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ラーセ防衛戦...2

何とか、土曜日投稿守れました。(汗汗)

今回は、アイノとヴィだけです。

なるべく、隔週土曜日で頑張ります!

また、読んでいただけると、大変うれしいです。

拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。


「はぁ、はぁ・・・・・・」


私は今、ただ走り続けている。


「はぁ、はぁ、ちょっ・・・・・・」


周りに生い茂る木々その間を縫うように斜面を駆け下り、時々木の根や草に足を捕られ体勢を崩して転びそうになるけど、ちょっとでも速度を落とすとそのまま置いて行かれてしまう。


「はぁ、はぁ、ねぇ・・・ア、アイ・・・・・・」


え? 何で走ってるかって? それは、私が聞きたい事よっ!

ヒンダルフィヤ山脈の異常(?)の原因を、ちゃちゃっと確認して今日中に街へ向けて帰るはずで---。


「はぁ、ね、ぇ・・・ちょっ、ア、アイノ、ってば・・・・・・」


真っ直ぐ前を向いたままで、一心に前へ前へと進み続けるアイノは、此方の呼びかけにも振り返る様子が無い。 仕方ない・・・じゃあ、少し前を走ってるオーロフに---。


「はっ、はっ・・・オ、オーロ、はぁ、はぁ・・・」

「ふぅ・・・ふぅ・・・ヴィ、ふぅ、今は、黙って、走れ」

「で、はぁ、でも、はぁはぁ・・・」


何よっ! 何も説明されないまま走らされて・・・でも、あの時のブレナンの様子って、有無を言わせない、張り詰めた、怖い雰囲気で・・・それにジークも---。


「ほらっ! あんた達、しっかり付いといでよねぇ」


そう一言、私達を振り返る事も無く前を向いたまま---。


「ちょっ、ちょっと・・・もっ、もう少し・・・ゆっ、ゆっくり---」

「馬鹿な事言ってんじゃないさねぇ。 兎に角、ラーセまで急ぐんだよ」


そう言うと、更に速度を上げて走り始めた。 オーロフでさえも付いてくのがやっとの様な速度・・・私やターニャ、コゥにとってはもう限界に近い状態で・・・・・・。



◆◇



私は今山脈から抜け、平野部をひたすら走り続けている。 体中枝で打ち付けられ、擦り傷や打ち身だらけ・・・洋服も(少し気に入ってたのに...)所々破れて血が滲んじゃってる。

途中何度も魔物と遭遇したけど、牽制し相手が怯んだら、そのまま置き去りにして走った。 足を止めたのはその時だけ・・・そして、高かった日も今は沈み辺りは、月明かりに薄く照らされ---。


