討伐...5
年末年始、連続投稿5日目です。
あけまして、おめでとうございます。
今年も掲載を続けますので、面白いと思っていただければ幸いです。
評価やコメントも頂けると、今後の励みになります。
拙い文章力ですが、引き続き書き続けますので、よろしくお願いします。
<毎週土曜日掲載>
俺達は討伐を終え、一路サロの街に帰ってきた。
ギルドに顔を出すのは明日にして、今日は無事帰れた事への感謝と、ひと時の食事と寝床を堪能するのだった。
・・・って!
「おい~~~、ジークゥ~~~? 飲んでるかなぁ~~~? んん~~~~?」
「がっはっはっはっはっ! 愉快だっ!愉快だぞぉぉっ!」
「ボソ・ボソボソ・・ボソッ・・・」
この酔っ払い共め------------っ!
飯食って帰って、早めに寝ようと思ってたのに・・・
「スヴェンッ! 辛気臭いがぁ~、今日は饒舌だなぁ~~おいっ! んぐっんぐっ、っぷはぁ-----っ!」
「オーロフ、飲みすぎらろぉ~~~。 ひっく」
「何を言っとるか! 飲みすぎどころか、見よっ!この大胸筋おぉぉ-----っ! ぬんっ!はぁぁっ!!」
な、何だこの酔っ払い共は・・・・・・
いくらタダ酒と言っても、限度ってもんが・・・って、オーロフこっち向かってアピールすなっ!
何が悲しくて男の裸なんぞって、ぴくぴくさすなっ!!
はぁ~、討伐より疲れる。
あの討伐から無事に街へ生還し、そのまま”若木亭”の酒場に雪崩れ込んだ次第だ。
最初はお互いの無事と、街の無事を祝ってそれなりに、そう、それなりに飲み食いしていたんだ。
ただ、酒が進むうちに、今ではこの様だ・・・。
「こるぁ~、ジ--ク---ぅ? 飲んでないぞぉ~~?」
「ちょっ、ブレナン。 飲みすぎじゃないか?」
「ぉぉおん? そんら、ことりゃいぞっ! ほりゃっ、っととと」
ガッシャ--ン! カランカラン・・・あぁ~あ、女将さんが睨んでるぞ。
「っつつ、ほりゃな? りぇんりぇん、へいきだぞっ! ひっく」
「おぉっ! いいぞ、いいぞ! ブレナン、もっと飲むぞぉ----っ! がぁははははっ」
「ボソボソ・ボソ・・ボソ」
「よっしゃぁ~~、もっかい乾杯だぁっ! ジークもほれっ! はははっ」
ダメだこりゃ、まあ命を懸けた戦いの後だし、こんなもんなのかな?
って、タダ酒が飲めるからだけのような・・・・・・(ジト目)
そんな感じで過ごしていると、ふいに声を掛けられた。
「おっ! ジークじゃないか」
「あっ! グラートに、ガンツ、マリュウ! 久しぶっ!」
グラートがこっちに歩いてきたと思ったら、ごっつい腕で抱きかかえられて・・・
いたいっ、痛いって! はなせっ、放してくれっ!
ガンツもマリュウも、外で笑ってないで、止めてくれ----っ!
「おうおう、元気そうだなぁ~。 まあ久しぶりって言っても、4~5日前だが元気にしてるみたいだな」
「あ、ああ、ひょっとして、グラート達も今日の討伐に・・・」
「当たり前だ! 稼げる時に稼がないで、なにが冒険者だっ! だろ?」
って、ウィンクすなっ!
