表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/58

第27話 巨大戦艦(中編)

ソードマンペンギン

性別:♀ 年齢:不明 職業:剣士 所属:ビーストファイターズ獣怪人

 三獣将と呼ばれるサカキの腹心。猫耳兵と共に捨てられた所をサカキに拾われた。サカキから剣術を教わり、才能を発揮して侍を目指したが、サカキの立場を考慮して単なる剣士に留まっている。


アリゲリアン

性別:不明 年齢:不明 職業:グラディエーター 所属:ビーストファイターズ獣怪人

 環境ホルモンによるミュータント化したワニで三獣将の1人。闘技獣として飼育されたが、娯楽の為に処刑されると分かり脱走、獣人捨て場に流れ着いて猫耳兵達の子供を捕食しようとしていた所をサカキに倒され配下となった。ワニだけに水中での格闘戦が得意。


N阿弥陀仏

性別:♂ 年齢:233 職業:賢者 所属:ビーストファイターズ獣怪人

 数少ないビーストファイターズの魔法職で三獣将を任されている。実は異世界のある国で悪事を働き、追われた際に飛び込んだ井戸から転移してきた猫又の妖怪。ビーストファイターズ乗っ取りの為にサカキの軍門に下ったフリをしている。


 モット団による巨大戦艦への総攻撃が始まった。先ずは敵の攪乱の為にモットとマルチダのスケルトンや使い魔、消毒マンが作成した実体化プログラムのBOTソルジャーが先遣隊として、転移魔法によって造船所内へと送り込まれた。それと同時に事前に訓練と聞かされていた造船所でのバ浜の作業員や警備員が一斉に逃げ出した。

 続いてモットが自ら率いる真正面のPTと部隊、左右にはウオヘイとサカキがそれぞれ率いる大部隊が転移魔法や壊された壁を越えるなどして、造船施設に横付けで停泊している巨大戦艦に向かって3方向からの進軍を開始した。

 モットのPTは真正面から巨大戦艦への突破口を開けることを目的としており、マルチダ、ドロン、消毒マン、ハヤト&カリアの構成で、マルチダの召喚獣は一定間隔で解き放って暴れさせた。後続にはリッチやサイバー家電獣、自称転移者・転生者が続いた。

 サカキのPTは配下のソードマンペンギン、アリゲリアン、N阿弥陀仏、ラビットファイアー、リリンダに加え回復要員にニキータで、サカキ配下の猫耳兵を含むビーストファイターズ、一般兵と新メンバーの半数が続く。

 ウオヘイが率いるPTはミニン、ポニョン、ショットシェラー、キノコ怪人、ゴキブラーで他は劇薬瓶や大型シールドを装備した科学班、一般兵と新メンバーの残り全員で、量産型移動砲台の光線ヒトデ達はフラス子とメスリウスの指揮の元で後方から援護射撃を行った。

 対するベスタ軍は対人レーザー付き戦車40両、巨大戦艦の牽引兼護衛艦4隻、要人移送の飛行艇3隻、それらの艦艇や駐屯地から出動したベスタ兵約3000人、属性合成怪人多数となっており、襲撃者を迎え撃つ体制を整えていた。

 多数の銃弾、矢、魔法等が飛び交う中、先遣隊のスケルトンと使い魔達はほぼ壊滅してベスタ軍の次の目標は正面から現れたモットのPTと部隊になった。


モット「まずは敵の数を減らす。僕の前には出るな、死ぬぞ!」


 アンデッド化したモットは大量の泥団子をアイテムBOXから呼び出して前方の敵集団目掛けて発射した。それらはモットの殺人泥爆弾の詠唱で肉食バクテリアとなって降り注いだ。辺りには敵兵の悲鳴が響き渡り、肉食バクテリアを振り払う者、付着部位を刃物で削ぎ落す者、戦意を失い後退する者で一時混乱した。


士官A「魔法による生物兵器か、分析と対策を急げ!」


士官B「司令部に新型属性合成怪人及び魔導力アーマーの出撃を要請…。却下だと!?」


 モット団側は優位に進めると思っていたがしかし、白骨化したベスタ兵の屍を乗り越えて敵戦車が陣形を組み、殺人泥爆弾の通用しない属性合成怪人達も生身の敵兵を庇うように手早く体制を立て直してきた。


