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第7話 冒険者たち


 後日。


 石工のオヤジが『石のつるぎ』を作り上げ、これを奉納してきた。


「よくやったな。立派な剣だ。大変だったろう?」


「チッ、なに言ってやがんだ。神のためならこんぐらい当たり前だろうがよ」


 石工の天職を与えたこのカイムという名のオヤジは、口は悪いがなかなか信仰心の篤い村人だった。


「カイムの熟練度がレベル2に上がりました」


 と天使。


「熟練度?」


「石工には熟練度があります。モノを作り出せば熟練度が上がり、より早く、質のよいものができるようになります」


 ようするに作れば作るほど上手くなるってことだよな。


 本人もヤル気だし、じゃんじゃんモノを作ってもらおう。


「とりあえずヤック。この剣はキミが使え」


 一方、完成した石の剣は狩人の青年に渡した。


 ヤックは剣を大変気に入ったようである。


「ハアハアハア……お、おで……狩る、る。神のため……」


 なんかヤベー目しているけど。


 まあ、これも俺への信仰心が篤いってことでいいのかな。


 ちょっと不安はあったが、次の日。


 4匹のゴブリンが先日のオークのように森から攻めてきた。


 思ったとおりオークよりは全然サイズが小さく体つきも貧弱だが、醜い姿で敵意をむき出しにやってくるその様はおぞましさにおいてひけをとらない。


「狩る……血がおでを呼んでいるッ……!」


 ヤックは勇敢(?)にも石の剣をかかげて川を渡ると、ゴブリンの群れへ斬りかかっていった。


「うおおおお!」


 彼の剣が一匹のゴブリンの頭部をぐ。


 とは言え石の剣だ。


 切ったというよりは、撲殺という感じか。


 ちょっとグロい。


 しかし敵が動かなくなったのを見て、ヤックは続いて二匹目へ攻撃を開始する。


 ギョ、ギョヘ!?……(汗)


 後ずさるゴブリンのむれ。


 その隙をついて二匹目も剣でほふった。


「や、やった。はぁはぁはぁ……」


 ただし、三匹目を相手にしていると急に苦戦し始める。


 スタミナ切れか。


「うぎゃ!……い、いでえだぁ」


「ヤック!!」


 ヤックが敵の攻撃を受け始めたところで、俺も加勢した。


 せっかくの狩人を死なせてしまったら元も子もない。


 俺は残りのゴブリン二匹を秒で殴り倒すと、倒れているヤックの下へかけよる。


「おい、しっかりしろ。よくやったぞ」


「お、おで、おで……や、やったどおお!!」


 ほっ。


 ダメージが心配だったが、どうやら元気そうだ。


「神よ」


 そこへ天使。


「ヤックの熟練度がレベル2にあがりました」


「ええと。狩人の場合レベルに応じて戦闘力があがるって考えればいいのか?」


「そのとおりです」


 ってことは狩人を育てていけば、わざわざ俺が戦わなくても村を防衛できるようになりそうだ。


 以下は天使がまとめてくれた目安の能力値である。


―――――――

カイム

天職:石工

レベル:2

生産力:5


ヤック

天職:狩人

レベル:2

戦闘力:4


ネエサ

天職:占い師

レベル:3

魔性:3

――――――



 ◇



 さて、ゴブリン襲撃の3日後。


 占いどおり東から三人の冒険者が村にやってきた。


 腰に剣を差す男、弓矢を持った女、斧を背負った大男という三人組である。


「こんなところに村があったとはな」


「本当ね……」


 それぞれ武器を装備しているが、どうやら敵対はしてこないらしい。


「あんたたちは東の方の村からやって来たのか?」


「いいえ。私たちはここからずっと西のマルールという町を拠点にしているの」


「西から東の山へ冒険へ行って、その帰りなのだ」


 弓矢の女と大男が言う。


 彼らはみな瞳の色素が薄く、剣の男は金髪、弓の女は茶色の髪をしていた。


 西のマルールというのは、いわば西洋っぽい町なのかもしれない。


「東の山へ冒険に行ったのは何か目的があったのか?」


「ああ。オレたちは魔法を探しているんだ」


 と剣の男。


「魔法を探す?」


「正確に言えば魔法を使うために『魔女』と『魔石』を探している」


「魔法が使えれば町の生活がもっと便利になるわ」


「魔物との闘いにもハバが出る」


 この世界に魔法が存在するってことは天使から聞いていたけど、やっぱりまだ希少な存在なんだな。


「それで魔女とか魔石だとかは見つかったのか?」


「いや、どうやらそう簡単に見つかるものではないらしい。魔女は東の山に住んで、ドワーフと魔石の取引をしていると聞いたが……魔女ともドワーフとも会うことはできなかった」


 なるほど。


「情報をありがとう。なんにせよ疲れているだろうから、今日はこの村に泊まっていくがいい」


 そう言うと冒険者たちは三人顔を見合わせてホッとしていた。


「助かるー!」


「ああ、実はもうヘトヘトなんだ」


 そりゃそうだろうなあ。


 彼ら山奥を何日も冒険していたらしく、やっと見つけた村だったのだそうだ。


 なんにせよ外の情報は貴重である。


 客は丁重にもてなすとしよう。


 ちなみに、彼らの能力値をこっそり天使に教えてもらった。


―――――――

アーノルド

職業:剣士

レベル:10

戦闘力:47


リア

職業:弓士

レベル:11

戦闘力:39


ゴードン

職業:怪力

レベル:6

戦闘力:52

―――――――


 狩人のヤックがレベル2で戦闘力4。


 とりあえず狩人はこの冒険者たちの水準を目標に育てていきたいところだ。


 なお、俺の初期値は戦闘力111、ナルメを巫女に置いて222、村を拡張した現在いまは戦闘力333になっているんだそうな……


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