表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
数学の教科書《フーリエ変換の理解を目的とした関数解析入門》  作者: リョーシリキガク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/30

微分の考え方

【x²のグラフと傾きの変化】


まず、関数 y = x² のグラフを思い浮かべてください。

放物線と呼ばれる、左右対称の曲線になります。


このグラフの特徴:

•真ん中(x = 0)では、なだらか(傾きが0)

•x が大きくなるほど、どんどん急になる(傾きが大きくなる)



【直線との違い】


たとえば y = 2x + 1 のような直線の関数では、どこでも「傾き」は一定で 2 です。

でも y = x² は曲線なので、場所によって傾きが変わるんです。



【変化の割合を調べてみよう】


x = 1 から x = 2 のとき:

•yの変化 = 2² − 1² = 4 − 1 = 3

•xの変化 = 2 − 1 = 1

•変化の割合 = 3


x = 2 から x = 3 のとき:

•yの変化 = 9 − 4 = 5

•xの変化 = 1

•変化の割合 = 5


→ 同じ「1」進んでも、場所によって傾きが違います。



【じゃあ、どこを見れば「正確な傾き」って言えるの?】


xの範囲によって、変化の割合は違うので、xによって変わる、としか言えません。どれが正しい、みたいな話ではないのです。


ここで、y=x^2という関係で進んでいく車があるとします。どんどん加速しているイメージです。先程、速度という概念と、傾きの関係をお話ししました。

例えば最初の方は、1分で進める距離は僅かかもしれませんが、時間が経って加速した後は、1分ですごい距離を走れます。

速度とは、その時間に走れる距離÷かかった時間であり、時間を横軸、距離を縦軸とすると、速度は傾きに相当します。

例では1分という幅をもって、速度を計算した(1分間に走れる距離÷1分)のですが、常に加速しているので、この1分の初めと終わりでも速度は違います。この速度は一分という幅の中での平均速度にすぎないわけです。

一方、ある瞬間における速度というものは、存在する上に考えられるはずであり、それが微分という考えと繋がります。


実は、ある瞬間における傾きを見つけるには、

“xの変化を限りなく小さくする”必要があるんです。


たとえば、x = 2 のときの「本当の傾き」を知りたいなら:


x = 2 から「ほんの少しだけ」動かしてみて、

そのときの y の変化を調べる。


この「ほんの少し」の変化は 極限 を考える中で登場します。

物理でΔやδ(デルタと読みます)などを目にしたことがあるかもしれません。ほんの少しの変化には、これらの記号が関係しています。また、極限という概念にはlim→という表記が関係しています。

ご興味がございましたら、以上のキーワードを検索なさってみてください。



【そして出てくるのが「微分」】


この「ごくごく小さい変化の割合」を求める計算こそが 微分 です。


つまり、曲線の、ある一点での傾きを求めるのが微分なのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