士官A「よくやった属性合成怪人、発生源はあのアンデットだ。ホーリーアローとターンアンデッドの矢を放て!」


士官B「属性合成怪人による分析で人を溶かす泥の弱点が分かった。光と植物属性が有効だ」


モット「弱点に気づかれたか、肉食バクテリアを引っ込める。リッチ共は後方に下がれ」


マルチダ「ここで私があの姿で本気をせば勢いを取り戻せる。いいだろう?」


モット「あの変身か、もう服は破くなよ?」


マルチダ「練習のお陰で少し着崩れるだけになった。ハアァーッ!」


 マルチダは吸血バハムートに変身して広範囲かつ大火力の弾幕状の魔法や属性ブレスを放った。敵の属性怪人はそれぞれ対応する属性でマルチダの攻撃を引き受けて被害を最小限に抑えた。

 モットはハヤトとカリアに飛んでくる弱点の矢を防がせながら、属性合成怪人の撃破を試みた。属性合成怪人は弱点魔法に備えて複数属性のPTで連携しているが、マルチダの攻撃防御中は隙が大きくなっており、その間別の属性攻撃で一体倒すと敵PTの連帯は一気に崩れた。

 モットは直ぐに属性合成怪人の撃破方法を全部隊に通達した。また、転生・転移者の活躍もあって属性合成怪人達は次第に連携を崩されて撃破されていった。

 一方、右側から斜めに突撃したサカキのPTと部隊は先遣隊やモットの殺人泥爆弾で倒されたベスタ兵の屍を乗り越えて戦車隊や後ろに潜んだ近接仕様のベスタ兵と交戦した。


サカキ「モット君から属性合成怪人の倒し方を受けたが、今はカマイタチの打ち合いで精いっぱいだ」


リリンダ「サカキ殿、僕が邪魔な前方の戦車を撃破するでありますよ」


N阿弥陀仏「お待ちくだされ、氷と雷の属性を持つ怪人があちらからやってきますぞ」


アリゲリアン「ここはあたし達三獣将にお任せを!」


 N阿弥陀仏は敵のカマイタチや砲弾を相殺するサカキの両側に死体を妖術で寄せ集め壁を築いた。ソードマンペンギンは死体の壁を凍らせてきた氷結ビビンバに向かって雷を帯びた斬撃を放って撃破した。続いてアリゲリアンは死体の壁を越えてきた稲妻ビビンバを岩石を纏ったトライデントで串刺しにした。

 弱点の属性合成怪人がいなくなったことを確認すると、リリンダことバケツビビンバは他の属性合成怪人を飛び越え、敵戦車の砲身内へ侵入して火責めや水攻め熱湯攻めで乗員を始末もしくはバーナーやウォーターカッター状にした鎌で内部から切り裂いた。


サカキ「壊滅した帝国戦車隊の時と同じだな、俺だって!」


 サカキは残った敵戦車に狙いを定めて突撃した。戦車の背後から潜んでいた属性合成怪人4体が現れて火、水、地面、風の魔法を付与した鎌でサカキ目掛けて切りかかった。


サカキ「くっ、流石に俺でも分が悪い」


ラビットファイアー「御大将、ここはワシの出番じゃな。強制炎エンチャント!」


N阿弥陀仏「ばっかもーん!新入り何をやっている。御大将に炎は…(ここでコイツがやられたらワシ等も危険に晒されるのだ)」


 サカキの背後から飛び出したラビットファイアーは敵の武器の属性を強制的に全て火に変えてサカキを庇って盾になった。属性合成怪人の武器はラビットファイヤーの体に吸収されるように食い込んで、その持ち手は炎の渦を巻いて属性合成怪人達の手を完全に封じた。


