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『その配信、ネタバレ注意につき。 ~陰湿な神様が、現代の「特定班」と「拡散力」にボコボコにされて泣いてます~』  作者: さらん


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6/21

第6話:「放送事故」だと思った? 残念、ただの「ドッキリ」でした

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は、神様が必死に考えた「放送事故」を、レンが台無しにします。



【場所:最終エリア「審判の謁見室」】

『死ねぇぇぇッ!!』


神エニグマの大鎌が振り下ろされる。

レンは紙一重でそれを回避し、玉座の影へと転がり込んだ。


「っと、あっぶね! ガチで殺す気かよ!」

「レンさん!」


サラリーマンが、恐怖で動けない女子高生を庇って叫ぶ。


『ハハハ! 逃げ惑え! 配信ギャラリーはもういない!』


エニグマは愉悦に歪んだ骸骨の顔で笑った。


『貴様が頼みの綱にしていた視聴者たちは、今頃「真っ黒な画面」を見て解散している頃だろう!』

「……へぇ」


レンは柱の陰で息を整えながら、挑発するように声を上げた。


「じゃあ聞くけどさ、運営さん。俺たちを殺した後はどうすんの?」

『決まっている。また地球から新しい人間をさらい、記憶を消して、私の玩具にするのだ』


エニグマはペラペラと喋り出した。誰も聞いていない(と思っている)からこそ、本音が溢れ出る。


『私はこの世界の絶対神! 人間どもの絶望する顔こそが、私のエネルギーなのだよ!』

『前回参加した30人も、前々回の50人も、全員この手でミンチにしてやったわ! ハーハッハッハ!』


決定的な証言。

大量誘拐と大量殺人の自白。

レンは、ポケットの中でスマホを握りしめ、ニヤリと笑った。


「……言質げんち、取ったぜ」


レンは柱の陰から飛び出し、エニグマの前に立った。


『ほう、命乞いか? それとも最期の悪あがきか?』

「いや、『ネタばらし』だよ」


レンはポケットからスマホを取り出し、エニグマに向けた。

黒く沈黙していたはずの画面を、指でタップする。

パッ。

画面が明るくなり、そこには――。


【同接:1,200,000人】

【コメント流速:測定不能】


「は……?」


エニグマの動きが止まる。


「あのさぁ、陰湿神さん。『地球の神様』がくれたスマホだぞ?」


レンは憐れむような目をした。


「お前ごときの結界で、電波が止まるわけないだろ。ただ俺が『画面をオフ(スリープ)』にしてただけだ」

『なっ……!?』

「『放送事故』を装って、お前の本音を引き出すためのドッキリでしたー!」


レンはカメラに向かってピースした。


「みんなー! 今の自白、録音したー!? 拡散よろしくー!!」


【コメント欄】

> 視聴者A: 聞いたぞオラァァァッ!!

> 視聴者B: 自白キターーーwwww

> 視聴者C: 30人殺害とかガチの邪神じゃねーか!

> 視聴者D: 許さん。特定班、こいつの神殿の住所特定しろ。

>


コメント欄は、先ほどまでの「お遊び」ムードとは違っていた。

本当の悪意に対する、120万人の「義憤」と「殺意」が渦巻いていた。


『き、貴様……私をめたなァァァッ!!』


エニグマが逆上し、鎌を振り上げる。


『ならば、スマホごと粉砕してやる! 証拠ごと消え失せろ!』

「おっと、暴力反対」


レンはスマホの画面にある『ライト』のアイコンに指をかけた。


「みんな、こいつ陰湿な癖に『光』に弱いらしいんだわ(さっきの黒歴史ポエム情報)。」

「だからさ……『いいね(高評価)』でフラッシュ焚いてくんない?」


レンがアイコンをタップした瞬間。


カッ!!!!

スマホのLEDライトから、太陽ごとき閃光が放たれた。

ただのライトではない。

120万人の視聴者が押した「高評価」のエネルギーが、地球の神様の魔改造スマホを通して、物理的な「聖なる光」へと変換されたのだ。


『グアアアアアアアアアアアッ!?』


エニグマの骸骨の体が、光に焼かれて黒煙を上げる。


「目が! 目がああああああッ!!(目玉ないけど)」

「うっわ、眩しっ!」


レン自身も目を覆うほどの光量。

それは、隠し事と闇を愛する陰謀の神にとって、最も忌むべき「真実の光」だった。


「いけぇぇぇぇッ! そのまま浄化しちまえ!」


サラリーマンが拳を突き上げる。


『や、やめろ……! 私の体が……崩れる……!』

『私は神だぞ! こんな……「いいね」ごときにぃぃぃぃッ!!』

「時代が変わったんだよ、神様」


レンは光の中で言い放った。


「今は『信仰心』より『承認欲求いいね』の方が、火力が高いんだよ」


ドォォォォォン!!!!

エニグマの体は、光に飲み込まれ、跡形もなく消滅した。

霧が晴れ、禍々しい謁見室に静寂が戻る。


「はぁ、はぁ……。や、やったか……?」


サラリーマンが腰を抜かしながら呟く。


「神様を……倒した……?」

「ふぅ。ま、こんなもんか」


レンは熱を持ったスマホを振り、カメラに向かってVサインをした。


「みんなー! 協力サンキュー! ラスボス撃破、これにて配信終r……」


レンが「配信終了」のボタンを押そうとした、その時だった。


ピロリン♪

スマホが鳴った。

スパチャではない。「システム通知音」だ。


レンが画面を見る。

エニグマを倒したはずなのに、配信の「同時接続数」が減るどころか、異常な速度で増え続けている。


【同接:1,200,000人 ⇒ 5,000,000人】

【同接:Error(測定不能)】

「……あ?」


レンの背筋に、冷たいものが走った。

コメント欄の流れる速度が、目にも止まらぬ速さになり、そして――突然、すべて同じ文字に書き換わった。


【コメント欄】

> 視聴者A: 許サナイ許サナイ許サナイ

> 視聴者B: ボクノ世界ヲ壊スナ

> 視聴者C: BANシテヤル BANシテヤル

> 視聴者D: ■■■■■■■■■■

>


「ひっ……!?」


画面を覗き込んだ女子高生が悲鳴を上げる。


「レ、レンさん! コメントが……みんな『神様の言葉』になってる!?」


レンは空を見上げた。

晴れたはずの天井に、無数の「目玉」が浮かび上がり、ギョロギョロとレンたちを見下ろしていた。


『……フフフ。面白い』

『アバター(端末)を一つ壊された程度で、私が消えると思ったか?』


声は、どこか一点からではなく、世界そのものから響いていた。


『私はこの世界の管理者サーバー。貴様らがいる空間そのものが、私の体内だ』

『さあ、配信者よ。……ここからは「BAN祭り(垢BAN)」の時間だ』


レンは引きつった笑みを浮かべ、バグり始めたスマホを握りしめた。


「……へぇ。第2形態(本垢)のお出ましってわけか」

(第6話・完・修正版)


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!


「神様ざまぁw」「レンひどすぎる(笑)」と思っていただけたら、

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