「ね、ねぇ・・・はぁ、はぁ・・・・・・」

「・・・」


私も走り続け疲労と、その走り続ける事に、説明が無い事にイライラが---。


「あぁ、もうっ! いい加減にしてよねっ!」


つい、口から言葉が出、その場で足を止めてしまった。

私の言葉を聞いて、他のメンバーも足を止め、アイノが振り返り声を掛けて---。


「ほらっ! あんた達、しっかり付いといでよねぇ」

「ちょっ、ちょっと、ぜぇぜぇ・・・もっ、もう少し、ぜぇはぁ・・・ゆっ、ゆっくりと---」

「馬鹿な事言ってんじゃないさねぇ。 兎に角、ラーセまで急ぐんだよ」


そう言うと、アイノは再び走り出そうと---。


「でっ、でも、はっはぁ・・・り、理由も、んくっ・・・き、聞いてないし---」


アイノは再度振り返り---。


「はぁ~~、ヴィあんたねぇ。 いいから黙って、付いて来れば良いんだよ。 死にたくないならねぇ」

「はぇっ? えっ! 今何て---」

「ああ、はいはい。 街に着いたら、教えたげるさねぇ。 喋る元気があるなら、さっさと付いといで!」


そして、再び走り出して行き、残りのメンバーも追随して行く。

一人残された形の私は---。


「ちょっ、ちょっと、アイノ! アイノォォォッ・・・・・・」



◆◇



空が白みだした。 夜が明ける・・・そう、あれから夜の間も走り続け、漸く目の前にラーセの城壁が見えて来た。 あと少し、あと少しで・・・・・・。


「ふぅ~、あと少しだねぇ」

「ああ、そうだな。 しかし、体に堪えて仕方がないぞ」

「あらあら、普段から鍛えてる割に、情けないこったねぇ」

「あれは、魔物相手に後れを取らん為で、夜通し走り続ける為ではないぞ」

「まあ、そのお蔭で遅れずに、此処までこれたじゃないさねぇ」

「ぐむぅ・・・」

「ほら、あんた達も、よく付いてきたさねぇ。 あと少し、頑張っとくれさねぇ」

「ぜぇ、ぜぇ・・・よっ、よく・・・言う、わよ・・・」

「「・・・・・・」」


そして、日が顔を出した頃一番に、ラーセの門を潜る事が出来、確認も程々に駆け抜けていく私達、門番も怪訝な表情だった。 門を潜って街中に入ったところで、やっと休める!っと思ってたら・・・アイノはそのままの足でギルドへと向かって行った。

私達も付いて行かない訳にいかず、休みたい気持ちを抑えて付いて行った。


ギルドに着くと直ぐ中に入りアイノが受付で、受付嬢と一言二言会話を交わし別室へと案内された。

部屋に入り座って待っていると、ラーセのギルドマスタが入ってきた。

前に会った時と同じで、事務方っぽい容姿と、痩せぎすな体型と神経質そうな目で---。


「ああ、そのままで・・・確か一度会ったと思うが、ギルドマスタのキルスタンだ。 で、君はブレナン、だったか・・・その仲間だね? で、何があっんだね? 受付から概要は聞いたが、詳しく話を聞こうか・・・」


立ち上がりかけたが、上げかけた腰を下ろし直して---。


「はい。 ”新しい絆(ノヴァ ネクサス)”のアイノです。 では・・・」

「どうした?」

「あ、いえ。 (ふぅ~)・・・ヒンダルフィヤ山脈での異常調査の為、私達チームは一昨日から向かっていました」

「ああ、それは前もって、その旨聞いているが」

「はい。 そして昨日昼頃、中腹にて・・・巨人族と遭遇---」

「ん? ちょ、ちょっと待て、今巨人族といったかね?」

「(すぅ~、はぁ~~~)そうです。巨人族と、魔物の大群が・・・この街へ侵攻して来ています」


緊張した声音で、アイノが静かにそう告げる。


「なぁっ! そ、それは・・・ま、間違い、ないん、だね?」

「はい。 私が直接確認した訳ではありませんが、リーダーであるブレナンが確認し、私以下今同席しているメンバーと共に、この情報を逸早く伝える為・・・その場を離れ、いえ・・・・・・逃げ帰りました」

「そ、そうか・・・それは・・・・・・いや、無事、情報を伝えてくれ、ありがとう」

「・・・」

「その・・・ブレナンは---」

「彼は、リーダーは、現地で情報収集・・・(ふぅ~)。 敵の、そう敵の戦力把握の為に残りました」

「そ、それは---」

「信頼できる仲間2人と一緒ですし、無駄死にする性格ではありませんので、有益な情報を持ってそれ程かからず、この街へ戻って来ます。 必ず・・・」

「そうか・・・信頼、しているんだね」

「・・・」

「よし、分かった。 では、君が聞いた。 伝言された事を、もっと詳しく話して聞かせてくれ。 今回の異変の際には、巨人族が多く目撃されている。 誤報と言う可能性も無くは無いが、真実であった場合の対応の遅れが街の滅亡に繋がる。 報告内容を元に領主様へ報告と、平行して斥候による情報の裏付けをさせよう。 冒険者への非常招集、防衛体制の構築と、これからやる事が山積みになるな」


巨人族の侵攻をギルドへ報告・・・走り続けた理由が、私達に説明しなかった理由が、コレ?