ベスタ技術兵「あり得ない、初期量産型とはいえ属性合成怪人ビビンバのはずだ…」


サカキ「でかしたラビット、炎は効かないと聞いていたがそんな能力があったのか!?」


ラビットファイアー「ワシは一定範囲の敵の属性攻撃を強制的に炎に変えて吸収することが出来るのじゃ(魔法攻撃・防御がワシより高い相手には通用しないのじゃが)」


 サカキは動きを封じられた属性合成怪人をそれぞれ氷点突き、ウォーターカッター、地割れ切りで粉砕すると、その爆発に紛れて残った戦車と敵兵を一閃で両断した。


リリンダ「こちらはほぼ制圧したでありますね」


サカキ「ラビットファイヤーのお陰でこっちの敵主力は壊滅した。ラビットファイアーの三獣将いや四獣将入りを検討するぜ」


ソードマンペンギン「うむ、これほどの実力があれば我らと同等になってもおかしくはないな」


アリゲリアン「やるじゃない、うさぎちゃん!」


ニキータ「ヒーラス!負傷した味方の回復は済ませました。このまま敵を押し切りましょう!」


N阿弥陀仏「(目障りな奴がまた増えた。どうにか始末できれば…)」


 また、左側を任されたウオヘイ達のPTと部隊も属性合成怪人に善戦していた。

 ウオヘイは得意の水魔法で火炎ビビンバや岩石ビビンバを撃破、ミニンは属性耐性ポーションを反応して爆発させるスキルのエーテルエクスプロージョンで水流ビビンバや氷結ビビンバの防御形態を崩してその隙を突いてショットシェラーがエレキスラッグ弾を撃ち込んで粉砕。

 残る竜巻ビビンバと稲妻ビビンバはポニョンが攻撃を引き付けている隙に一般兵による地面魔法スクロールによって撃破。これらの繰り返しによって5種の属性からなる敵怪人のPTは次々と突破された。


ウオヘイ「属性合成怪人と聞いてめちゃくちゃ強いと思ったら、連携さえ崩せば弱点属性さえ分かれば楽勝だった」


ミニン「同感だ」


 その頃、巨大戦艦のブリッジではベスタ軍のクリス総統が指揮官達を叱責していた。


クリス総統「未完成のこの船と私の乗船を餌に、反乱分子の協力者を誘き出して一網打尽にする作戦だったはず。それが下級眷属だの細菌兵器だの出来損ないの怪人だのにやられてどうするのだ?」


士官C「申し訳ありません。奇襲攻撃には備えておりましたが、謎の細菌兵器や魔法の効かないドラゴンによって一般兵全体の士気が低下しております」


士官D「また、PTを組ませたはずの属性合成怪人達の連帯能力に思いのほかの欠陥があり、各自が弱点属性をカバーすることなく撃破されていった模様です」


クリス総統「まだ私の親衛隊を使うわけにはいかない。さっさと援軍でこちらの数を増やさんか!」


士官C「本国に増援を要請しておりますが、首都も含み本国内での反乱再開により増援が遅れております。さらにミッドカット警備艇によるバト内海封鎖もありまして…」


士官D「東の帝国にも援軍を要請しましたが、反乱は自分で達鎮圧せよと何度も跳ねのけられます」


クリス総統「ええい、何のための属国化だ。それにこの船は奴等がよこしたのだぞ、帝国の誇る最新艦に何かあってもどうでも良いのか?」


士官E「総統ご安心ください。属性合成怪人V2部隊の調整が整いました」


士官F「今主砲の調整も完了しました」


クリス総統「でかした、敵部隊が船の前に集結した頃を見計らって甲板上に配置させろ、私も出る」


士官C「お待ちください総統、この船のイオンシールドはまだ未完成です」


士官D「外にはドラゴンの化け物も飛び回っております。総統は安全なこの場所におられた方が…」


クリス総統「黙れ、お前達2人はさっさとブリッジの外て頭を冷やせ(永久にな)」


 敵部隊を突破したモット達は巨大戦艦の手前まで迫った。戦艦側面の機関砲やレーザーによって多数の弾幕が張り巡らされたが、モットはマルチダと光線ヒトデを操作している科学班に命じてそれらを破壊して難なく突破した。


消毒マン「喰らえー、対人消毒バスター!」


士官B「これまでか…無念」


ドロン「今のでこちらの属性怪人は全滅のようですぜ、敵船への乗り込みはどうしやす?」


モット「任せろ、ロックポールトレイン!!」


 モットは巨大戦艦の停泊する船着場の水面に連なる石柱の足場を出現させた。また、吸血バハムートに変身したマルチダに自分を掴ませて、テレポートでサカキやウオヘイの部隊の手前にも同様に足場を作って突入の準備を整えた。


ドロン「旦那、助かりますぜ。俺泳げなくって」


モット「よしマルチダ、人間体に戻れ!」


モット「変身はうまくいったようだな。ん、その傷は?」


マルチダ「翼と背中に数発敵の矢を喰らったが大丈夫だ」


カリア「翼や尻尾は人間体時に消えるのですね、今止血致します」


ハヤト「ヒール!」


マルチダ「(何だ、傷が癒えているはずなのにこの感じは?)」


モット「マルチダの手当が済んだら内部に突入だ、さっき破壊した側面の砲台の破損個所ならテレポートで飛べるな…」


 その時、巨大戦艦の上部にある4つの砲台からそれぞれ光線が放たれ、後方で戦闘を続ける敵味両方を薙ぎ払った。それと同時に甲板上には見たこともない属性合成怪人数体と護衛を連れたクリス総統が現れた。


