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第58話 時計の針

 忍者窃盗団の一件を片付けてから2日後、モットは無理を言って作らせたマン破綻島タケノコ支店の転送サービスを用いてモトマチシティーに帰還した。


モット「ナイトキングダムに行ってからはナデシコに本部を任せておいたが、大丈夫だろうか?途中で戻したリリンダからもコレと言った報告が無いようだが…」


 帰還したモットはモトマチシティー市長のウオヘイに合った。彼の話ではモット達が留守中に特に大きな本部襲撃は見られなかったようだった。

 しかし、ナデシコの雇ったガラの悪いメカ娘達が深夜に暴走行為を繰り返す等して住民に迷惑をかけていたようで、先に帰還したリリンダが住民への謝罪に駆り出されて苦労していたそうだった。

 次にモットは完成したばかりのモトマチキャッスルまで来ると、そこには大量のゴミが散乱しており、多くのモットソルジャーだけでなく冒険職幹部や怪人達までもがその清掃に駆り出されている。


モット「いったい何があったんだ!?」


サカキ「すまねえな、モット君。俺達が戻った時よりマシになったが…」


 サカキの話では、モットがいない間に留守を任されたナデシコが本部で好き放題やっており、清掃を担当していたサイバー家電獣達がマン破綻島に駆り出されたことで、さらに散らかってしまったとのことだった。

 それに加えてモットソルジャーの訓練教育等で手一杯のリリンダが、ナデシコによる住民からの苦情対応と備品管理の重課によって倒れてしまい、モトマチキャッスルは完成後まもなく無茶苦茶な状態に置かれて指揮系統も乱れてモットへの報告が遅れていた。


モット「リリンダにはすまないことをしたな、しばらく休ませとくか。で、ナデシコは?」


サカキ「ナデシコなら魔法少女の反応があったと言って昨日、飛行艇艦隊で討伐に向かった。俺達がナイトキングダムにいる間も含めて4回は魔法少女討伐に向かったらしく、勝利の度に本部で打ち上げや、真夜中に暴走してやりたい放題やってくれたんだ」


モット「確かに遊撃隊は任せたけど、あのバカ…」


サカキ「後、リリンダがぶっ倒れた一番の原因はナデシコと部下達によるモット団ギルド内の支給品転売だ。俺が知る限りではこのリストの…」


 モットはサカキ達がやっとの思いでまとめた備品リストを見て驚愕した。ナデシコ達は支給品を転売して得た資金で打ち上げをやっていたようである。


モット「もうナデシコに本部を任せるのはやめよう…」


 翌日、遊撃から帰還したナデシコはモトマチキャッスルの最高幹部会議室に呼び出された。


ナデシコ「ボス自ら私の功績を称えてまたボーナス報酬を支給してくれるみたいね。今晩はまた酒盛りよ!」


モット「バカ者が!!誰が本部でどんちゃん騒ぎをやれと言った?」


ナデシコ「エエッ…」


モット「確か僕は手の空いてるときに魔法少女討伐に赴いてもいいと言ったし、奴等を殺した数だけ時給を上げるとも言った。しかし、本部での管理業務を全部リリンダ1人に押し付けたり、自分達だけ騒ぎまくって他の者に後始末をやらせろとは言ってないし、この備品の転売リストは一体全体何なんだ!?」


ナデシコ「えへへ、ちょっと支給品部署を締め上げて拝借したまでよ…」


モット「お陰でリリンダが精神的に追い詰められてぶっ倒れたぞ。今だに申し訳なさそうにしてたし、もう一遍彼女を属性合成怪人の実験台にさせるつもりか?」


ナデシコ「悪かったわ。勝手なことしたことはボス達に謝るわ。転売した備品の弁済は今までの報酬で…」


モット「弁済の件だが、魔法少女討伐に率いていた他の部隊の被った損失がナデシコ達の資産では埋められない金額だ。犠牲になったモットソルジャーや低級怪人はいい、飛行艇一隻損失はさすがに金額が足りない損害だ」


