講義6 テイラー展開
テイラー展開とは何か?
「わからない関数を、“わかる関数”で近づけていく方法」です。
もっと噛み砕いて言えば:
「ある点での関数の動きを、身近な“直線”や“曲線”を使って、だんだん精度よく近づけていく」こと。
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【身近な例:坂道を登る】
たとえば、あなたがある坂道を登っているとします。
•最初は、地面が“平ら”に見えた → まっすぐな道(定数)で近似
•少し進むと、実はゆるい傾きがあると気づく → 傾き(一次関数)を加える
•さらに進むと、道がカーブしている → 曲がり具合(二次関数)を加える
•もっと進むと、カーブの変化も変わる → 三次関数、四次関数……と足していく
つまり:
「平ら→斜め→カーブ→カーブのカーブ→……」と、“補正”していく作業。
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【なぜ便利なの?】
現実の関数(複雑な曲線)は、完璧に表せないことが多いです。
でも「その点の近く」だけなら、少しずつ補正していけば、かなり正確に近づけるんです。
では、数学の話をしていきます。
★関数の形を、「ある点」を基準にして少しずつ正確に予測・近似していく方法。
なぜ「ある点を基準にする」のか?
•たとえば「今ここ=x = a」での関数の値は知っている。
•そこから少し離れた点の値を、今わかっている情報(傾きや曲がり方)で予測するため。
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微分は「進む方向」
•傾き(1階微分)は、次に向かう方向を示す。
•進む量(距離)は x。
•よって、「傾き × 距離」=未来の値のおおまかな予想。
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でも、それだけでは不正確
•実際の関数はカーブしていたり、複雑な形をしている。
•「予想よりちょっと上」「ちょっと下」にズレる。
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だから、補正を加える
•カーブの強さ=2階微分で補正。
•曲がり方の変化=3階微分でさらに補正。
•…というふうに、未来の値を“より正確に”積み上げていく。
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イメージで例えると
•スタート地点:x = a
•微分(傾き):コンパスの針(進む方向)
•x:歩く距離
•2階・3階微分…:曲がる道に合わせた補正(GPSで道のカーブを調整していく感じ)
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テイラー展開とは
→ 「関数の未来を、今ある情報から構築する」数学的手法
→ “正確な予測の積み重ね”による関数の再現