士官A「何故です総統…うぐっ」


士官F「敵に損害を与えましたが、味方も同様です」


クリス総統「こちらの損害など後で清算すればよい。それにしても素晴らしい破壊力だな、次の発射まで時間がかかるのが難点だが」


士官E「直ちに各砲台エネルギー予備タンクへの手動装填を開始します。10分を要します」


クリス総統「構わん、私は弓で遊ばせてもらう」


モット「イオンカノンが完成していただと!?味方は何人やられた?」


ハヤト「後方にいた400人以上の味方の生命反応が途切れました」


マルチダ「私のタイタン2体が死んだか…」


モット「怯むな、突入を強行する!」


 モットは巨大戦艦からの砲撃を受けた後方の味方を一時後退させ、それより前方にいる部隊だけで戦艦内部への突入を強行することにした。しかし、戦艦上部から現れた敵の精鋭部隊の矢や魔法が彼等を襲った。


ハヤト「ご主人様、味方が謎の矢で次々射抜かれています」


モット「謎の矢?ちゃんと盾を上に構えて防ぐんだ」


カリア「科学班の大型シールドすら貫通する矢だそうです」


士官E「見つけました。細菌兵器のアンデッドです!」


クリス総統「どれどれ、あの時カタールが雇った下級リッチではないか。お前が親玉なら撃破も容易だ。喰らえ、ターンアンデッドの矢!」


ハヤト「危ない、ご主人様!」


 クリス総統の放った矢がハヤトの体を貫通してモットに命中した。矢はモットに刺さった瞬間、込められていたターンアンデッドを発動させ、モットの体を虹色の光が包んだ。


モット「うっ、ググッ!」


マルチダ「お、お前!」


モット「ふう、死ぬかと思った…」


クリス総統「なんだと?」


 その時、後方の部隊にいたモットの眷属のリッチ達が慌てふためいていた。


ハチ「ぐおおおおぉ!」


ポチ「ハチさんが突然浄化された!?」


 モットは先日作っていた眷属のリッチ全員にダミーリッチと付けた呪いスキルを仕込んでいた。それは主のアンデッドが一撃で浄化されるダメージを負った際に発動し、配下のアンデッドがその全ダメージを肩代わりするもので、海底洞窟で魂の折り重なったヘルを倒した時にヒントを得て、ネクロマンシー裏技テキストの該当箇所を何度も読み直してアレンジを加えたらしい。


クリス総統「くっそー、くらえ、くらえ、くらえ!」


モット「ほっといて突入するぞ!」


マルチダ「大丈夫か、5回はあの矢を受けて光っていたぞ」


モット「一撃ダメージなら対策済だ。それに艦内を矢で穴だらけにするバカではないだろう」


 モットのPTはマルチダのテレポートで巨大戦艦の内部の通路に侵入した。サカキやウオヘイのPTも戦艦側面の穴を広げて内部に侵入していた。

 一方、乗船所内では巨大戦艦の主砲によって分断されたモット団の部隊が、主砲の発射を警戒しつつ、敵の残存部隊と交戦していた。


フラス子「突入したミニン班長達は無事だといいわね」


メスリウス「ところでフラ子、ミニン班長から禁止されていますが、とっておきの薬があるのですが」


フラス子「このポーションは!?成程、再生能力を持つ私達がこれで主砲の囮になれるなら…」


水芸モグラ「まさかお2人方も同じことを考えておられるのか?」


レンジャーイノシシ「奇遇だな、吾輩も」


レンジサイバー「我々も合体すれば可能である」


 巨大戦艦の甲板上。


士官E「主砲のチャージが完了いたしました」


クリス総統「これ以上奴らを艦内に入れるな、周囲の敵を殲滅するのだ」


 巨大戦艦の4門の主砲が発射準備に取り掛かったその時、造船所内から巨大な物体が複数現れた。


クリス総統「何だあれは?待てよ、首狩り荒野で始末した巨大ハト男の仲間か」


士官F「ターゲット変更、目標後方の巨大化怪人!」


フラス子「私達2人はイオンカノンを浴びても平気よ」


メスリウス「他の巨大化した皆さんはこちらへ敵からのターゲットを誘導してください」


水芸モグラ「制限時間内に上手いこと発射されればよいのだがな」


 フラス子とメスリウスが光線ヒトデ達と共に再生肥大ポーションで巨大化した。水芸モグラやレンジャーイノシシも隠し持っていた禁獣妙薬で巨大化し、サイバー家電獣達も残ったBOTソルジャーと合体することで巨大化を果たして、巨大戦艦の主砲から味方を守る作戦に変更した。