ナデシコ「アレは二回目の遊撃だったっけ?損失というか魔法少女の妙な魔法で一部の部下達と何処かに消されたように見えたけど…」


モット「沈んでなかろうが二度と戻ってこないだろう。結構高いんだぞ飛行艇は…」


サカキ「まあまあモット君、俺も一部建て替えるから、今回ばかりは許してやってくれないか?」


モット「本部の指揮系統を内側から危険にさらした件も追求したいが、今回は謹慎と最高幹部への昇進見送りで済ませてやる」


ナデシコ「ふぅ、助かった」


モット「(ナデシコの怪人体サタンフラワーは本気で戦ったら僕を倒してしまう可能性がある。下手に逆切れさせて反逆しない範囲内で罰を与えるしかないな)」


 ナデシコは色々とやらかしたことの責任を問われ謹慎となり、サカキに監視が任された。2人が会議室を後にしたのを見計らってモットはモット団内で有力な怪人部隊を率いている大幹部候補者を呼び寄せた。その中には魔界Cでの戦いで功績を上げた武器人間型怪人の長である鋼の剣男、異世界人コンテストで実力を発揮して異例のスピードで大佐の地位と独自のチーム築き上げた豆鉄砲ジャッシュ、モット団の傘下となったばかりの忍者窃盗団頭領のクナイもいる。


モット「鋼の剣男、ジャッシュ、クナイ、その他よく来てくれたな。近々君達からウチの最高幹部を選出したいと思って呼び寄せたんだ。条件としては独自の怪人等の軍団を部下に持った傘下のギルド又はPTで、それなりの戦闘実力を有することだ」


鋼の剣男「総帥閣下、私を最高幹部候補に選んで頂いたのはありがたいのですが、自分にはヒジリ・ソープという実名がありまして…」


ジャッシュ「何だ何だ、異世界人コンテストから起用されたのは俺だけかよ。まあいい、最高幹部に入れたら今まで以上の待遇が待ってんだよな総帥?」


モット「勿論だ。報酬も倍額にするし、自由に使役できるモットソルジャーを5000貸し与えよう。それと最高幹部として本部や重要拠点の守備を任された際にはある程度の自由な利用を認めてやる。しかし、ナデシコみたいにやりたい放題は無しでな」


クナイ「再建中の我が忍者窃盗団の誇りにかけて最高幹部の地位についてみせる」


モット「だが全員選ぶ訳にはいかない。そこで僕からここにいる君達にテストというか依頼を出す。各自の軍団の力のみでその依頼をこなして一定の成果を挙げたら合格としよう」


鋼の剣男「その依頼とは?」


モット「傭兵旅団Zことゼムノス団の情報をできるだけ集めること、もしくは奴等の手先を打ち負かしてくることだ。但し、モット団本部や全体が危険に晒されないような範囲内でだ」


 モットは最高幹部候補者達に依頼を提示した。ゼムノス団の情報収集または撃破が目標で、ルールは候補者の率いる軍団同士の協力や足の引っ張り合いは禁止、ポイントによる評価で基準と期限はモットの気分次第、各軍団の構成員が半数以下になる、或いは軍団の長が死亡ロスト問わずゼムノス団に敗退するとその時点で軍団ごと強制解散となる。


クナイ「中々厳しいでござるな」


モット「すまないが忍者窃盗団も特別扱いはできない。この依頼を受けた限りは厳しい制約に従ってもらう。或いは、依頼を受けずに準幹部として現状を維持することも可能だ」


 いくつかの幹部達がモットの依頼を辞退する中、武器怪人部隊、豆使い転生者PT、機械化生物族、忍者窃盗団の4つがモットからの依頼を正式に受領した。


鋼の剣男「先ずはゼムノス団調査部隊の派遣だ。来いツインズ!」


ジャッシュ「奴等を本部以外におびき出せばいいんだろう。カモン、コードネーム大豆!」


ジェットカマキリ1号「クリオネグレネードさん!」


クナイ「ナイトキングダムや帝国を刺激せぬようにあの辺りでの探索がいるな。いでよ、はんぺん魔人!」


モット「だが忘れるな、あくまでも自分達の力量で依頼をこなすんだぞ。くれぐれも深入りしすぎて【最後の依頼】にならぬようにな(こちらからゼムノス団に手を出すのは危険な賭けだが、今後僕等は戦う可能性が高い。せめて先にゼムさん達の今後の動きを把握できれば)」


 モットから最高幹部になる為の依頼を受けた各々の幹部達は配下の者達をこの場に呼び出して打ち合わせを始めた。モットはしばらくその様子を観察して、各軍団の作戦立案能力をうかがった。


モット「皆ちゃんと準備しているようだな、さてとこれから…」


 モットは会議室を後にして化学班の研究棟に向かった。ここには以前魔界Cで回収したゼムノス団の人造兵士【グレイトルーパー】の解析が行われていた。何度か解剖されているグレイトルーパーの遺体を前にモットは解析責任者のメスリウスから判明した解析結果を聞いた。


