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第49話 反逆者の分際でこざかしい(後編)

 宴(異世界人を招いたコンテスト)を餌として敵対勢力を本部で迎え撃つモット団。本部を守るイオンシールドの出入り口の砦に接近してきた女神の使徒を迎撃する為にナデシコの部隊は、第三砦で女神の使途と交戦する使用人型改造人間達の増援に急行した。


女神の使途僧侶「新手か、何とグロテスクな見た目のサイボーグ」


ナデシコ「アンタ達の大嫌いなゾンビに見えるけど、ツギハギメカ娘って言うのよ。コアに改良を加えて合成できる物体も増やしたわ」


 ナデシコはサターンフラワーに変身すると、お供のツギハギメカ娘ソーラーソーラとストーンストーン達と共に女神の使途へ向かって突撃した。

 女神の使途はツギハギメカ娘に対して得意の光属性魔法を浴びせた。ヒマワリと太陽光パネルの合成怪人ソーラーソーラはそれらの攻撃を吸収と反射で防ぎ切った。その隙に石像とシダ植物の合成怪人ストーンストーンは女神の使徒の下っ端達に自身の胞子を浴びせて仏像のような刻印を刻んだ。


女神の使途聖兵「何だこの異世界の仏のようなマークは!?」


女神の使途僧侶「カースブレイクやブレッシングでも消えない」


ストーンストーン「ソレ、呪いじゃない。おじぞうパッチ、石仏の祝福与える。いでよ異界の石像!」


 ストーンストーンは周囲の地面から大小さまざまな石像を召喚して、おじぞうパッチと名付けた刻印を刻んだ敵に向かって追尾させた。それらの石像は宙に浮いているだけで特に攻撃はしてこないが、敵の視界を著しく妨げて戦いを妨害している。

 

ナデシコ「今よ、使用人部隊。態勢を立て直して私に続け!」


 同時刻、第一防衛ラインの内側、撃破された魔磁禍瑠六型の残骸裏に潜んでいたメカニカルエッグ第一陣の残存PTはこの機体が歩くだけの機能を残した不良品だと確信した。装備されていた武器に至ってはレプリカとなっており、ギルドチャットで公開されたモット団の軍事演習の機体とは大きく性能が異なっている。

 モトマチシティーの入り口付近、待機していたメカニカルエッグ副団長率いる第二陣はモビルシューターが偽物であったことと、団長が討ち取られたことの報告を受けた。メカニカルエッグのギルド規約により副団長は新団長となった。


メカニカルエッグ新団長「本物のモビルシューターは連中のバリアで囲った本部内の何処かに隠しているに違いない。全同盟に通達しろ」


メカニカルエッグ新団長「それと、以前捕獲した例の怪人を解き放て!」


メカニカルエッグ団員「しかし、団長。アレは前の団長から味方も巻き込むから解放するなと言われていたいわくつきの化け物ですよ」


メカニカルエッグ副団長「戦線に残存する我々の仲間だけ退けばいい。そして我々は怪人共による攪乱の隙に転移魔法の妨害トラップを突破する」


メカニカルエッグ新人「忌々しい怪人め…」


 それから間もなく、ドクトル・ミニン達の科学班が守護する第一防衛ライン、メカニカルエッグによって解き放たれた暴走状態の怪人集団がモット団の部隊と交戦した。一般兵、モットソルジャー、冒険職PTは予想外の事態に一時混乱し、不意を突かれ突破されている。


科学班A「敵怪人の猛攻によってあの一帯の戦車とPTが壊滅しました」


ミニン「まさか、奴等も怪人を投入してくるとは」


サーチレンズ男「班長、分析が終わりました。あの怪人は以前に魔物強化装置から作られた生物ベースの怪人達です」


ミニン「ってことはエビ怪人と同スペックか」


 東の帝国第三皇子ピーナツォンによって密かにばら撒かれていた魔物強化装置は、騙された冒険者達によって数多くの怪人を生み出していた。

 データ収集とは知らずに生物や魔物から怪人を作成した冒険者達は怪人をスキルの練習相手にしたり、仲間として冒険に連れ出したりしていた。しかし、それらの経験を積むなどして一定の戦闘スキルを習得した怪人は、自我を失って冒険者に襲い掛かり倒されるようにプログラムされている。怪人は倒されることで人工衛星を通じてミッドカットの廃工場地帯にあった施設にデータを送信することになっていた。