えっ? じゃ、じゃあ、ジーク! ジークは、そんな危険な所に残って・・・う、ううん。 ジークは、そうよっ! そんな事で・・・そうよ。 ジークは---。


話し合いは短時間で終えられ、ギルドマスタは直ぐに領主へ報告へ向かった。 向かう前に職員を呼び寄せ、斥候の山脈方向への派遣が指示されていた。

また、冒険者への非常招集・・・と言うか、強制依頼の発行は領主様への報告後のようだ。


マスタとの話が終わった私達は、そこでお役御免になったわけで・・・マスタの退席後に少ししてから部屋を出ると、ギルド内は蜂の巣(アルウス)を突いた様な騒ぎに包まれていた。


まあ、まだとは言っても、ギルドマスタが慌しく職員に指示って言うか、あの慌てようと声の大きさじゃねぇ・・・部屋に居ても聞こえてきたし。 丁度ギルド内に居た冒険者達は、強制依頼が発行され、防衛体制が構築される事、と言うよりも数年、ううん数十年振りの巨人族の襲来に、騒ぎにならない方がおかしいわよねぇ・・・。


まあ、私達は元々ラーセのギルド所属では無い為、強制依頼は適用されず、不参加によるペナルティーは無い事、この後の行動の自由は保障される。みたいな事が、マスタとのやり取り内にあったって、後でアイノが教えてくれたけど、ただ話の流れのでは出来れば、防衛への協力を求められたみたいね。


「さてぇ~、う゛うぅ~~ん。 やっと、緊張から解放されたさねぇ」

「だが、これからどうする?」

「どうするってねぇ~~。 あたいらには、何も出来ないさねぇ」

「だがなぁ・・・」

「あら? じゃあ、オーロフだけ参加しといでさねぇ。 あたいはブレナン達の帰還を待って、何時でも街を離れられるよう準備しとくさねぇ」

「まっ、まだ何も言っとらんだろうが!」

「あ~、はいはい。 さっ!あんた達・・・って、何しけた顔してんだぃ?」

「「「・・・」」」

「まあ、仕方ないさねぇ~。 あたいらに遅れないよう、昨日の昼から夜通し走ったしねぇ」

「おい! 無視するな! アイノ---」

「さあさあ、戦闘馬鹿は放っておいて、何か食べてから宿屋で少し休むかねぇ。 と言っても、周りがこの騒ぎじゃ、休めるもんも休めないだろうけどねぇ・・・」

「「「・・・」」」

「だぁからっ! アイノ、おいっ! あっ、コラッ!置いて行こうとするなっ!」


アイノは努めて垢抜けた雰囲気で、声を掛け、気にしてくれているのが分かる。 分かるけど・・・私よりもターニャとコゥの表情が、事態の深刻さと恐怖を如実に表していた。

コゥなんてターニャの服の裾を掴んで、青ざめて少し震えてるもの・・・ターニャも気丈に耐えてる感じで・・・。

ねぇジーク・・・大丈夫とは、思うけど・・・・・・お願い!無事に、帰って来てね?

そう願いつつギルドを中心に、徐々に慌ただしくなっていく街中を、ひと時休むべく重い足取りで、人ごみの中に消えて行った。



◆◇



私達が帰還してから3日間は、何事も無く過ぎ去っていった。 その間も人々は慌ただしく動きまわり、私達も日に1度、ギルドで状況の確認を行い。 現状は斥候による情報の裏付けと、平行して状況の確認に努めているようだった。 そして、4日目の朝---。


「ふぁ~っ、んふぅ~~~」

「おいっ! 厳戒態勢下だぞっ! 気を抜くんじゃないっ」

「っ! だっ、だってよぉ。 冒険者からの報告を受けて、昼夜問わず警戒しているが3日経っても、巨人族の影も形も---」


自分を叱責した同僚へ抗議しようと振り向くと---。


「あ、あぁぁ・・・」


先程自分を叱責した同僚は、城壁の向こうを指さし、声にならない声を出している。


「おい、どうした、ん、だ・・・っ!?」


同僚に声を掛けつつ、指さす先を見ると・・・呆けてる同僚に構わず、兵士はすぐさま駆け出した。

まだ日が昇りきる前の静寂の中、兵士が鳴らした警鐘の音が街中に響くのだった。


そう、朝日に照らし出される先、城壁の上で警戒していた兵士の視線の先には、まるで其処だけ夜の闇を切り取ったかの様に、巨人族と魔物の群れ、いや軍隊が波の様に迫る風景が広がっていた、


ラーセ防衛戦開始である。


To be continued...

次回から、グロが増えてくる?はず・・・><;(汗

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