メスリウス「単刀直入に言うと、このグレイトルーパーと呼ばれる人造兵士は有機ロボットとホムンクルス、実体化プログラムの特徴を兼ね備えた金貨連邦製の非生物兵器です」


 グレイトルーパーは異世界人のよく言うグレイタイプエイリアンの外見をしているが、それは金貨連邦が人造兵士をエイリアンに偽装して帝国を攻撃させる為に作っていたからであり、特性は専用の鎧を身にまとうことによって、熱エネルギー等の移動に伴うダメージを全て無効化できるそうだ。


メスリウス「魔法の属性で言えば、炎、氷、電気、光、闇、無が該当します。また、生命エネルギーの吸収も無効化が確認されました」


モット「じゃあ、こいつ等のアーマーを人間用に量産できれば…」


メスリウス「このアーマーはかなり特殊でして、グレイトルーパー以外が着用しますと、本来無効化できるダメージを受けた際にアーマー内部にすさまじい反動の電磁パルスが発生いたします。一部耐性を持った方々を除いて中の人間は一撃で灰になりますね」


モット「じゃあアンデッドやロボットに着せるのもダメか、だったら氷結武者みたいに鎧ごと魔法生物化すれば使えるのか?」


メスリウス「それも残念ながら不可能です。金貨連邦の残された資料によりますと、アーマーの材質は魔鉱石の障壁を発展させた対魔法生物の装甲です。よってグレイトルーパー専用のアーマーとなるのです」


モット「こちらで使えないのは残念だな…」


メスリウス「いえ、こちらによるグレイトルーパーの使役は可能のようです。これ等を制御するにはサイバーロイドと同様のAIと外部からのオーラ注入が必要となりますが」


モット「オーラだと!?」


メスリウス「グレイトルーパーはアーマー内部に僅かなオーラ魔法を取り込むことで、そのオーラの持ち主に追従する特性を有します。例えばヘルメット等を外した際に別の人物が新たなオーラ魔法を吹き込めばその者の支配下となるのです」


モット「成程、鹵獲は可能って訳か」


メスリウス「現時点で分かることは以上になります。グレイトルーパーの修理や製造に関してはまだまだ分析が必要ですが」


モット「ご苦労、グレイトルーパーについては分かった。この情報は最高幹部候補者達に共有させておこう。(後はゼムさんの時間停止みたいな能力だけか、今度こちらがあんな技を受けたら間違いなくやられちまう。対抗策は…そうだ!!)」


 ゼムノスの使うスキルへの対策に悩んだモットは、サカキのギルド端末を通じてナデシコに対して謹慎を早めに解く代わりに時間停止対策の怪人製造を命じた。


モット「一番めんどくさいことは今めんどくさい奴に丸投げしてみるのもいいかもしれないな」


 謹慎中のナデシコがいるメカ娘の部隊キャンプ。ナデシコの監視を承ったサカキ達ビーストファイターズも屯している。


ナデシコ「謹慎を解いてもらうならやるしかないわね」


サカキ「そういうことなら俺も手を貸すぞ」


ナデシコ「じゃあ、資金をちょうだい。私の部隊は今収入ゼロで怪人を作れる程の予算がないのよ」


サカキ「分かったよ、大事に使えよ…」


 ナデシコはサカキの協力を得て新たなるツギハギメカ娘の制作に取り掛かった。先ずはナデシコによって冷凍保存されていた敵対側のメカ娘の遺体の選別が行われ、ナデシコが独断と偏見で決めた部位を選び抜き、一時的に雇ったネクロマンサーによって人の形に組み立てさせた。

 次に遺体の欠損箇所にナデシコが自作したサイボーグコアと命の実をそれぞれ埋め込んだ。これでツギハギメカ娘の素体が2つ完成した。


サカキ「いつも同時に2体作ってるのか」


ナデシコ「こっちのほうが安くつくのよ。さてと、合成する植物と機械(物)は何にすべきかしらね」


サカキ「そうだったな、モット君のお題は時間停止を無効化できる奴。あの新入りに知恵を借りるか」


 合成素材に困ったサカキは猿人科学者の霊長斎を呼び寄せて知恵を借りることにした。霊長斎は異世界人コンテスト(反逆者の分際でこざかしい作戦)の後すぐにモット団の求人に応募した転移者の猿人で、ビーストファイターの配属となっている。


