2/2
2
何かを成し遂げる時、必ずしも仲間が必要とは限らない。私はユピテルの狂信者達のようにその言葉を己に叩き込み、孤独という名の研石で己を磨き上げた。片手には肉を断つ冷徹な剣、もう片手には因果を歪める魔導の書。その双眸に映るのは、ただ一人の完成された死の体現者としての己のみだった。
ああ、神々はこの怒りの獣と化した私を見に来た。そして力を与え、更に世界を血で満たすよう言い放った。あの瞬間の私に躊躇いなど微塵もなかった。今となっては、自らの魂に値を付ける神の真意を疑うべきだったと理解している。だが幸いにも私を導いたのは魂を弄ぶデーモンではなく、冷徹なる神の使者であった。
当時の私とて、自らの浅はかな欲の為に魂を弄ぶような真似はしなかっただろう。
神々でさえ果てなき戦争に身を投じているこの世界で、血を啜る獣であった私がこうして平穏という名の奇跡に辿り着けたこと。それは皮肉にも神々が気まぐれに投じた、一粒の慈悲だったのかもしれない。




