2-12 佐久の集落
佐久の集落
神殿作りは、初めから大掛かりになっていた。川前の集落で新しく作った神殿よりも大きなものが出来上がろうとしていた。
正面には柱が4本で、同じようであったが奥行きが広がった。やはり屋根は茅葺き立ったが、丘の近くに生えてた草で何とか作り上げた。
田んぼの耕作や小屋の整備が終わると、巫女を連れて来るために準備が始まった。担ぎ手を6人を選抜して、検分役と直江津王国に戻るのであった。
今回の、巫女は、王族の娘であり、川前の集落の巫女の妹であった。
彼女は、好奇心が強く、しかも強情であった。巫女の修行は、かなり厳しかっが彼女は頑張っていた。
検分役は、到着すると王の執務室に向かった。
「王よ、戻った。新たな領地は中々作りがいのあるものだと思う。小屋も田んぼの耕作も進んで、神殿も出来たぞ。」
「おう、巫女よ、もう既に神殿が出来上がったようだ。しっかり王国の権威を示すのだぞ」
「はい、王様、旅路にも興味津々です。」
若々しい娘は、まだ12になっばかりであった。初々しくも王の前に膝まづいた。
広場の前では、連れできた担ぎての横には櫓があり、その横に3人づつ立っていた。
王が、民の前に出て宣言した。
「新たの領地は、新しく開かれるという意味で《佐久の集落》とする。巫女は彼女だ。」
巫女が顔を隠し、オズオズと進み出た。そして、櫓の横から台に入り座った。担ぎてたちが一斉に櫓を待ち上げた。
海からの風が巻き上がり、青空に爽やかの新芽の草の匂いを届けていた。
行列は、検分役が先頭で櫓が続き、巫女の侍女が付き従っていた。
担ぎでの行進なので、夕方、日が沈む頃に野尻湖に到着した。
翌日は、野尻湖畔で過ごし、千曲川に向かった。大きな川をみた巫女は、川が流れてるのを初めて見て櫓から降りて、川岸に駆け寄り足をつけた。
「冷たい、、、」
「巫女、危ないぞ」
慌てて、検分役が声をかけた。
「ごめんなさい。どうしても足を川に付けてみたかったの」
ケラケラと楽しく笑う笑顔は、幼子のそれであった。
翌日に、川を渡り、一息ついたら山間の険しい道を進み、広場に出たら、また一泊し、いよいよ佐久の集落に到着したのであった。
浅間山からの風がやや冷たく吹き付け、新たな厳しさを示唆しているようであった。
到着の時、神殿の前、長の掛け声が響いた。
「直江津王国の巫女様の到着。皆のもの」
と叫ぶと、移住した民が全員で
「巫女様!、巫女様!」と、叫ぶのであった。神輿が新たな神殿の前に櫓が下ろされ、巫女が立ち上り、オズオズと歩き出したのである。
到着の儀式は厳かに進み、巫女の後、侍女が付き従い神殿に入って行った。
直江津王国の権威の象徴のはずの神殿は、今後遠いこの地で、新たな役割が生まれることになる。
こうして、これまでになく、新たな領地佐久の集落は動き出した。移動するグループだった検分役が周りの縄文集落とのつながりも、スムーズに進んでいったのであった。
検分役も、大きな役割が終わった。大きくため息を吐くのであった。
渡来人が新天地を目指し新たな弥生集落が生まれたが、それは縄文の暮らしを壊す大きな変革であったが、移動するグループという縄文の仕組みによって地域の縄文とスムーズに融合が進み、新たな形の社会が広がっていった。
これで2章も終わり、次は第3章です




