突然の告白
読んで戴きましたら倖せです。
将来、童話作家になりたいエディーは、かなりの活字中毒で、今日も学校から帰ると自室に籠り本を読んでいた。
何度目かのワイルドの「倖せの王子」に熱中していると後ろのベッドが軋んでエディーを呼ぶ声がした。
エディーが振り返るとベッドにグリーンが脚を組んで座っていた。
「グリーン、キミ..........」
グリーンは膝に肘をついて頬杖をついた。
「そんなに見詰めないでよ
君に見詰められるのと妙な気分、いつも見詰めるのは僕の方だから........」
エディーは本を閉じるとグリーンに向き直った。
「もう一度逢えると思ってた
ずっとキミのこと考えてた........」
グリーンは少し興奮して言った。
「本当に?
それは凄く嬉しいよ」
エディーは構わず続けた。
「キミが人間じゃないのはよく解ったよ
キミの目的は何?
どんな物語を読んでもキミのような存在が目的も無く人間の前に姿を現さないんだ」
グリーンは立ち上がり、つまらなそうに言った。
「なーんだ、そっけないの
未来の童話作家はもっと歓迎してくれると思ってたのに」
グリーンが近付いて来るとエディーは慌てた。
「なに.......?
今度は何をする気? 」
グリーンは立ち止まった。
「エディー、君は僕が怖いの? 」
椅子から身を捩って立ち上がろうとしたエディーはバランスを崩し、悲鳴と共にひっくり返り椅子からずり落ちた。
グリーンは笑い、手を差し出しながら言った。
「ごめんよ、怖がらせて
だけど君、相変わらずドジだね
小さい頃からよくこけてたっけ........」
「一言多いよ」
エディーは恨めしそうな目を向けて差し出されたグリーンの手を掴んだ。
「別にキミを怖がってた訳じゃない
今日一日大変だったんだ」
グリーンが思い切り手を引くとエディーは勢いよく立ち上がった。
「視力を回復してくれた事には取り敢えず感謝するよ、有り難う
だけど、お蔭で同じ質問の嵐でうんざりさ
エディー、眼鏡はどうしたの?
エディー、眼鏡は?
終いに人の顔が九官鳥に見えて来た
まさか、オカマのガーディアンに治して貰いましたなんていえないだろう? 」
エディーは開いていた窓に腰かけた。
グリーンは反省しながら言った。
「ごめんね、そんな大変な目に遇わせちゃって
忘れてたよ、人間って自分たちが決めた事以外信じないって事」
エディーは首を振った。
「ごめん
ボクの方こそ八つ当たりしたんだ
嘘をついてしまったのが凄く残念だったから」
エディーはため息を吐いた。
「ボクは嘘が嫌いなんだ」
グリーンはすかさず言った。
「知ってる..........」
「平気で嘘が言えるのは決して誠実じゃないだろ
嘘を一つつくとその嘘を正当化する為にもっと多くの嘘が必要になる
ボクはそれほど利口じゃ無いし、誰かを傷付けるのでなければ、嘘はできるだけつきたくないんだ」
『嫌だな、どうしてこんな嫌みな言い方しちゃうんだろ
責めるつもりなんて無かったのに........』
そう思いながらエディーは少し落ち込んだ。
グリーンはエディーとの距離を縮めながら言った。
「知ってる.......
君の事なら何でも
多分君以上に.........」
グリーンはエディーの目の前で足を止める。
「ねえ、純粋であればあるほど不思議な吸引力がある事を君は気付いているだろうか」
グリーンはエディーに抱き付いた。
「エディー、告白するよ
僕は君に惹かれてる
愛してる、だから.......」
「なっ........!
えええええーーーーっ!? 」
グリーンに抱き付かれたエディーは驚き、後退りする。
それに構わずグリーンは強引にエディーを抱きすくめる。
エディーは慌てて言葉でグリーンを制しようとした。
「ちょっと待っ........!
グリーン、キミ男だろ!
気持ちは嬉しいけど、じゃ無くて!
ごめん、ボクにはそんな趣味は無くて........」
グリーンは迫りながら言う。
「それってつまり性別の事だろ、なら拘るのは無意味だよ」
頬を摺り寄せるグリーン。
「どうしてそんな事言い切れるの!?
わっ........!! 」
エディーはグリーンの勢いに圧倒されてつまずきグリーンを巻き込んで後ろにひっくり返った。
グリーンの身体がエディーの上に降る。
グリーンは手をついて上半身を起こしエディーの目を覗き込んで言った。
「それは肉体の役割でしかない
肉体が無ければ生命体でしかないんだよ
生命体そのものに性別は無いんだ
生命と云う単位を基準に考えれば、本当に必要なことが解るよ」
グリーンの目は悩ましいほど艶っぽくてエディーの抵抗力を一瞬停止させた。
その隙をついてグリーンは目を閉じエディーの口唇に口唇を押し当てる。
一瞬エディーはその口唇に反応しかけたが、急にハッと我に返りグリーンの身体を押し上げ顔を背けた。
「嫌だっ!! 」
『しっかりしろエドワード・カートランド!
仮にも彼は男!
なんだぞ、それに...........』
「ボクはジーニー以外の人とはキスできない」
「ジーニー..............」
何気に見たグリーンは、今にも泣きそうな顔で途方に暮れたような目をしていた。
読んで戴き有り難うございます。
今日は娘と一緒にYouTubeの動画で「呪術廻戦」の五条悟様のダンスを堪能いたしましたあ。( ≧∀≦)ノ
この世に美少年ある限り、楓海さんの萌えは不滅です❗❗