「ま、まあ、そうだな。 ”Ⅲ:トレース”だったもんな」
「おう! にしても、あの訳の分からん爆炎には驚いたな」
・・・すいません。 犯人は、俺です。
「俺らは後方にいたから、直接の損害は無かったが、あの爆風で吹き飛ばされたしな」
・・・重ね重ね、すいません。
「おっ? ブレナンじゃないか」
「おおっ? おぁ、グラートじゃねぇか。 くたばってなかったかぁ~。 ひっく」
「ご挨拶だなぁ~。 大分、出来上がってやがる。 なら俺らは、別な店に行くか。 ジーク、じゃあな」
「ああ、またな」
色々あって新規登録の時以来、合う事も無かったからな~。 そうか、参加してたのかぁ~。
一時でも知り合った者が、傷ついて倒れるのは嫌だからな。
さて、この酔っ払い共をどうしようかと考えつつ、改めて食事を再開するがそんな時間も、過ぎればあっという間で、酔っ払い組みも机に突っ伏している。
「うぅ~~、もういっひゃい。 ひっく」
「がぁ~~、ぐごっ! がぁ~~ぴゅぅ~~~~」
「・・・・・・」
はぁ~、女将さんに手伝ってもらって、3人を二階の部屋へと運び、お礼を言って自分も部屋に行く。
なんだかんだと、濃い1日がこれで終わった。
はぁ~~~~~、ほん、と~~~~~に、疲れた。 色んな意味で・・・
ベッドに倒れこむと、そのまま眠りに落ちて・・・・・・
◆◇
翌朝、若干昨日の疲れというか、お酒が残った状態に感じるが、別に飲みすぎた訳じゃないので、この後の活動に支障が出るほどでもない。
部屋を出て下に降り、女将さんに改めて昨晩のお礼を言い、ギルドに向けて歩き出すのだっ・・・
「ぅ゛ぅ~~~~」
えっと・・・さっ、歩き出すの・・・
「ぅ゛ぅぅ~~~~~」
二階へ上がる階段から、怨嗟のような唸り声が聞こえる。
まあ、大体正体と原因は分かるけど・・・はぁ~~~。
「おはようっ! ブレナン! オーロフ! スヴェン!」
振り返って大きな声で挨拶すると
「ぁあっ! ぅぅ・・・大きな声は、止めてくれぇ~~。 ひ、響くぅ~~」
「ぉぉぅ、そうだぜぇ・・・ちっこいのぉ~~~」
「・・・・・・・・・」
死んだような顔で頭を押えながら、三人が手摺に捉まりながら下りてくる。
「はぁ~、おはよう。 完全な、飲みすぎだな」
「ぅぅ~、タダ酒と思って、調子にのり過ぎた。 うぷっ」
「ぁぁ、違いない。 こいつは、ちとキツイな」
「・・・・・・」
女将さんに水を一杯頼み、三人に出してもらうと、一息に飲み干していった。
「っくっくっく、ぷはぁ~~~。 ちぃと、マシになったか」
「だな。 まだ頭が痛いが、まあいいだろう」
「・・・」
「さあ、ギルドに行かないと、報酬の受け取りや報告と、やる事は多いはずだろ?」
「だな。 うぅぅぁあっ、じゃあ行くとするか」
少しだけ生気を取り戻した三人と連れ立って、冒険者ギルドへようやく向かうことができた。
が、とにかく歩みが遅い。 途中で止まり止り、ふらふら、よろよろしながら、ようやくたどり着いた。
扉を抜けて中に入ると・・・ここもか、と言うより、他の連中もか・・・・・・
一応起きているが、死屍累々の様相で、酷い顔をした冒険者ばかりだ。
まあ、それらは無視して、受付に向かうことにする。
ブレナン達は報告のため、マスターに会いに行くので、一旦分かれることになる。
「おはようございます」
「おはよう」
「ジークさん、昨日はお疲れ様でした」
「ああ、えっと~・・・登録と資料室の時の」
「はい! あっ、名前を言ってませんでしたね。 わたし、モイラって言います!」
な、なんか、キラキラした目で見てくるんだけど・・・何で?