 しかし、その暴走した怪人が取り逃がされた事例もある。後に未確認の人造魔物として各地の都市国家を悩ませていた。

 メカニカルエッグは魔物駆除業務の一環としてそれらの怪人を討伐していた。今回導入されたのは先々代団長の意向で密かに捕縛していた個体である。先々代団長はミッドカットの廃工場地帯の施設を突き止めて怪人達を高額で引き渡そうとした際に、口封じに施設の抹殺を命じられていた騎士団長ワンザーによって殺害されている。

 数分後、モットはミニン達から怪人出現の報告を受けた。


モット「ウチは怪人捨て場じゃないんだぞ(エビ怪人も生きていたらあんなに暴走してたのか)」


サカキ「敵は生物ベースが多い、今度こそ俺達ビーストファイターズの出番だ(俺のテレポート対策もお披露目できる)」


モット「待てサカキ、君等には別の配置任務がある」


サカキ「でもな、こんな時に飲み食いやってる場合じゃないし」


モット「たった今スーパータケノコエキスの使用許可を科学班に出した。敵もこれには面食らうはずだ」


 第一防衛ラインの主力部隊。科学班はスーパータケノコエキスを塗布した飛び道具を暴走怪人に向けて放った。怪人達は動きを止めるともがき出した。体が膨れ上がっている。

 スーパータケノコエキス、タケノコ共和国で取れる赤いタケノコを厳選して、さらに世界樹の実の成分を加えて調整された試薬。その成分が自我の薄い怪人の体内に侵入することによって、強制的な巨大化魔法を発動させて命を著しく削らせる。対怪人用の秘密兵器である。欠点は機械、無生物、人間ベースの怪人には通用しない。


サーチレンズ男「巨大化した敵怪人は著しく体力を消耗しています。暴走状態が仇となった模様です」


ミニン「光線ヒトデで手足を一斉攻撃、こちらに近づく前に倒してしまいなさい」


 第一防衛ラインの最戦線では対怪人の秘策によって再びモット団が有利となった。犬死山の麓、こちらでも戦況に変化があった。魔磁禍瑠七型によって壊滅的被害を受けた魔術師ギルドのパイロボーリングの前にスピリッツ&トリーツと名乗る少数精鋭のPTが現れた。


スピリッツ&トリーツ代表「炎系ダンジョンに特化した火事場泥棒ギルドがこのありさまとは」


パイロボーリングリーダー「お、お前等は帝国の嫌われ者!」


スピリッツ&トリーツA「失礼だね、私達は伝説の戦闘民族ゲリラ人さ。由緒正しい帝国移住の」


スピリッツ&トリーツB「アンタ達がやられまくってるのは、魅羅駆瑠系統の魔導アーマーだね。人造精霊が全く一緒」


スピリッツ&トリーツC「しかし、おいどん達はオリジナルの精霊使いでごわす。キュリア・キャリアの一族程ではないでごわすが、あんな紛い物にやられないでごわす」


スピリッツ&トリーツ代表「ここは精霊専門の我々にお任せあれ、後でお助け料を請求するがね」


パイロボーリングリーダー「ぐぬぬ」


 ナデシコ達の戦っているエリア、ツギハギメカ娘ソーラーソーラは体から生やしたソーラーパネルを展開して光魔法を吸収して電撃エネルギーとして仲間のメカ娘に供給した。メカ娘達はそのエネルギーを用いてレールガンを連射、使用人型改造人間達も再生速度を速めている。


女神の使途総司祭「パネルごときで我々の魔法を利用するなど愚かしい。大地に轟け、聖なる逆鱗の槌!」


 女神の使途総司祭は地面を伝わる衝撃波を放ってソーラソーラのパネルを破壊した。


ナデシコ「しまった、ソーラーソーラは地面に根を張らないとパネル展開できない」


メカ娘「隊長、替えのパーツが間に合わないわ」


女神の使途審問官「今だ、懺悔の炎!」


ソーラソーラ「我、太陽に近づき過ぎた…」


 ソーラソーラは収束した炎にコアを貫かれて爆発四散した。ナデシコはロイアルメイドを盾にてその場を凌いだ。


ナデシコ「やべっ、私もあんな炎喰らったら…」


 一方、ストーンストーンが妨害用に出した石仏は女神の使徒の幹部達によって砕かれている。


女神の使途僧侶「偶像で、我等をを妨害するとは背徳的な!」


ストーンストーン「石、偶像ない、信ずる者がいる限り」


女神の使途モンク「こんなもの砕いてやる。破砕拳2点突き!」


女神の石工職人「破片よ集まれ、出でよ我がモアイよ!」


 女神の使途側はそれらの破片を集結させ、一つの巨大モアイを錬成した。モアイは左右に揺れながら直進しており、バリア発生装置のある砦に衝突しようとしている。

 さらにモアイを援護するように女神の使途召喚士が再生するトロールを5匹召喚した。


女神の使途召喚士「アッハハハ!私の可愛いロールちゃん達は光魔法を喰らっても再生するし、バラバラになっても回復魔法を吸い寄せる体質だから石像での妨害は無効よ」


ナデシコ「先ずはモアイを止めないとね、ストーンストーン」


ストーンストーン「寄生シダ急成長!」


 巨大モアイの動きが止まった。頭部にはストーンストーンが仕込んでいた胞子から無数のシダが生い茂っている。ジゾージゾーはゴーレムや石像にシダを植え付けることで操ることが出来る。

