永遠の生命
読んで戴けたら嬉しいです。
エディーの上から起き上がったグリーンは開いている窓に歩み寄り、手をついて夜の帳を眺めた。
さわさわと草木をざわめかせる風はグリーンの長いさらさらの銀髪を躍らせた。
エディーは言った。
「誤解しないで、決してキミの事を嫌いな訳じゃないんだ
いい友達で居てくれるだろ.......? 」
グリーンは窓の外を眺めたまま言った。
「うん、有り難う
僕も約束する、二度と君を困らせる事はしない」
グリーンは哀し気な表情で振り返った。
「少し僕の話をしても構わない? 」
エディーは床に座ったまま言った。
「勿論!
是非聞かせて
とても興味があるんだ」
エディーは目を輝かせベッドに腰掛けた。
「そう.......? 」
グリーンは嬉しそうに笑って窓に腰掛けた。
風がグリーンの銀髪を乱すとグリーンは片手で髪を掻き上げた。
「ねえ、エディー
君は生命が永遠だと言ったら信じる? 」
エディーは手を後ろについた。
「さあ、どうなか
以前そんな事を書いた東洋人の小説を読んだ事はあるけど..........」
グリーンは語り始めた。
「僕には木に生まれる以前の記憶が少しだけ残っているんだ
人間だった僕は心がとても穢れていて罪を感じる事がまるで無かった
嘘も平気でついたし、憎む事も欺く事も、そして人を殺めることさえ快楽だった
やがて僕は復讐のために殺されて死を迎えた」
グリーンはエディーの前に横座りしてベッドに座るエディーの膝に頭を預けた。
「次の肉体と運命は前世の罪と善行が微妙に織り合い定められる
動物は肉体の営みを貪り、植物は知る事を貪る
それが生きる証
葉と根を広げ風と水から運ばれる様々な情報を僕は感じてる
僅かな振動、それは音だったり声だったり
そうして知り続けるんだ
知る事で正邪を見極められる為に
善悪を弁えられるようになる為に
生まれ変わった僕は一粒の種子になった........」
グリーンは少し微睡みながら言った。
「僕は知ってる
君が誠実な事も、優しい事も......」
グリーンがエディーの膝を枕に眠ってしまうとエディーはそっとグリーンの髪をいつまでも撫でた。
『グリーンはそれから、時々ボクの部屋を訪れるようになった
彼はボクにとって、どんな情報と知識が魅力的なのかをよく弁えていて、興味深い話を沢山聞かせてくれた
非常に奇妙な関係ではあったけど、いつかボクは彼が訪れるのを心待ちにするようになっていた
時折、困惑したような表情を浮かべて見詰められるのが気になったけれど..............』
読んで戴き有り難うございます。
最近、どーも腰が曲がって来たような気がするんですよね。
白髪も増えて、前髪掻き上げるともう真っ白。
できたら腰は曲がりたくないなあ。
6月は私の誕生月なのですが、この歳になると誕生日なんて祝う気もしませんね。笑