2-9 王国の発展
王国の発展
先の集落の奉納も始まり、5年も経つと、川前の集落と合わせ、直江津王国は、拡大していった。
先の集落では、人口が増えていくと、縄文集落を逆に弥生集落が、侵食するように増えていった。新たな弥生集落が自然に増えていったのであった。
川前の集落でも、人口は膨らみ、西側にあった台地に神殿を建て直すことになった。
正面に太めの柱を4本立て、屋根は茅葺きを引き、これまでにない輝きが辺りを圧倒していた。
直江津王国の権力が整う内に、神殿での儀式的な統治の動きが顕著になっていったのであった。
新たに出来た大きな神殿では、かつて縄文巫女が行っていた舞が行われ、権威を示す、祈りも行われるようになっていた。神酒を注ぐ器の首元が赤く染まっていた。
巫女は王族の娘で、幼い頃より縄文巫女の教えを学んでおり、素直だが頭のよい娘であった。
長は、治世を続けていたが、巫女達や侍女達に、長がそれらに付き従うようになった。
巫女の言葉は、密かに検分役が王の言葉を伝え、疑問にも検分役が応えるようにしていた。長は、それを聞いて治世を進めるようになっていった。
こうして、直江津王国の国としての治世も大きくなっていった。
直江津王国の執務室で王は、検分役の移動するグループの若者の前で、ため息交じりに語った。
「検分役よ、お主の動きにより、王国の形が出来てきたようだ。ありがたいと思っている。始めは若く、何が起きたのか分からなかったのでな。本当に進んで動いてくれて、助かったよ」
「王よ、我もこのように王国の統治が纏まり、巨大な人口を治められるとは思いにも依らなかった。こちらは流れに合わせて、動いたまでです。こちらこそ信頼頂き、ありがどうございました。」
2人は、宰相らを外し、本音を語っていた。
しかし、人口増加は、進んでおり、まだまだ新たな領地が必要であった。
「川前の集落の集落でも、巫女が入り、いよいよ統治が固まって参った。しかし住民の新たな土地への要求は膨らんでいる」
「そうですね。千曲川の上流に浅間山系と八ヶ岳山系の間に広い平地があることを我は知っていて、案内ができます。」
「川を渡らずとも、その先に平地があるのか」
「いや、川は渡りますが、川前の集落より、少し南に行ったところに、渡れる場所を知っております。その後は、少し山歩きが続きますが、かつて縄文集落が浅間山系と八ヶ岳山系を横断する、縄文の頃、歩いていた場所があり、そこを横断していました。目的の場所には、我々の足なら3日、移住グループもゆっくり7日程で付ける思います」
佐久平への移住が決まった。