 

ナデシコ「ソーラソーラの敵よ、やってしまいなさい」


 操られた巨大モアイは横に倒れてゴロゴロと転がってトロール達を轢いた。続いて逃げ損ねた女神の使徒も押しつぶしながら周囲を転がり回った。


女神の使途総司祭「よくも同士達を、イライラしますね、聖なる怒りの過熱!」


女神の使途僧侶「あわわわ、総司祭様のお怒りが」


女神の使途総司祭「聖なる蔑みの冷凍!」


 女神の使途総司祭は炎を放って倒れたモアイを加熱した。炎を止めると、極寒の冷気を放った後に魔力で肥大化させたメイスを振り下ろしてモアイを粉々に粉砕、やられた部下やトロール達を蘇生した。


ナデシコ「振り出しに戻るなんて、こうなったら」


メカ娘「隊長、巨大化するの?」


ナデシコ「いえ、さっきモットソルジャーからぶん取ったこの特製人骨スープでカタを付けるわ!」

 

 ナデシコは特製人骨スープを飲み干して全身に力をみなぎらせると、ロイヤルメイドと執事ガーディアンを盾に、敵の大群を蹴散らした。その隙にストーンソーンは新たな石像を生成して妨害を再開している。

 特製人骨スープは人肉を扱う屋台で、モットソルジャー達が下僕ポイントと引き換えに飲むことを許されているスープである。ある理由によりブラッドメットモットソルジャー達が必死に求めている。


メカ娘A「隊長が急に強くなった。凄い増強剤ね」


メカ娘B「えっ、マジで飲んでしまったの?アレって下っ端達から聞いたけど、あの方のだし汁だよ…」


 ナデシコは真っ蒼になってギルド端末でモットに確認を取った。


モット「確かにアンデッド形態になった僕の風呂の残り湯だ。いい湯だった!」


ナデシコ「オエエエエエエエッ!!」


モット「知性ある骨連中はみんなやってそうだからいいじゃないか。それにブラッドメット達に限らず、通常のモットソルジャー達もアレを飲めば早く人間に近づけるから人気があるんだ」


マルチダ「飲まなくてよかった」


 ナデシコ周囲にゲロを勢いよくまき散らした。その一部がトロルにかかり、何やら苦しみ始めたようだった。


女神の使途召喚士「どうしたのロールちゃん。そんな汚い消化液、直ぐに再生できるはずよ!」


 トロルのゲロを浴びた部分が膨れ上がり、人面瘡のような物体が出現した。トロルは召喚士に助けを求めて腕を伸ばして掴んだ。


女神の使途召喚士「ギャーッ、ロールちゃん離して!」


ストーンストーン「隙あり、出でよ我が石仏よ!」


女神の使途召喚士「動けない、重い、うぐぐぐ…」


 ストーンストーンは生成した巨大石仏でトロルを召喚士もろとも押し潰した。


ナデシコ「ハアハア、何とか倒せたわね…」


女神の使途総司祭「ロストした同胞よ、貴女の信仰する便器の女神の下へと逝きたまえ」


モット「ナデシコ達はひと段落ついたようだな。そろそろ真のモビルシューター隊を出す。ヤマタノオロチ発進だ!」


 戦いの頃合いを見計らっていたモットは宴の一部中断を命じた上で、マルチダ達改造魔獣軍団に出撃を命じた。それと同時に隠していた本来のモビルシューター部隊の発進準備とサカキ達ビーストファイターの配置も指示した。

 会場内の発着場、改修用のシートが外され、ヤマタノオロチ率いる飛行艇艦隊が浮上した。上部のイオンシールドは一時的に開放され、会場と切り離されている。その部分を守るようにビーストファイター達が陣を構え、ミニン達科学班も敵を誘い込むようにモトマチキャッスル側へと後退した。


