プロローグ
軽い気持ちで読んでほしいな〜
……ここは、一体、どこだ?
何もない真っ白な空間。壁、天井、床、そう言ったものが何もなく、立っているという感覚もない。俺は、浮いているのだろうか。
しばらくの間呆然としていたら、突然目の前に黒い煙のようなものが現れた。それは、次第に人型に近づき、やがてヒゲの長〜い老人になった。
「すまぬ、待たせたの。ワシが神じゃ」
どうやらこの老人は神だったようだ。本当に居たんだ、神様って。てことは、ここは死後の世界?俺、死んだの?
「お主の言いたいことは分かる。よ〜く分かる。つまり、チートスキルとハーレム展開をのぞんでいるのじゃな?」
いやいや、俺まだ何も言ってないんだけど。
「む?ちがうのか?」
うん、違う。俺は、まず説明して欲しいんだ。
「おお、そうじゃった、そうじゃった。まずは説明せねばな。ではまずこの場所についてじゃ。どこだと思う?」
…死後の世界、じゃないのか?
「うむ、正解じゃ」
そうか、正解か。じゃあ、俺は死んだのか。
「そうじゃ。ついさっき、喉に餅を詰まらせて死んだのじゃよ、お主」
…そんな記憶ないんだが。
「死ぬ瞬間の記憶なら消したぞ。思い出すと結構ショックじゃが…戻したいか?」
いや、遠慮しておくよ。…てか、さっきから俺、一言も発してないんだが。
「心を読んで会話してるだけじゃよ」
神ならば、そんなものか。
「そうじゃ、そんなもんじゃ。話を戻すぞ。お主が死んだのは、不幸な事故じゃ。流石に可哀想に思ってのぉ。偶然見かけたのも何かの縁じゃと思い、ここに連れてきたのじゃよ。魂が新鮮なうちにな」
神の気まぐれ、か。それで、俺はこの後どうなる?
「ワシが最初になんと聞いたか、覚えているか?」
チートスキルとハーレム展開…
「そうじゃ。なんとなく察したかの?」
…俺はもしかして、異世界に転生するのか?ラノベの主人公みたいに。
「その通り。どうじゃ?あまり乗り気じゃなさそうじゃが」
いや、まさか。ちょっと信じられないけど、ものすごい興味津々だよ。ただ、不安があるとすれば…
「ほう、チートが確定しているというのに、不安があると?」
チートがあるからといって、死なないわけじゃないだろう?俺は、異世界で、生きていけるのだろうか。
「なんじゃ、そんな心配か。それならば、お主が安心できるようなスキルを持って行くがよい」
それなら、死んでも生まれた時からやり直せるスキルがいいな。それも、死ぬ前の記憶、レベル、スキルを引き継げればなおいい。
「流石にレベルまでは無理じゃな。じゃが、だいたいそんな感じのスキルなら、昔趣味で作ったものがあるからそれを持って行け」
そうか。わざわざありがとう。
「なに、気にするな。楽しんでくるといい」
ああ。今後会うことはないだろうが、神様のことは忘れないよ。
「ホッホッホ、そうか。ならばワシも覚えておこう。では、行って来るがよい。」
そして、俺の体は段々と、いくつもの光の粒になっていく。俺は期待に胸を膨らませ、目をつぶった。