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ログ003-03-1-5|思考構造/《数字信仰と迷信》


《数字信仰と迷信》


数字は、本来は人間が数えるための道具にすぎない。

それなのに、そこに「神秘的な力」を見出し、

「吉凶」を決めるものとして崇めてしまう。



---


1. 吉数と凶数


日本では、4は「」、9は「」と読めるため、

縁起の悪い数字とされることが多い。


だから病院の部屋番号やホテルの階数から

「4号室」「9階」を避けることもある。


一方で、8(や)や末広がりの88は縁起が良いとされ、

ナンバープレートや電話番号で高値がつくこともある。


だが、4や9が本当に不運を呼ぶか?

そんなことはない。

それらはただの記号であり、

そこに恐れや期待を埋め込んだのは、俺たち自身だ。



---


2. ラッキーナンバーの心理トリック


「俺のラッキーナンバーは7だ、誕生日が7月だから。」

「今日のロトの数字に8が3つも入ってる。これ絶対当たる!」


こんなふうに「特別な数字」を信じると、

不思議と安心する。

それはまるで小さなお守りみたいなものだ。


本当は数字が運命を決めるんじゃない。

「誰かが見えない力で運命を調整してくれる」

そう思いたい心が、数字を信仰させる。



---


3. 階数や部屋番号のバカバカしさ


日本のマンションでは、

「4階」を「3A」にしたり、

「403号室」を飛ばすことがある。


だけど、階の高さは変わらないし、

数字を消したところで災難を避けられるわけでもない。

これは、人間が数字を使って

自分を安心させるための小さな儀式だ。



---


4. 集団的な数字信仰の力


多くの人が「8は縁起がいい」と思えば、

その瞬間、8は「価値ある数字」になる。


8888の携帯番号は、

普通の番号よりも高く売られる。

数字の力は運命から来るんじゃない。

「みんなが信じること」こそが、その数字を高くする。



---


5. 占いと数秘術


占い師は言うだろう。

「あなたの運命数は5。これは自由と変化を意味します。」


一見もっともらしいが、

それはただ誕生日の数字を計算して、

性格っぽい言葉をつけているだけだ。


「あなたは社交的だけど、たまに一人になりたい時もあるでしょう。」

……こんな台詞、誰にでも当てはまる。



---


6. なぜ数字の神話が必要なのか?


人は混沌を恐れる。

数字は地図のように、

物事に「秩序がある」という錯覚をくれる。


「今日は大安、開業にぴったりな吉日ですよ。」

そう言われると、

まるで何かに守られている気がする。


でも、太陽はカレンダーなんか気にしない。

日の出は「吉日」だろうと「仏滅」だろうと、

ただいつも通りに昇る。



---


7. 数字の本当の力


数字そのものに魔力はない。

本当に力を持つのは、

俺たちがそこに注いだ信念だ。


8888のナンバーが高値で売れるのは、

幸運を呼ぶからじゃない。

「信じる心」がその数字に価値を与えている。



---


今こうして「第5篇」と書き、

「この番号まで来た」と妙な安心感を覚える。

俺たちは数字なしで生きられない。

……なぜなら、混乱を恐れすぎているからだ。


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