2-2 川前の集落の発展
川前の集落の発展
直江津王国から新領地と認められた川前の集落だったが、苗の田植えが終わり、住民にもより余力もできていた。
始めての土地に、周りが気になっていた。
まず、動いたのは、直江津王国にいた時、海で漁をしていたもの達であった。彼らは、川を見に行くのであった。
川は海とは違い、流れていた。
彼らは流れの中に何がいるのか、探し出したが、何も見えない。川の流れが邪魔をして見えない。
直江津王国の近くにあった川よりだいぶんと大きい。
と、突然森の方から人が出てきた。
あれは、縄文の人だろ。
と、検分役の若者から、森には縄文集落があるからと聞いていたのである。
彼らが対岸から河にはいると棒で川の表面を叩くのである。バシャバシャっと、何回も何回も、場所を変えるとまた、叩くのであった。
すると、川岸にピチャピチャと跳ねる何かが見えた。
「あれは、魚でなでぇねえか」
思わず声が出てしまった。
川岸には、人が集まっていて、カチカチ、と音がした。
すると、黒い煙が立ち上がってきた。
川岸に上がってくる者は、魚に串を指し、薪の周りに突き刺し、焼けるのを待った。
「あ、そうか川には魚がいるんだな。よし、おれも網を用意するかな」
対岸から見つめていた弥生集落の若者は、大きく頷くのであった。
網は作ることが出来たので、草を集め、網を作るものが出てきたのであった。
やがて、夏になり、穂が風に揺れ、波のうにうねり始めると、森にはいる者たちもで始めた。
「森は、縄文の森だ。なるべく静かに入れ」
検分役は、移動するグループとして縄文をよく知っていており、
「優しくし入れば、縄文の知恵が分かる」と、静かに説得していた。
縄文の森であったので、あちらこちらに、木の皮が削ったりした印をあちこちで見つけ、検分役と言っていた、縄文の知恵が見つかった。
「あっちこっちに印があって、本当に豊かな森だな」
川前の集落のものにも、理解が深まっていった。
森はとても豊かで、野草や果物、実がなる木が沢山あった。
そこで、川前の集落の者も、罠を仕掛けたり、森の恵にも触手が動いていった。
それでも、森では、遠くにすれ違う縄文集落の者たちに、話しかける者はいなかった。
お互いに言葉は同じだったが、お互いに遠慮していたのだろう。
しかし、縄文の方も、好奇心旺盛で、川向うの田んぼに広がる草が何であるかは、分からなかった。
勿論、興味津々であった。




