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アニメキャラクターVtuberに必要なもの

作者: 天宮イズミ

推しがこちらを見ている。オタクはアニメキャラクターとの双方向コミュニケーションが実現した時に昇天するであろう。しかし現時点ではまだその域に達していない。今はまだ、演者が推しの皮を被ってあんまり推しと関係ない活動をしている。


何のことかって?vtuberの事である。


アニメ発vtuberがそこらのvtuberと同じ事をしてはいけないだろう。プロがアマの土俵で勝負してはいけない。アマの数の暴力に負ける。勝負すべきベクトルが違う。


アマは中の人の魂、すなわち演者自身、それにアバター 、両方が融合して、そのvtuber固有の魅力を作り上げている。それをプロが真似すると。キャラクター設定の粗さ、煮詰めの足りなさ故に薄くなり、個性が弱くなるのである。アマは強烈な個性を持っている。当然である。本人の全力を晒しているのだから。対して、アニメキャラクターは綺麗である。無難である。キャラクターへの踏み込みが甘い。キャラクターが汚れる事を恐れている。だからリアリティが出ない。理想に終始して我々の目線まで降りてこない。泥臭くない。面白くない。生温い。チャレンジャー精神が足りない。


世界で一番好きな事を誰よりも楽しむ、そんな時に魂は輝く。よい動画が撮れる。アマは本人が楽しむ。プロはキャラクターが楽しむ。面白そうな事を!一生懸命に!全力で!攻める!勝負!


プロはプロの根性を見せなければならない。つまりはキャラクターを完全に理解してキャラクターになりきるのである。アドリブ100%である。キャラクターは仮想の、しかし現実と見まごうかの世界に、生きている。そこに確かに存在しているのである。キャラクターを白い空間に押し込めてはいけない。キャラクターは生きているのだから。向こうの世界を完全再現する。作り込みが命である。設定と背景を練り込んでストーリーを作り上げる。YouTubeの画面は我々の世界とキャラクター世界を繋ぐインターフェイスである。


推しがゲーム実況をしてどうするのだ。こっちはマインクラフトが見たいのではなく、マインクラフトをしている推しの反応が見たいのである。何かある出来事を通じ、推しの新たな一面を発見し、萌え萌えキュンキュンし、さらに推す事を胸に決意するのである。推しは己の肉体を用いてバトルするのである。酒呑童子である。かのキャラクターはどんな日常を送っているのか?かのキャラクターは我々とどのように接するのか?リアルタイムなパーフェクトコミュニケーションである。生放送するのである。アニメキャラクターと話せるのである。画面の向こうのキャラクターを再現する。そう、アニメキャラクターは生きている。


想像力が必要だ。あなたの好きなキャラクターはどんな風に配信する?どんな動画を作る?キャラクター目線である。周りの人がどんな動画を作ってるとか、どんな動画が人気だとか、どうでもよいのである。そのキャラクターの個性と魅力が最大限発揮されればよいのである。演者はいないのだから、設定の細やかさが完成度を左右する。酒呑童子は酒を飲むだろう。どんな酒を飲む?なぜ?いつ飲む?どこで飲む?誰と飲む?一回でどのくらい飲んで、酔いつぶれるのは何時頃だろう。考えておかねばならない。生きているのだから。当たり前のようにすらすらと出てこないといけない。かのキャラクターならば何を言いどんな行動をするか。声優の腕の見せ所ではないか。声優は俳優になるのである。アクターである。全て想像しておかねばならない。


アニメキャラクターがvtuberと違う点は中身が明確に存在する事である。中の人ではない。演者ではない魂が存在する。原作者の、アニメ脚本の、キャラクターデザイナーの、それぞれの思い描く理想像である。声優はそのあるべき姿を再現する。キャラクターはその出自性格に基づきストーリーに沿った行動をする。演者はトレースする。キャラクターは当たり前に生きている。仮想世界を常識のごとく語らねばならない。頭を捻らねばならない。


アニメ発vtuberがいまいち垢抜けないのはそのアニメキャラクター固有の事が出来ていないからではないのか。魅力は出ているか。考えて見てほしい。

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