ナデシコ「大丈夫なの?こんなサル爺」


霊長斎「ふぉっふぉっふぉ、お嬢さんや安心しなされ。ワシの知恵は人間の数倍はある。時間停止に対抗できるスキルを持つ怪人を作り出す組み合わせなど容易いぞよ」


 霊長斎はサカキにも理解できない図式をボードに書くとスキルと能力の伝達、転生と転移の仕組みを長々と語りだし勝手に講義を始めた。


霊長斎「スキルは肉体に宿るものと魂に宿るものがあるぞよ、前者は来世では伝承率が低いが後者は…」


ナデシコ「Zzz…」


霊長斎「また、転生や転移は時に時間軸を超えることがある。すなわち、同じ時間軸に現在と過去あるいは未来の自分自身が存在するにあたって…」


サカキ「(長い、素体をカプセルに戻しといて正解だったな…)」


霊長斎「そしてここからが本題ぞよ、既にこの世界では時間停止スキルが多数確認されているぞよ。それは彼等がよく発する【ステータスオープン】という言葉、それこそが求めているスキルぞよ」


サカキ「えーっ、スキルだったのかアレ、頭のイカレタ転生者の妄言じゃないのか?」


ナデシコ「うんうん、生意気な転生者が言うレベル幾つとかダサいもんね」 


霊長斎「この世界の現地人は皆口をそろえてステータスオープンをスキルでないと言う、しかしステータスオープンとは自身の能力を数値、スキルを文字で使用者に閲覧させるれっきとしたスキルであるぞよ」


霊長斎「それに、このスキルは自分以外の対象にも適応できたり、仲間に見せたりすることが可能ぞよ。共有ステータスオープン!!」


 霊長斎はナデシコとサカキにステータスオープンを見せた。2人の目の前に文字と数字が表示された3つのウィンドが表示され、ここにいる3人の情報が簡単に記されている。見る者によってその文字は違うが内容は全て翻訳されている。ちなみに、レベルの欄はこの世界では無効と表示されているようだった。


サカキ「うわっ、マジで数字と文字が見えるぞ。しかも俺が一番気に入っている地元の文字で」


ナデシコ「レベルは数値化できないのね。でも、ちょっとサカキ、前世が化け猫って何よ!」


サカキ「マジかよ、俺も転生者だったのか、どこの化け猫かは知らねえが…」


霊長斎「ふぉふぉふぉ、分かったかのう。ワシのスキルでは一度に5人くらいは情報共有可能じゃ。ステータスオープンの個人情報は直近かつランダム表示となるので詳しくはワシでも分からぬ。他のスキル保有者が使うと内容が変わるかもしれんぞよ」


ナデシコ「でも猿爺、ステータスオープンと時間停止無効化に何の関係があるのよ?」


霊長斎「気づかぬかぞよ?ワシがステータスオープンを使った際にワシを含めこの3人はほんの一瞬だけ時間が停止したことを」


サカキ「そういえば、ステータス画面が出る瞬間に時間の流れが変化したような気が」


霊長斎「流石は御大将、鋭いぞよ」


ナデシコ「マジで!?」


霊長斎「ステータスオープンは情報収集スキルの一種であり、その効力は時空を超えるぞよ。ワシの仮説では時空を超えるスキルの情報収集効果が僅かな時間のズレを生じさせ、時間停止として作用していると思われるぞよ」


サカキ「だが、ほんの一瞬だけ時間を停止できても無効化にはなぁ」


霊長斎「そこでぞよ、もし多数のステータスオープンスキル保有者が一斉にある対象に向かってステータスオープンを使用したらどうなるぞよか?」


サカキ「ま、まさか」


ナデシコ「もしかして、コンピュータの処理落ちというか、時間停止の状態がめっちゃ長くなったりするの?」



霊長斎「いかにもぞよ。時間停止を無効化するには、既に停止した状態で対抗してやればいいぞよ。任意のタイミングで」


サカキ「だけど、どうすればそんなことができるんだ?」


霊長斎「先ずステータスオープンを使える異世界人を集めるぞよ。この前の異世界人コンテストとやらをやった時にいっぱいいたじゃろう?」


サカキ「あの連中か、モット君の許可を取れば集められそうだが」


霊長斎「そして今から作る怪人の一部に彼等のステータスオープンを使用してもらう。そしてその怪人の一部と対になるモノを時間停止無効化したい人物に取り付けて任意のタイミングで調整すれば可能となるぞよ」


サカキ「対になるモノ、ステータスオープンを入力する側とそれを出力して時間停止状態を付与するモノか」


ナデシコ「時計の針でいいんじゃない?」


霊長斎「知恵がついたなお嬢さんや」


 ナデシコ達が新怪人製造に取り掛かって3日後、世界各地でゼムノス団の行方を追っていた最高幹部候補者達の軍団は彼等の情報を収集することに成功した。また、目立ったゼムノス団との交戦もなく、モット団による探りは気づかれていないようだ。

