講義3 グラフ
では実際にグラフを考えてみましょう。
◆ 具体例:「ジュースの値段表」
あなたがコンビニで、ジュースを買うとします。
1本あたりの値段は 120円。
本数(x)値段(y)
1本120円
2本240円
3本360円
……
これは「x本買ったら、y円になる」というルール=関係です。
この関係は y = 120x と式で表せます。
この関係をグラフにする時、二次元の平面に描きます。
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◆ 二次元ってどういうこと?
•横軸(x):自分で決められる量 →「何本買うか」
•縦軸(y):決まって出てくる量 →「そのときの値段」
「ある x を決めると、それに対応する y が1つだけ決まる」
→ このような関係を関数と呼びます。
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◆ グラフにすると何が見える?
このジュースの話を、グラフに描くと:
•横:本数(1本、2本…)
•縦:値段(120円、240円…)
点が直線上に並びます。これを見ると「値段は常に本数に比例して増えていく」ことが見てわかるのです。
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◆ 数字を入れたら数字が返るって、どういう意味?
この場合の「数字を入れる」は:
「2本買ったら、いくらになりますか?」と聞いてること。
そして「240円」と答えが返ってくる。
これが f(x) = 120x に「x = 2」を入れて「y = 240」が出てくる、という意味です。
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◆ もっと生活の例でいえば…
•ピザの直径 → 値段(大きいと高い)
•気温 → 売れるアイスの数(暑いと売れる)
•時間 → 電車の混み具合(朝7時は混む)
全部「ある値が決まると、他の値が決まる」関係です。
そして、それを「式」で表したり、「グラフ」にしたりするのが関数とグラフの本質です。
1. 一次関数(直線)
•例:y = 2x + 1
•特徴:直線。xが1増えるごとにyが一定量ずつ増える。
•応用例:タクシーの料金、一定速度の移動など。
y = 2x + 1
x = 0 → y = 1
x = 1 → y = 3
x = 2 → y = 5
x = 3 → y = 7
x = 4 → y = 9
x = 5 → y = 11
x = 6 → y = 13
x = 7 → y = 15
x = 8 → y = 17
x = 9 → y = 19
x = 10 → y = 21
これをxの値が大きくなるほど右に、yの値が大きくなるほど上に、という形でグラフ化すると、直線になりますね。
先程のジュースの本数と値段の関係、y=120xは、x=0のとき、y=0ですので、比例と言います。しかし、全てのものの関係が比例や一次関数の訳ではありません。
先程のアイスの例で言うと、気温が2倍になったらアイスの売れる量も2倍でしょうか?気温が高いとよく売れる、と言う関係はあるでしょうが、そんな単純に2倍じゃないかもしれません。
また、時刻と電車の混み具合について関係を考えると、8時から9時に混雑のピークがあり、12時には落ち着くでしょう。そしてまた帰宅ラッシュがあります。この関係、一次関数ではありませんが、なんらかの関係があります。時刻を横軸に(tと書く場合が多いです)、人の数を縦軸に取ると、グラフが書けそうです。そして、これを式にすることも可能なはずです。
以下に様々な関数を紹介します。飛ばして先に進んで頂いても結構です。
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2. 二次関数(放物線)
•例:y = x^2 や y = -x^2 + 3
•特徴:グラフが「U字」または「逆U字」に曲がる。頂点がある。
•応用例:物を投げたときの軌道(重力の影響)、利益最大化問題など。
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3. 絶対値関数
•例:y = |x|
•特徴:xが正でも負でも、yは正になる。折れ線型。
•応用例:距離、誤差の最小化問題など。
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4. 指数関数 ※講義4でやります
•例:y = 2^x
•特徴:右に行くほど急激に増える。xが負だと小さくなる。
•応用例:ウイルスの感染拡大、人口成長、複利計算など。
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5. 対数関数 ※講義4でやります
•例:y = log(x)
•特徴:増えるが、だんだんゆっくりになる。
•応用例:音の大きさ(デシベル)、地震の規模など。
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6. 三角関数(周期関数)※5章で詳しくやります
•例:y = sin(x) や y = cos(x)
•特徴:波のように繰り返すグラフ。周期がある。
•応用例:音、光、電波、昼と夜の変化など。
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他にも反比例などがあります。




