|1.物語の始まり
新シリーズです
よろしくお願いいたします
転生系は初めてなので暖かい目でお願いします
今となっては遠い記憶
これが始まり
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コンコン...
「失礼します」
1人の若い男が入ってくる
「旭川先生こちらがデータです」
そう言って男はタブレットを渡して指を指す
「そ、ありがともう戻ってもいいわよ」
簡素な返事を返すと彼は
失礼しました、といって出ていった
「さて」
私はまだ終わっていない作業に戻る
ここは東京の一角にある芦戸研究所
私はここで命を落とすことになる
これからの事態によって...
一通りの作業を終え
私は助手にいつものを頼む
「どうぞ」
助手は私の机にコーヒーを置くと
直ぐに自分の持ち場に戻った
置かれたカップに口を付けると
聞きなれない機械音が耳を刺す
そこからの記憶はない
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気づくと私は白い箱の中にいた
辺りには様々な花が咲いている
「あら、起きたのね」
金髪の女性に声をかけられる
その横にはオレンジ髪の小さな少女がいた
「ここは一体?」
状況が掴めず困惑していると
彼女たちから口を開いてくれた
「ここは素晴らしいとこよ」
思っていた回答とは違うことにさらに困惑する
それを見て今度はオレンジ髪の少女が答えてくれた
「ここは、そうですね、相談部屋みたいな所です」
全く意味がわからない
「ささ、こっちにいらっしゃい」
手招きされた先は洋風な机と椅子に
可愛いお菓子が置かれていた
「まず率直に言うとあなたは死んだわ」
「ストレートすぎますよ」
思わずつっこみをしてしまったが
となるとこの方は神ということなんだろうか?
「まずは私たちの話を聞いて」
黙って頷く
金髪の女性はニコッと笑い話を進める
「私は美の神そしてこっちが生命の神よ」
ほーそりゃ凄い
通りで美人なわけだ
「そして貴女が天界で話題だからこちらに呼んだの」
「私が、ですか?」
「そうよ」
ここに来てから疑問符しかわかないな
なぜ私が?
「面白いからよ」
心が読めるのか理由を応えてくれたが
ベストアンサーには出来ない
「努力を怠らないとこ、それに」
「貴女が可愛いからよ」
「へ?」
隣の神も共感して首を激しく振っている
「それでね貴女にいい話があるの」
全然納得できないがこの際そんなことはどうでもいい
「転生してみない?」
私は唖然したぽかんと口を開ける
聞いたことはあるしなんならよく知っている
これでも割とゲームが大好きなのだ
どうせ死んだんだったら
新しく人生を送っても悪くないと思う
「したいです!」
「そうじゃあ早速」
話が早すぎる
「待って」
生命の神が割って入る
そしてごにょごにょと美の神と話す
「なにか願いはある?」
なるほどそういうことか
少し考えてから
「特にないです」と告げる
別に暴れ回りたい訳でもないので
能力などはいらない
「そう、なら私からは20歳から不老しない力を」
と美の神
「私からは長生きできる力を」
と生命の神
「ありがとうございます」
「それじゃ頑張ってね」
こうして無駄のない神との対談が終わる
全然説明とか無かったけど大丈夫かな
心配しかないけど信じるしかない
「あんなんで大丈夫だったの?」
「大丈夫でしょ!」
全くやれやれな神様だ
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「・・・・・・ん」
確実に軽くなっている体を起こし
ベットから出る
「おはようシロエ」
白髪のイケメンな男の子
5歳年上のお兄ちゃんだ
「おはようございます、お兄様」
そして今日は15歳の誕生日を迎える
シロエ=カフェチーノ
ちなみに兄はフレイ=カフェチーノ
「「おはようフレイ、シロエ」」
2人の声が重なる
「おはよう父さん母さん」
「おはようございますお父様お母様」
さて朝食だ
今日、家を出ることを決めた
相談はまだしていない
なかなか言い出せなくてそのまま寝てしまったのだ
「お父様お母様、相談があります」
「なぁに?」
お母様が食器を持って聞いてくる
多分一番悲しむのはお母様だ
「家を出たい」
「・・・!」
お母様はそれを聞いた途端食器を落としてしまった
「覚悟をしていたことだろう母さん」
肩を叩きながらお父様が言う
「そうね」
「父さんも母さんもシロエの強さは知ってるでしょ?」
とフレイもフォローしてくれる
「それに私やりたいことがあるの!」
お願い?と上目遣いで母を覗く
「絶対帰ってきてね!それと手紙を毎月送ること」
わかったよと母を慰めてから支度をする
私は大きめの帽子を被り
腰まで伸ばしている白色の髪を抑え
別れを告げる
「それじゃ行ってきます」
「頑張れよ」
お兄様からは狙撃と戦闘、駆け引きを教えてもらい
「お前ならやれるよ」
お父様からは鍛冶と剣術、建築に加工を教えてもらい
「またねシロエ」
お母様からは魔法と火事、裁縫を教えてもらった
そして
おじい様と
植物、動物の育成を
おばあ様からは
座学に医療、体術を
私はこれまで支えてもらってばかりだった
成人になった私は今日カフェチーノ家から自立する
大きく手を振り憧れの街まで歩き出す
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