 モットは情報を得た最高幹部候補者達から報告を受けた。忍者窃盗団のクナイはゼムノス団と思われる集団が東の帝国から何かの魔導装置を授与したとの情報を得た。豆鉄砲ジャッシュはゼムノス団に雇われていた技師を捕縛し、その尋問によってゼムノス団が保有する飛行艇が旧金貨連邦製のクサビ級スタークルーザー5隻で、数日前まで彼等の秘密基地にて整備を受けていたとの有力な手掛かりを得ていた。秘密基地はスタークルーザー5隻が飛び去った後にマグマ噴出によって証拠隠蔽されたとのことだった。


モット「なかなかやるではないか、ジャッシュ。今のところ君の軍団がMVPだ」


鋼の剣男「遅くなりました。我々武器怪人軍団が得た情報です」


モット「何々?ゼムノス団の傘下となったギルドにハイリパインの上級役人達の関係者。ってジャッジメン徒の残党みたいなもんだろ」


ジェットカマキリ1号「くぅ、何も情報を得られなかった…」


リリンダ「総司令官殿、大変であります!!」


 モットが最高幹部候補者達からの情報をまとめていた所、復帰したばかりのリリンダが大慌てでやって来た。


モット「どうしたリリンダ、もう体調はいいのか?」


リリンダ「こないだの嫌な記憶は消しておいたであります。そんなことより、ミッドカットが…ゼムノス団に占領されたであります!」


モット「何だと!?」


 難攻不落の大都市ミッドカットはイグ・ドラコソ前市長の後任の選挙で情勢が不安定となった隙を突かれてゼムノス団の大群に占領されたとのことだった。事実関係を確認したモットは息を呑んで決断をした。


モット「全ギルドメンバーに通達、総力を挙げてゼムノス団を討つ、時間との戦いになるぞ!」


豆鉄砲ジャッシュ

モットが開いた異世界人コンテストによって集められた転生者の1人。生まれ持って得たスキルは【豆マスター】で豆類を自在に操る能力に加え、部下と認めた者にその力の一部を貸し与えることができる。戦闘時には異名にもあるように様々な効力を持つ豆を発射するリボルバーとオートマチックピストルで、愛用の飛行可能なホバーボードの高い機動力と合わせて標的を確実に仕留める。戦闘能力と部下の育成を認められ、短期間で中佐の地位が与えられた。


ジェットカマキリ(1号)

モット団で修復された魔物強化装置を試す際に、カマキリとジェットエンジンの合成で生み出された怪人。再生怪人達よりは先に作られており、モット団で作られた生き物ベースの怪人ではエビ怪人に次いで二番目となる。地味ながら魔界Cでの戦闘での活躍等が認められ、幹部へと昇進、機械化生物族の怪人を集めて彼等の権利や地位向上を目的とする軍団を結成した。配下にも同型の怪人が複数存在する。


鋼の剣男

本名:ヒジリ・ソープ。異世界で勇者を育成する帝国立剣術学校に通っていたが、剣術の才能に恵まれず浮いていた。チート武器を作り自身の能力を補い周囲の評価を変えようとしたが、武器精錬で失敗した衝撃で異世界の門が開いてこの世界へとやってきてしまった。モットの密命を受けたサカキによって収容施設から脱走後に巨大戦艦強奪に参加、クリス派閥ベスタ軍との戦いの際に自身を武器に変化させられる能力に覚醒していた。魔界C進行前にその能力を見込んだモットによって銅の剣男に改造され、戦闘だけでなく武器の製造・精錬強化を担当。現在は大佐への昇進と共に鋼の剣男に強化してもらい、その能力を一部コピーした後輩の武器怪人部隊を率いている。


霊長斎

サカキの新たなる配下、元々番号のような名前だったが、ビーストファイターズの和名に合わせて自らを霊長斎と名乗っている。魔法の無い異世界の軍事国家で猿の仲間をベースに遺伝子改造によって作り出された獣人。戦闘力は低いが高い知能を有しており、兵器開発や軍事作戦を任されるなどして何十年も活躍していたが、その才能を妬み恐れていた人間達のせいで抹殺対象となり、処分を逃れるためにその場にあった機材を用いて即席に作った転移ゲートによって運よく異空間に逃れてこの世界に転移してきた。転移後の影響によりステータスオープンのスキルを習得しており、自分だけでなく近くにいる対象の情報も閲覧でき、共有することができる。

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