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『その配信、ネタバレ注意につき。 ~陰湿な神様が、現代の「特定班」と「拡散力」にボコボコにされて泣いてます~』  作者: さらん


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20/21

第20話:神様を消したら、世界が「ブルーバック」になりました

いつも読んでいただきありがとうございます。

これで、世界が平和に。


【場所:深淵の最奥部 ⇒ 世界の崩壊現場】

【TARGET DELETED】

神エニグマが消滅し、レンたちは勝利の余韻に浸っていた。

スパチャの嵐、祝福のコメント、そして解放感。


「やった……。終わったんですね……」


サラリーマンが涙を流してへたり込む。

女子高生も、レンの手を握って喜んでいる。


「おう。これにて一件落着。……じゃあ、地球の神様! 約束通り帰還ログアウトさせてくれよ!」


レンが空に向かって叫んだ。

しかし。

空からの返事は、焦りに満ちたものだった。


『ば、馬鹿者ォォォッ!! 何をしてくれたんだ貴様らァァッ!!』


地球神の絶叫が響く。


「は? 何だよ。お前が『倒せ』って言ったんだろ?」

『「倒せ」とは言ったが、「アカウント削除デリート」までしろとは言っていない!』

『おい、周りを見ろ! 足元を見ろ!』

「あ?」


レンたちが周囲を見渡すと――。


ザザッ……ザザザッ……。

先ほどまで「青空」だった背景が、不気味な「青一色ブルースクリーン」に点滅していた。

さらに、地面がデータのように欠落し、白い英数字の羅列が空中に浮かび上がっている。


【CRITICAL ERROR】

【System32 not found...】

【World Data is corrupting...】


「うわっ!? 何だこれ!? 文字が降ってきたぞ!」


サラリーマンが悲鳴を上げる。

遠くの山々が、ポリゴンの塊になって崩れ落ちていく。


『当たり前だ! この世界を演算していた「CPUエニグマ」を消し飛ばしたんだぞ!?』


地球神が早口でまくし立てる。


『管理者がいなくなれば、サーバーは落ちる! この世界は数分後に……「強制シャットダウン(消滅)」するぞ!』

「はぁぁぁぁ!?」


レンが目を見開く。


「いや、聞いてねぇよ! じゃあ俺たちはどうなんだ!?」

『世界と一緒に「データ破損ロスト」だ! 帰還ゲートも維持できない!』

『貴様らがやりすぎたせいだぞ! スパチャで殴りすぎて「神の核」まで蒸発させるから……!!』


【コメント欄】

> 視聴者A: え?

> 視聴者B: 世界消滅マ?

> 視聴者C: やべぇ、やりすぎたwww

> 視聴者D: 笑い事じゃねぇ! レン様が死ぬぞ!

>


勝利ムードが一転、大パニックに陥る。

倒したはずのラスボスがいなくなったせいで、全員仲良く心中エンド。

あまりにもお粗末なバッドエンドだ。


「おいおいおい! 冗談じゃねぇぞ!」


レンがスマホに向かって叫ぶ。


「おい地球神! お前が代わりになれよ! お前がこの世界を管理すればいいだろ!」

『嫌だ! 断る!』


地球神が即答する。


『私の管轄外だ! それに、こんな「陰湿で趣味の悪い世界」のメンテナンスなんてしたくない! 私には地球の管理(激務)があるんだ!』

「この公務員根性がァァァッ!!」


世界は刻一刻と崩壊していく。

レンたちの足場も、あと数メートルしか残っていない。


「くそっ……! どうする!? 誰か『代わり』はいねぇのか!?」


レンが周囲を見渡すが、いるのは一般人のサラリーマンと女子高生だけ。

彼らに「神様」の代行などできるわけがない。

その時。

レンの視界の隅に、「何か」が落ちているのが見えた。

先ほどの爆発の中心地。


そこに、黒く焦げた「小さな黒い球体」が転がっていた。

それは、微かに震えながら、ブツブツと何かを呟いていた。


『……ゆる……さん……』

『……わたしの……せかい……』


それは、力を失い、ソフトボールサイズまで縮小した神エニグマの「燃えカス(残骸)」だった。

消滅したと思われていたが、しぶとく「バックアップ」が残っていたのだ。

レンは閃いた。


「……おい、地球神。あいつ、まだ生きてるぞ」

『え?』


レンは黒い球体ミニ・エニグマを拾い上げた。


「おい陰湿玉。……お前、この世界を消したいか?」

『……ふざ……けるな……。ここは私の……庭だ……』


ミニ・エニグマが弱々しく抗議する。


「だよな。じゃあ、働け」


レンはニヤリと笑い、地球神に向かって叫んだ。


「おい神様! こいつを『再起動』させろ!」

「ただし、権限アドミンは剥奪だ! こいつを……この世界の『永久管理者(サーバー保守係)』として固定しろ!」

『な、なるほど!』


地球神がポンと手を叩く。


『「神」としての力は与えず、「世界を維持する機能」だけを強制稼働させるわけか! 名案だ!』

『ま、待て! 何をする気だ!?』


ミニ・エニグマが慌てる。


『システム再構築リストア!』


地球神が指を鳴らす。

空の裂け目から光が降り注ぎ、レンの手の中にある黒い球体に吸い込まれていく。


ピカーッ!


【再起動します】

【権限レベル:神 ⇒ アルバイト(サーバールーム監視員)】

『ギャアアアアアッ!? 私の体に……「労働の鎖」が!?』


ミニ・エニグマが悲鳴を上げる。

彼の体から無数のケーブルが伸び、崩壊する世界の大地に強制接続された。


ズゴゴゴゴゴ……ッ!

崩れかけていた山や空が、急速に修復されていく。

ただし、それは神の意志ではなく、「生体CPU」として酷使されるエニグマのエネルギーによって行われていた。


『体が! 私の魔力が勝手に吸い取られる! 重い! 苦しい!』

『やめろ! こんな……ただ世界を支えるだけの「人柱」なんて……!!』

「よかったな、神様」


レンは、空中に固定され、必死に処理落ちと戦うミニ・エニグマ(ソフトボール大)を指先でつついた。


「お前の望み通り、この世界は存続するぜ」

「ただし……お前はもう『支配者』じゃない。死ぬまで世界を支え続ける、ただの『インフラ設備』だ」

『い、嫌だァァァッ! 誰か! 誰か代わってくれぇぇぇッ!!』

「お疲れさーん。メンテ頑張れよ」


レンはカメラに向かって、最高の笑顔でサムズアップした。


「みんな! 世界崩壊は免れたぞ!」

「この陰湿神が、一生タダ働きして支えてくれるってさ! 拍手!」


【コメント欄】

> 視聴者A: 解決www

> 視聴者B: 神様が「サーバーくん」に転職してて草

> 視聴者C: ざまぁwww 一生そこで回線守ってろ!

> 視聴者D: 究極のブラック労働乙

>


世界消滅の危機は去った。

ただし、元・神様にとっては「消滅したほうがマシだった」と思えるような、永遠の社畜生活(メンテナンス地獄)が始まったのだった。

(第20話・完)


神様、いえ元・神様、今回も不憫でしたね……。

「神様、強く生きて……」「ちょっと可哀想かも」と同情していただけた心優しい方は、ぜひ感想や評価ポイントで教えてください!


次回更新は22時頃を予定しています。お楽しみに!


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