次女は如何いたしましょう」
「先ほど捕らえた娘は、南の国の使者が欲しいと言ったので、渡しておいた。勝手に引き取るだろう」
と、大きな声で笑い出した。
「殿、早速、直江津王国に先駆けを出しましょう」
「うむ、よきにはからえ」
殿が得意そうな顔で、部下とニコニコしていた。
外では、南の国の使者が、侍女が奪い取られても、保険と考えていたので、若たちとは、争わなかった。
フンっという、相手を睨見つける顔を向けて、そのまま去って行った。
「チビ、大丈夫だったか?」
若が、侍女に向かい声をかけた。
弓使いに助けられた侍女は、情けない声て謝るのだった
「ごめんなさい。上手く立ち回れなくて、捕まってしまって、、巫女様に面目ない。」
「いや、無事で良かったよ。弓使いが、連絡役に会っていて、チビの捕縛を知って、ここに来たのだ」
柏崎と南の国との繋がりも分かったので、三人は直江津王国に向かった。
その頃、春日山遠くの小屋に、王と宰相、そしてオヤジが、集まって話をしていた。
「まずは、春日山の巫女の安全が第一です。きっと何かが起きるんだと思います」
すると、宰相が、力強くキッパリと
「オヤジ殿がおっしゃる通りにしよう。見張りを強化し、小屋の中と外に見張りをつけることにする。宜しいでしょうか。」
「うむ、そのように計らえ、巫女は大事ないか?」
「はい、突然佐久の集落の移動するグループの方々が来て驚きましたが、何事も起きていません。」
皆は、安心して若の報告を待つことにした。
日が落ち、小屋に明かりや祈りのための火が赤々と揺らめいていた。




