2話 スキル獲得
瞑想で魔力を感じようとしたが、ダメだった。そもそも魔法の実物を見てないので、使い方なんて分かるはずもない。俺はアホか。
まあ、別に今すぐ魔法が必要なわけではない。要は、暇を潰せればいいのだ。
現状、スキルの存在は確認されている。この辺から、暇つぶしの方法を模索しよう。
どんなスキルが存在するのかわからないが、メジャーな異世界モノであれば【鑑定】スキルがある。修得できるか分からないが、試してみよう。
俺は天井をジッと見つめる。あれは天井、あれは天井、あれは天井、と頭の中で念じ続ける。
30分後。
ーーあれは天井、あれは天井、あれは天井
1時間後。
ーーアレハテンジョウ、アレハテンジョウ、アレハテンジョウ、天井ってなんだっけ?
2時間後。
ーーあれはっ、天井!?天井だ!てっ、んー、じょう!
《天井》
すると、俺の視界に、ステータスウィンドウのような文字が現れる。
うおっしゃキター!!なんか出てきたァ!!
急いで【ステータス閲覧】を使う。
《ステータス》
名前 クロウ・ルナアーク
レベル 1
HP 2/2
MP2/2
スキル
人生周回 Lv.1
異世界言語 Lv.5
ステータス閲覧 Lv.1
判定 Lv.1
スキル欄に、【判定】が追加されている。【鑑定】ではなかった。効果不明である。
スキル名だけだとどんなスキルか分からないが、とりあえずゲット出来たので嬉しい。是非使ってみたい。
さて、このスキルの使い方、効果を推測してみよう。
判定という名前からして、物事を判断するのに役立つスキルだと思う。俺はさっき、天井を見続けながら、それを天井だと判断し続けた。それによって【判定】が発動し、修得した。だから、つまりーー
俺はスキル【異世界言語】を注視し、このスキルの効果によって異世界言語がわかるのだ、と推測する。それと同時に、【判定】スキルを修得した時の感覚が甦える。
《【異世界言語】》
・異世界の言語を理解できる
・転生者限定スキル
ーーこのスキルは、正しい判断、判定を補助するためのスキルだろう。推測をし、その答えをすぐに得られる、かもしれないスキル。
《【判定】》
・物や人物、スキルなどに対する正しい判断を行なった場合、その概要が開示される
うん、合ってたみたい。まぐれで当たった。こんな適当なやり方でも、スキル修得できるんだ。
それが分かっただけでも十分な収穫だ。夜も遅いし、もう寝よう。