微分の考え方
【x²のグラフと傾きの変化】
まず、関数 y = x² のグラフを思い浮かべてください。
放物線と呼ばれる、左右対称の曲線になります。
このグラフの特徴:
•真ん中(x = 0)では、なだらか(傾きが0)
•x が大きくなるほど、どんどん急になる(傾きが大きくなる)
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【直線との違い】
たとえば y = 2x + 1 のような直線の関数では、どこでも「傾き」は一定で 2 です。
でも y = x² は曲線なので、場所によって傾きが変わるんです。
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【変化の割合を調べてみよう】
x = 1 から x = 2 のとき:
•yの変化 = 2² − 1² = 4 − 1 = 3
•xの変化 = 2 − 1 = 1
•変化の割合 = 3
x = 2 から x = 3 のとき:
•yの変化 = 9 − 4 = 5
•xの変化 = 1
•変化の割合 = 5
→ 同じ「1」進んでも、場所によって傾きが違います。
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【じゃあ、どこを見れば「正確な傾き」って言えるの?】
xの範囲によって、変化の割合は違うので、xによって変わる、としか言えません。どれが正しい、みたいな話ではないのです。
ここで、y=x^2という関係で進んでいく車があるとします。どんどん加速しているイメージです。先程、速度という概念と、傾きの関係をお話ししました。
例えば最初の方は、1分で進める距離は僅かかもしれませんが、時間が経って加速した後は、1分ですごい距離を走れます。
速度とは、その時間に走れる距離÷かかった時間であり、時間を横軸、距離を縦軸とすると、速度は傾きに相当します。
例では1分という幅をもって、速度を計算した(1分間に走れる距離÷1分)のですが、常に加速しているので、この1分の初めと終わりでも速度は違います。この速度は一分という幅の中での平均速度にすぎないわけです。
一方、ある瞬間における速度というものは、存在する上に考えられるはずであり、それが微分という考えと繋がります。
実は、ある瞬間における傾きを見つけるには、
“xの変化を限りなく小さくする”必要があるんです。
たとえば、x = 2 のときの「本当の傾き」を知りたいなら:
x = 2 から「ほんの少しだけ」動かしてみて、
そのときの y の変化を調べる。
この「ほんの少し」の変化は 極限 を考える中で登場します。
物理でΔやδ(デルタと読みます)などを目にしたことがあるかもしれません。ほんの少しの変化には、これらの記号が関係しています。また、極限という概念にはlim→という表記が関係しています。
ご興味がございましたら、以上のキーワードを検索なさってみてください。
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【そして出てくるのが「微分」】
この「ごくごく小さい変化の割合」を求める計算こそが 微分 です。
つまり、曲線の、ある一点での傾きを求めるのが微分なのです。




