自然数e
関数をグラフで描いた時、傾きと微分が関係しているという話をしました。
では、関数を微分したとき、変わらない形になる関数、つまり、グラフのある点における傾き(= 接線の傾き)が、元の関数の値そのものになる関数もあります。
それを満たす関数は…
f(x) = e^x
→ なんと、e^xの微分は、またe^x!
という特徴があります。
eは自然数(ネイピア数)と呼ばれ、大体2.7ぐらいです。
これさえ覚えておけばいいのですが、以下に発生した歴史的な話をします。
◆「e」はどこから来たのか?
●出発点:利息の計算(複利)
たとえば、100円を年利100%で預けたとします。
1年後にはどうなるか?
①年1回の複利なら
→ 100円 × (1 + 1) = 200円
②年2回の複利(半年ごとに50%ずつ増える)
→ 100 × (1 + 0.5)² = 225円
③年n回に分けて利息をつけたら?
→ 100 × (1 + 1/n)^n
この「(1 + 1/n)^n」って式、nを大きくするほど増えるけど、限界がある。
→ n→∞(無限回に細かく利息をつける)と…
lim n→∞ (1 + 1/n)^n = e(約2.718)
つまり「eは、究極に細かく利息をつけたときの倍率」なんです。