「ああ、ええっと、受付いいかな?」
「あっ、すみません。 本日は、どういったご用で」
「討伐依頼は受けてないけど、この前の講習の際にゴブリンを、偶発的に討伐したんだけど・・・これって、報酬とかでるのかな?」
「はい。 依頼が無くても、魔物討伐は随時発生します。 ですので、討伐証明部位があれば、報酬をお支払いすることは可能です」
よっし! ダメって言われたら、どうしようかと思ってたけど、よかったぁ~~~~。
「では、討伐部位の提出をお願いします」
・ゴブリン:討伐部位 耳×3
「確かに、ゴブリン3体分ですね。 では、銀貨3枚となります」
ほえ? 銀貨3枚? えっ、宿に7回泊まれるよ?
はっ? 討伐って、えっ?
「どうかされましたか?」
「いや、なんでもない。 ははっ」
はぇ~~、冒険者が魔物狩に、躍起になるわけだ。
チクッ・・・
胸の奥で、僅かに痛みが走った。
・・・そうか、そうだよな。 前世の記憶と、容姿が人になったことで忘れてた。 俺も、狩られる側で・・・
「・・クさん!」
「・-クさん!」
「ジークさん! どうされたんです?!」
「はっ! 呆けてた。 はは、はははっ」
「もう! 心配させないでください!」
頭を掻いて誤魔化すが、いかんいかん・・・
「初めての討伐報酬で、ちょっと驚いてたんだ」
「ほんとですかぁ?」
しまったな~~。
てか、何で下から見上げてるんだ? ん~~?
あっ! これも、見て貰わないと!
カウンターに、緑の宝石(?)×3を出す。
「それと、すまない。 これなんだが・・・」
「はい? あっ、魔石ですね」
「魔石? すまないが、これは何なんだ?」
「えっ? ご存知無いんですか?」
「あ、ああ、教えてくれないか?」
「えっと、これは魔石と言って、魔物の体内で真名が固まった物です」
「これはゴブリンのもので、質は良くないんですが、低級魔道具によく使われるので、比較的需要は多いんですよ」
「ふぅ~ん・・・」
魔道具、どんな物だろう?
まあ、今はいいか。
「買取り出来ますが、処理しちゃっていいですか?」
「買取ってくれるのか?」
「はい! では、3個ですね。 こちらは、大銅貨9枚となります」
「先ほどのと合わせて、銀貨3枚と大銅貨9枚です。 お持ちしますので、少しお待ちくださいね!」
そう言うと、どこかに行ってしまった。
ぼーっと待ってると・・・
パタパタパタ・・・
走って来る音が聞こえ、えっと、あ~~、そうそう、モイラが戻ってきた。
「はぁはぁ、お待たせしました! どうぞ、お確かめください」
カウンターの上に、小さな袋が置かれる。
持ち上げると、硬貨の擦れる音がする。
間違いないだろうから、確かめることはせず、そのままポケットに仕舞う。
「ありがとう。 じゃあ・・・また」
「はい! 頑張ってくださいね!」
挨拶して立ち去ったが、何だろ・・・最後の笑顔は?
ま、まあ、いいか。 多分、営業スマイルだろう。
これで、金欠から脱出だ。
手持ちの資金は、銀貨3枚、大銅貨9枚、銅貨4枚。
さてと、ブレナン達は・・・まだみたいだな。
仕方ないのでギルド内の酒場で、軽食を取って待つことにする。 ここも、昨日の討伐参加者は、無料とのことで助かる。
そうして待ってると、ブレナン達が帰ってきた。
さて、これが済んだら、一度装備品でも見に行くか。
「お帰り、どうだった?」
「おっ、ああ、ばっちり報酬を頂いたぜ! 後でちゃんと別けるが、その前にマスタが呼んでる。 ぱっと、行ってこい」
「へっ? なんで?」
「よくは分からんが、なんか話があるんだとさ。 まあ、早く済ませてこいよ」
「うぅ~ん。 分かったよ」
特に目立つことはしてない(魔術の件は・・・ね?)し、また面倒な事でも起こるのかぁ?
まあ考えても仕方ないし、さっさとマスタの話とやらを済ませますか!
To be continued...
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