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入学式前夜の決意

前話の後書きに不備がございました!

申し訳ありません。




今日は入学式前日。

「夢恋攻略キャラのまとめ本」も完成し、私は一人部屋でまどろんでいた。


「ふうー。明日は入学式か。」

なんて呟いてみても特に実感が湧かない。


明日は確か入学式イベントがあったはず。

1つ目のイベント、「入学式に遅刻」は鉄板だけども。

…見たいっ!是非見たいっ!


初期設定のままなら、ヒロインの名前は桃川ももかわ姫奈ひめなちゃん。

そんな姫奈ちゃんが、長い琥珀色の髪をなびかせながら校長先生ハゲのスピーチ中に体育館に乗り込むのだ!

確か、それが柿谷さんとの出会いイベントでもあったはず。

…余計に見逃せないわ!


ふと鏡を覗くと、にやけた自分の顔があった。

いかんいかん。



その時、私はあることを思い出してしまった。

あれ…この顔…確か…


「…チャラ男のルートで大怪我するクラスメイトだよね!?」


そう、チャラ男といえば柳沢要アイツ

毎日図書室に本を読み来るヒロインに興味を持った柳沢は、自ら彼女へ近づく。

9月半ばくらいの壁ドンのスチルは最高だったし、声優さんの声も格好良かった!


…けど。

8月下旬の夏祭りのイベントでそれは起こる。

ちょっと悪そうな人にカツアゲされそうになっているクラスメイトを目撃したヒロインは、一緒に来ていたがかき氷の屋台に並んでいた柳沢を置いて助けに向かう。

…が。

ヒロイン登場で事が大きくなり、悪そうな人とその仲間達がやってきて私はボコされるのだ。

もちろん姫奈ちゃんは、絶妙なタイミングでやって来た柳沢に助けられる。


今自分の立場になって初めて思ったけど、理不尽過ぎる!

助けようとしてくれたのは分かるよ?

でも素直にお金渡しておけばボコされフラグなんて立たなかったはずだろ!


壁ドンイベントは是非生で見てみたいけど…

でも、姫奈ちゃんが柳沢ルートに入って私がボコされたら元も子もない。

入院していて見られないのも切ない。

それ以上に、助けてくれなかったチャラ男をこれまで以上に嫌いになるね!


だから。

フラグ破壊なんてしないって言ってたけど、もちろん前言撤回だっ!

私馬渡唯香は、姫奈ちゃんのチャラ男攻略。いや、図書室訪問を全力で阻止致します。


ごめんね、姫奈ちゃん。

私は怪我なんて負いたくないのだよ!

…あ、でも壁ドンイベント…。

うーん。



--------------------



「フゥーッ!気持ちよかったー!」


お風呂上がりのこの爽快感がたまらない。

私は部屋着のままベッドへダイブした。


…ギシッ


今の音はあれか。ラップ音かな?

いや、ラップ音であると信じたい!


最近朝のランニングをサボったり毎日スナック菓子をボリボリしたりしてる私が飛び乗ったからではないよね!


大丈夫、大丈夫と呟きながら棚の奥にしまってあった体重計を取り出す。

そして目をしっかり瞑ってその上へ乗る。


そんなに緊張しなくても、たった1ヶ月じゃ増えていても1kgくらいよね!

私は恐る恐る目を開いて一瞬固まり、それから首を傾げた。


「あれ、壊れてる?」


体重計をバンバンと叩き、もう一度乗る。

あれれ、どうしてかな?

頬を涙が伝っているのは何で?あれ?


入学式が終わったらランニングまた始めよう…。

私は覚悟を決めて涙を拭った。


カロリーの高いお菓子の代わりにゼリーでも、と部屋の扉を開けると、扉の横にはお盆を持ったお母さんが居た。


「これ、いつものポテ…チ」


おい、お母さん肩がプルプルしてるよ!絶対見てただろ!

体重計のとこから見てたんでしょ!

娘の体重増加がそんなに可笑しいか!


そんな私の涙目睨みビームが効いたようで、お母さんは「代わりにゼリーでも取ってくる」と笑いながら階段を下りていった。


…無性に腹が立ったので部屋に隠しておいたポテトチップスを開けてしまった。

え?ダイエット?

そんなもん明日から明日から!



ちなみにコンソメ味ですw


9/6

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