モット「ここと魔導アーマー第二陣部隊の指揮は任せたぞリリンダ」


リリンダ「了解であります」


モット「僕は苦戦の報告を受けた犬死山方面に闇勇者達を率いて向かう」


 そして間もなく発着場から浮上した飛行艇艦隊はイオンシールドを持つヤマタノオロチを盾に周囲の敵に向かって一斉攻撃を開始した。

 新造飛行艇11番艦のブリッジでは若いクルー達が張り切っている。


艦長「撃て撃て、弾切れするまで撃ちまくれ!」


砲手「若い体で戦えるなんて夢にも思わんかったな」


ハゲワシ番長「おい元ジジイ共、今度命令無視して撃沈させられたら承知しねえぞ!」


操舵士「分かってるよ、飛行艇の訓練教官と引き換えにモットソルジャーから即座に人間に戻してもらったのだからな」


 旗艦ヤマタノオロチのブリッジ内、宴会場からテレポートしてきたマルチダが敵の密集地帯に向かっての一斉攻撃の指揮している。


マルチダ「この一帯の敵は半壊した。モビルシューターで蹂躙せよ!」


キメラ「発着場の防衛は猫耳男達に任せてよろしいのでしょうか?」


マルチダ「今のサカキなら大丈夫だ。一昨日、実体攻撃以外効かないはずの私に効く空間斬撃を編み出したのだから」


キメラ「マルチダ様、我ら四天王にも相談なく危険な特訓をされるのはいかがなものかと」


マルチダ「良いではないか、結界による妨害以外で敵による転移系魔法の対策ができるのだから」


 ヤマタノオロチ左右のイオンシールドが解除され、側面のハッチからカタパルトによって大型パラシュート装備の魔磁禍瑠六型が発進した。他の飛行艇からは貨物ハッチが開いて、フライトユニットシステムFUSに乗った魔磁禍瑠六型やモブファイター航空機部隊が発進した。

 ヤマタノオロチから発進した魔磁禍瑠六型はパラシュートを展開してゆっくりと地上の敵部隊の前に飛来しながら攻撃を浴びせ、飛行ユニット装備はモブファイターと編隊を組んで第一防衛ライン内を遊撃している。

 地上に降り立った魔磁禍瑠六型のモビルシューター隊は、先程全滅した粗悪品のダミー機体とは違って柔軟な動きで敵連合軍を圧倒している。そして無理やり巨大化させられた暴走怪人の前にも魔磁禍瑠六型が到達して、レーザーサーベルで怪人達を一匹残らず薙ぎ払った。


ミニン「始めから出しといてもらいたかったが、コレが一番効率の良いサプライズ作戦かぁ」


 飛行艇の発着場、イオンシールドが消え、宴会場と切り離された。暴走怪人達を囮に第一防衛ラインを突破したメカニカルエッグの第二陣はそれを待っていたかのように転移系の魔法で一気に流れ込んでくる。


メカニカルエッグ新団長「敵戦艦や巨大ロボット達はこの周囲を爆撃できない」


メカニカルエッグシーフ「イオンシールドに貼り付けさえすれば数分で破れるぜ団長」


サカキ「いらっしゃい、次元カマイタチ!」


メカニカルエッグトリックナイト「うぐぁ!」


メカニカルエッグ新団長「何が起きた!?」


 新団長のPTに続いてサカキの近くにテレポートしてきたメカニカルエッグのトリックナイトは体の半分だけを残してその場に転がった。サカキは転移してくるメカニカルエッグ達を同様に切り裂いた。


メカニカルエッグ新団長「馬鹿な、コイツ空間ごと切り裂いていやがる」


サカキ「皆の者道を開けろ、テレポート使いは俺に擦れ!(特訓の成果を見せてやる)」

 

 サカキはブラウリッターとの戦いで自身の力不足を痛感しており、魔法属性等で敵わないなら自身が得意とするスキルを鍛え上げて補おうと考えていた。

 サカキのスキルの1つで空間を斬撃と化す大次元斬、このスキルを鍛え上げて応用を効かせる為に、魔界Cから帰還してから密かにマルチダの協力を得て特訓を毎日していた。

 その結果、テレポートを連続で使えるマルチダに対して、本来効かないはずの非実体攻撃でダメージを与えるスキルを習得した。それは相手がテレポート使用中の僅かな間のみに斬撃で空間ごと引き裂く次元カマイタチである。


サカキ「(テレポートってのは使用者が任意の場所へと転移する際に、2つの地点の空間が繋がる仕組みだ。俺の技は移動前と移動後のどちらか一方の空間を掠ってさえいれば、移動先の空間に使用者の体が出現するタイミングで次元斬が発動して強制的に移動前と移動後の繋がりを遮断する)」


