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生まれた時から好きでした  作者: ジングルベル
6/8

光の姫様 その5

 前世で高校生だった俺は、野球部に入っていた。

 野球以外に取り柄が無いから、野球では負けたくなくて頑張って練習した。練習以外の雑用もよく引き受けた。学校に行く理由は友達と野球だけだった。

 でも野球が大好きなのかと言われると、言う程めちゃめちゃ好きな訳でもなかったと思う。もちろん好きだけどそれよりも、なんにもできないのが嫌だったんだと思う。


 活躍できるようなことならなんでも良かったのかもしれない。ふと、そのことに気付いてしまった時があった。

 部活は終わってるのに、こうやってわざわざ雑用してまで、俺は活躍できるフリをしたいのか?

 自分自身から急にそう問われて、今まで役に立つことで味わっていた達成感は一気にどこかへ行ってしまった。

 その時顔を上げると時計は6時半を回っていて、校舎の窓の明かりは殆ど消えていた。空はなんだか濁った色をしている。目を閉じて耳をすましてみても、風で揺れる松の木の音しか聞こえなかった。


(俺1人で何やってんだろ)


 手からするりとトンボが抜け落ちた。

 そのまま早足で更衣室に向かう。

 さっさと着替えてさっさと帰ろう、もう今日は疲れた。


 そして更衣室のドアノブに勢いよく手をかけようとした時。


 ガチャッ


 その隣の扉、つまり女子更衣室の扉が開いた。


「うわっ!」

「わっ!」


 だいぶ驚いた。もう誰もいないと思っていたから。

 そして向こうもそう思っていたらしい。


「あー、ビックリした。ごめん、もう誰もいないと思って」


 その扉から出てきた女子は笑いながらそう言った。

 あ、いやこっちこそ、と俺も合わせて笑った。

 すると女子はヒラっと手を振ってじゃあね、小坂君、と言って去っていった。


 俺はそのまま更衣室に入ったが、なんとなく着替える気になれずぼーっと突っ立っていた。

 なんだ、俺以外にもいるじゃん、この時間に残ってる生徒。

 そして校庭にトンボを置きっぱなしだったことを思い出し、着替える前にもう一度校庭へ片付けに戻ることにした。


 次の日、いつも通り教室に行くと、昨日鉢合わせた女子がいた。

 俺は軽くビックリした。昨日は暗くてよく顔が見えてなかった、というか動揺していてちゃんと見てなかったが、同じクラスの人だったんだ。


 その女子は、莉原理沙という名前だった。

予定より2週間遅れだしめっちゃ短いけど絶対エタらせはしない

とりあえず次回は5/2(土曜)夜8時半くらいに投稿しますがアテにしないでください

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