 4門の主砲は巨大化怪人に向かって発射され、彼らの読みどうりに味方への被害を防いだ。その隙に分断されていた後方の部隊は第二陣として巨大戦艦内へ突入していった。


クリス総統「何をやっている、アレは囮だぞ!」


士官F「申し訳ありません」


士官E「海との間にある足場を火器や魔法で全部破壊しろ」


クリス総統「もういい、乗り込んできた敵は艦内で始末をつける。この船の支えを全て外せ、牽引艦で沖まで牽引しろ」


士官E「では総統、牽引艦か護衛艦への退避をお願いいたします」


士官F「ブリッジ内の転移システムを起動、総統の移動後ロックをかける」


クリス総統「待て、この私に逃げろとでも言うのか?」


士官E&F「し、しかし…」


クリス総統「私は勇者の末裔であるぞ、先祖伝来のチートスキルを保有している。それにいざという時にコイツもいるんだ」


風水ビビンバ「兄貴…」


クリス総統「とにかく、今は造船所内に向けてイオンカノンを…」


 次の瞬間、巨大化した光線ヒトデのビームがイオン砲台を全て貫いて破壊した。さらに護衛艦や牽引船にも命中して航行不能に追い込んだ。


クリス総統「何だと!?ブリッジに退避する!」 


フラス子「我等科学班の誇る」


メスリウス「量産型再生怪人を舐めないで下さい」


水芸モグラ「そろそろ巨大化の効力が」


レンジャーイノシシ「切れる時間である」


 その頃、側面に開けた穴から艦内に突入したモットは他にもサカキやウオヘイのPTの侵入を確認した。直後、今まで揺れなかった巨大戦艦が動き始めた。


モット「船を出してこちらの侵入を最小限に抑えるつもりか」


マルチダ「念のため外の波止場にここへのポータルを出しておいたぞ(何だか少しめまいが)」


モット「よくやったマルチダ、このまま艦内にいる味方全員で各区画を制圧しながらブリッジを目指す」


ドロン「流石に敵もここなら大規模な魔法は使えないと思いますぜ」


消毒マン「オイラはさっき見つけた壁の端子から船内を探ってみるよ」


モット「ああ、頼んだぞ」


 多大な犠牲を払いながらモット団は巨大戦艦内部への侵入を成功させた。艦内は狭い通路と多数の部屋や設備で構成されており、潜んでいる敵を撃破しながらブリッジや動力炉等の主要箇所をいち早く制圧する必要がある。モットのPTは侵入した味方の部隊を率いて艦内奥へと進んだ。


火炎ビビンバ

 ベスタ軍の怪人製造カプセル【ビビンバV1】によって作られた属性合成怪人。体を炎に変えることができ、物理攻撃はすり抜けられる。弱点は水と氷。


水流ビビンバ

 水の属性を持つ属性合成怪人。物理攻撃は無効、不定形の水の体に変化して狭い隙間に入り込める。弱点は植物、氷、電気。


稲妻ビビンバ

 電気の属性合成怪人。金属や機械に対しては絶大な戦闘力を発揮する。しかし地面の属性魔法には極端に弱く、他の属性合成怪人との連帯が必須となった。弱点は地面、光。


竜巻ビビンバ

 風の属性合成怪人。周囲の空気中の成分濃度まで操れるので接近するのは危険。弱点は炎と地面。稲妻ビビンバとはお互いにダメージを与えられることが出来ない。


岩石ビビンバ

 土と石で出来た属性合成怪人。地面と一体化でき用途に応じて体を砂や岩石に変化させられる。弱点属性は炎、植物、水と多いが、電気や風の属性には優位に戦える。


氷結ビビンバ

 氷の属性に特化した属性合成怪人。弱点である火と電気以外の攻撃を受けても水さえあれば再生する。なお属性合成怪人は素体となる人間を精神的に追い込んだ状態で合成する必要がある。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