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『その配信、ネタバレ注意につき。 ~陰湿な神様が、現代の「特定班」と「拡散力」にボコボコにされて泣いてます~』  作者: さらん


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13/21

第13話:暗闇のASMR。……聞こえるか? これが「死」の音だ

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は、ついに神様がレンに完全勝利します。


【場所:ドロドロの深淵(元・謁見室)】

【配信状態:映像なし / 音声:ノイズと打撃音のみ】

バキッ! ドカッ!

暗闇の中で、生々しい音が響く。


「がッ……はっ……!」


レンが血反吐を吐きながら、泥の床を転がる。

肋骨が数本イカれたかもしれない。呼吸をするたびに、焼けるような痛みが走る。


『どうした、配信者。口数が減ったな?』


闇の中から、不定形の神エニグマの声が這い寄ってくる。


『いつものように喋らないのか? 「みなさーん! 今、神様にボコボコにされてまーす!」とな』

『もっとも、そのスマホは泥の中だ。叫んだところで、誰にも届かんがな』


レンは震える手で、泥に埋まったスマホの方へ這っていこうとする。

しかし。

グシャッ。

エニグマの触手が、レンの手首を無慈悲に踏みつけた。


「あぐっ……!」

『触らせるとでも思ったか?』


エニグマが嘲笑う。


『学習したと言っただろう。貴様にツールを持たせれば、ロクなことにならない。……だから、まずは手足を奪うことにした』


エニグマの泥が、レンの両手足を拘束し、十字架のように吊り上げた。


「くっ……! 陰湿さが……レベルアップしてやがる……」


レンが強がりを言うが、その顔には冷や汗が流れている。


視聴者リスナーも哀れなものだ』


エニグマは、泥に埋もれたスマホを見下ろした。


『今頃、真っ暗な画面の前で、「レンさん?」「どうなったの?」とパニックになっていることだろう』

『想像してみろ。何も見えない暗闇から、貴様の「苦悶の声」と「骨が折れる音」だけが、ASMRのように流れてくる恐怖を』


エニグマは、配信者としてのレンのプライドを、徹底的に踏みにじりに来た。


「楽しい配信」を「トラウマ音声」に変える。

それが、お喋りな配信者への最大の復讐だ。

レンは、吊るされたまま、ヒューヒューと息を漏らし、それでも口の端を吊り上げた。


「ハハッ……。ASMRかよ……。需要あるかな……」

『まだ軽口を叩く余裕があるのか』

「当たり前だろ……。俺はストリーマーだぞ……」


レンは血まみれの顔で、見えないカメラ(スマホ)の方を向いた。


「みんな……聞いてるか……?」

「これが……『神様の暴力』の音だ……。レアだぞ……録音しとけ……」

『……不愉快だ』


エニグマが触手を伸ばす。


『その口、永遠に塞いでやろう』


黒い泥がレンの顔を覆い、口の中に侵入してくる。


「んぐっ……!? がぼっ……!」


呼吸ができない。声が出せない。

レンの視界が急速に暗くなっていく。


(クソッ……ここまでか……。カケル先輩のツールも、スマホがなきゃ使えねぇ……)

(マジで……詰んだ……?)

意識が遠のく中、レンは最後に見た。

泥に埋もれたスマホの画面が、一瞬だけチカッと光ったのを。

しかし、エニグマはそれを見逃さなかった。


『ん? まだ動くのか、この端末は』


エニグマはスマホを拾い上げると、画面を覗き込んだ。


『……ほう。「SOS」の信号か? それともカケルとかいう小僧からの通信か?』

『無駄だ。泥でコーティングしてある。電波など通さん』


エニグマはスマホを、さらに深く、自身の体(泥)の核へと飲み込んだ。


『このスマホは、私の体内で消化する。貴様らの「繋がり」は、ここで完全に断たれるのだ』


レンの意識がプツンと途切れた。

サラリーマンと女子高生の絶望的な悲鳴だけが、暗闇に虚しく響き渡る。


……。

…………。


【配信ステータス:OFFLINE】

完全敗北。

神エニグマは、ついに配信の光を消し去った。

(第13話・完)


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!


今回も「神様ひどい」「レンガンバレ」と思っていただけたら、

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