ラビットファイアー「炎の壁で援護するのじゃ、御大将!」


アリゲリアン「カマイタチトルネード!」


ソードマンペンギン「ここまで来たからには逃がさぬぞ、テレポート使い共」


メカニカルエッグ新団長「クッソ、逃げ場が!」


 サカキは次元カマイタチによりメカニカルエッグの第二陣を次々に葬っていった。同時刻、ナデシコと使用人型改造人間の部隊はモビルシューター隊の援護を受けて女神の使途を追い詰めていた。


ナデシコ「ゼエゼエ、吐き気止めのポーションがあって良かった」


メカ娘C「でも、隊長は人肉嗜食になってたじゃん」


ナデシコ「ボスの風呂水は論外よ」


女神の使途総司祭「私達の信仰心が、天から降ってきたロボットごときに追い詰められるなんて」


女神の使途僧侶「総司祭様、さらに悪いお知らせが…。我々の傘下にあった天界超人達が離脱を宣言して、後方支援から外れました!」


女神の使途総司祭「こうなったら、あのゲロ女達を道連れに信仰心に伴う魔力を暴走させて差し上げます!」


 女神の使途達はそれぞれが信仰する女神に祈りを込めて極大魔法を発動させようとしている。


女神の使途総司祭「皆さん、祈りなさい。暴走後も信仰心と運が残っていればその場で蘇生できるバフを振りまいておきました!」


執事ガーディアンA「敵は大規模な魔法爆発を起こして我々を道連れにするつもりです。さらに敵から一定確率で自動蘇生する魔法効果も確認」


ロイアルメイドA「予想される威力では砦が消し飛び、イオンシールドも一部が欠けて、敵に侵入される可能性が高まります」


ナデシコ「そうきたのなら仕方ないわね。ストーンストーン、巨大化よ!」


ストーンストーン「命令を受諾!」


 ストーンストーンはナデシコの命令で巨大化した。そして女神の使途達の真上に来ると、敵から集中攻撃を受けながらも最後の力でとあるスキルを発動した。


ストーンストーン「欲張りじぞう!」


 ストーンストーンは女神の使途達から自爆魔法の効果を吸い上げて自身に宿すと、味方への影響が少ない方角に飛んで自爆した。


女神の使途総司祭「何ですって!?」


女神の使途僧侶「祈っても魔力が湧かない、私達の信仰心が全部あの石ころの化け物に吸い上げられた」


ナデシコ「敵は魔力を使い果たしているわ、回復される前に取り押さえなさい!」


 女神の使途達はストーンストーンに信仰心を吸い上げられたことにより一気に弱体化した。モビルシューター隊の援護もあってこのエリアでの勝利は確定した。


モット「何だ、あの凄まじい爆発は?サカキやナデシコ達から敵(反逆者)の無効化が完了したって報告があったから問題はないみたいだが。まあいい、本部周囲も脅威がほぼ去ったのならの奴等の出撃を許そう」


 飛行艇艦隊と真のモビルシューター隊の出撃や、サカキやナデシコの奇策により、本部周囲に招き入れた敵主力はほぼ排除が成功した。残るは犬死山に現れた強敵のみとなっている。イオンシールドのエネルギー供給源である犬死山を制圧されれば、敵による形勢逆転をされかねない。モットは闇勇者の部隊と共に犬死山へ急いだ。


ソーラーソーラー&ストーンストーン

 ナデシコ配下、光や神聖魔法への対策に作られたツギハギメカ娘第4号と5号。アダマンジャーから回収したからくり巨人のコアは使わずに、新たに開発されたサイボーグ怪人用のコアを搭載しているのでメカ娘の残骸と植物と物の合成の幅が広がっている。それぞれソーラーパネルとヒマワリ、石仏とシダ植物が合成されている。


サーチレンズ男

 科学班のミニンの配下。お魚レーダー程ではないが、レンズ状の顔で対象を補足・分析ができる。また、前後任意の方向から浴びた光線を増幅して攻撃することができる。顔の部分は破壊されても直ぐに自己修復できる再生怪人でもある。改造前は刑務所タウンから脱獄した盗撮犯。


スピリッツ&トリーツ

 帝国出身のゲリラ人PT、同じゲリラ人からは裏切り者、帝国の人々からは厄介者として見られているが、祖先による第一次世界大戦時での活躍によって、皇帝から庇護を受けている。全員が食物系の能力を有する精霊神を従えており、S級冒険者の地位を確立している。

 また、ゲリラ亡国にて同胞相手の工作員として活動したり、魅羅駆瑠4式等の人造精霊アーマーに関してのテストにも協力しており、第一、第三皇子から多額の報酬を受け取っている。


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