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時 ヴォイドの呼び声Ⅰ
著者:アダテ:マスターバトルメイジ。
私は戦場で血を求めるただの獣だった。世界は戦争という怪物に侵され、私は傭兵としてその怪物と渡り合う他なかった。
穢れた心、血を渇望する狂気は、決して私が望んで手にしたものではなかった。
愛する者を奪われ、その愛が結んだ尊き宝を土に返し、共に肩を並べ、夢を語った友らが名もなき泥に埋もれていく様を幾度も見てきた。その喪失のたびに、私の心は一片ずつ剥がれ落ち、気がつけば後に残されたのは、憎悪で編み上げられた獣の魂だけだった。
私には、もはや温かな愛は届かなかった。守るべき大義も、痛みを分かち合う友の涙も、すべては遠い過去の幻影に過ぎなかったからだ。
私に必要なのは愛する者でも、守るべきものでも、苦しみを分かち合う友でもない。ただこの怒りを満たす相手だけだった。
私の剣はもはや護身のためではなく、血の飢えを満たすための牙と化しまっていたのだ。




