32〜ディビットside7〜
色々あって、かなり遅くなりました。
やっと書きたい溺愛モードをかけるので、自身も楽しみながらかけてはいるのですが…。
お待ちしていただいていた方がいたら申し訳ないです。
また長いスパンがかかるかもしれませんが、またupはします。
お付き合いいただけますと嬉しいです。
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい。
あぁ、かわいすぎてかわいいくらいかわいい。髪の毛の先から足の先まで。全てがかわいい。
「…あの、ディビット、さま?」
「…なんだい?スカーレット穣」
「あの……そんなに、見つめられると…恥ずかしいです…」
昼下がりのカフェ。目の前には顔が赤くなってもかわいいロッティがいる。
学園の食堂で約束をしてから、はや数日。今日は、ふたりで街に出ている。ふたりと言っても、もちろん述者、侍女、護衛達はいるが。
それでも、手の届くところにロッティがいて、笑顔をこちらに向けている。話しかければ、答えてくれて、会話ができている。この数年間、夢にまでみた光景だ。
「ごめんね、あまりにかわいすぎて。ずっと見ていても本当に飽きない。そのかわいい瞳に私しか映っていないのも最高だ」
そう言いながら、テーブルの上にあるロッティの手に触れる。ますます赤くなるロッティの顔。
自分の一挙手一投足にこんなかわいい反応をしてくれるなんて、本当に、これ以上ないくらいに幸せを感じる。
少し離れたところで咳払いが聞こえるのは、私の述者かな。もう見なくてもわかるな。きっと呆れた顔で「少し落ち着け」とでも思ってるんだろう。
だが、落ち着けるわけがない。こんなにかわいいロッティを前にして、どうして我慢ができる?
あぁ、かわいい。本当にかわいい。かわいすぎてどうにかなってしまいそうだ。
「デ、ディビットさま…?」
「ん?なぁに?スカーレット穣」
片手で顔を隠してるけど、それじゃあほとんど見えてるよ? あぁ、そうか。 もう片方の手は、私が触れているからか。
きっと離そうと思えば離せる。それくらいの力でしか触れていないのだから。でも、離すことをしない愛しい人。あぁ、また愛しさが溢れる。
「あ、あの…か、かわいいって…言い過ぎです…」
「……?」
あれ?私はまた声に出してしまっていたかな。しまったな。頭の中では昔の呼び方と呼んでしまっていた。
「…私は、なんと言っていたかな…?」
少し困ったような雰囲気を醸し出しながら問うと、顔に当てていた手を下にずらして目だけをこちらに向けた顔。上目遣いなその顔は計算かな?
「…見ていて、飽きない…かわいい…瞳…と…」
「………」
なんだ、さっき言った言葉か。頭の中ではその100倍くらいは言ってる気がするが。
「ごめんね、本当にかわいすぎて…。あなたが、今、私のそばにいてくれて嬉しいよ…」
指先で遊ぶように触れていた手をぎゅっと握る。すると、さらに顔を赤くして下を向いてしまった。
あぁ、このかわいすぎる生き物をどうしてくれよう。この素晴らしい時間がずっと続けばいいのに…。
「ディビット様。そろそろお時間です」
いつもの冷静な述者の声。つい、ため息をひとつこぼしてしまう。
「残念だが、時間が来てしまったみたいだ。…あなたを送る名誉を賜っても?」
「……はい…よろしく…おねがい…します…」
握っていた手をそのまま持ち上げて、馬車までエスコートをする。
自分より小さいロッティの手。もうあの頃より背もだいぶ差がついた。
同じくらいの位置に顔があって、頬に口付けをしたあの日。今では、頭ひとつ以上違う。
…そういえば、あの時に"ソフラの奇跡"を初めて使ったんだったな。あれは、どんな"願い"を思っていたんだったか…。
そんな小さな思考は、馬車に着いたところで終わる。
ロッティの後から乗り込み、あたり前のように隣に座ると、扉が閉じられた。
限定とはいえ、ふたりだけの空間。
もう少しだけ触れたい…。そんな思いが、特別な繋ぎ方をされた手を持ち上げて、ロッティの手の甲へ口を付けさせる。
唇に伝わる少しの振動は、ロッティのものかな。あぁ、かわいい…。
「…早く、結婚がしたいな…そうすれば1日の時間、全てをあなたと共にできるのに…」
歩いたことで落ち着いてきていたロッティの顔が、また赤くなっていく。だが、先ほどとは違って、目も潤んできた。
…やばい。やり過ぎたか?
「…申し訳ありません…早急過ぎました…」
反省をして、潤んだ目元を拭う。
こちらは数年越しだが、ロッティは違う。焦り過ぎた…。
気持ちの差があることはわかっているが、その差を目の当たりにしたようで、気持ちが沈む。
手を離そうと距離を取る…と、逆にその手を両手で握られた。
びっくりしてロッティを見ると…
「ち、違いますっあのっ違うんですっ」
必死な顔のロッティ。今まで見たことがない顔に、記憶の中のかわいい顔リストに載せることを誓う。
「…何が違うの?」
笑顔で聞くと、うつむきがちに何かをつぶやいてる。
「…? ごめん。もう一度言ってもらえる?」
あ、また上目遣い。計算かな?計算だな?こんなかわいい顔で見つめられたら、うっかり惚れられないかな。惚れられるな。確実に。この顔は自分以外にはしないように言わないと…。
「………も、です…」
「…?」
思考の波も手伝って聞こえなかった。もう一度言ってもらえるよう促そうとした時ー
「…わ、たし、も…一緒に、いたいです…」
⭐︎
ロッティとデートに行った。そんな事態が好転し始めた夜。紅茶を飲みながら、今日1日の記憶を頭の中でずっと思い出す。すると、無意識に甘いため息が出てしまう。
馬車の中のアレはやばかった…。つい抱きしめて口付けていた。反省した直後だというのに…失敗した。でも、ロッティも受け入れてくれてはいた………が、次から気をつけないと…。抱きしめるだけならまだしも、口付けまで…我慢ができなかった………。だが、抱きしめるだけだったら昔の呼び名と呼んでしまっていたかもしれないな。それもまずい。どうすればいいのか…。でも、次も同じことをされたら我慢できるか? 否。無理だ。あれはない。あれは無理。 "一緒にいたい"と、惚れてると知っている相手の目を見つめながらいうなんて……。 無理。無理無理無理。 100歩、1000歩、10000歩譲っても……抱きしめるのは止められない。
何度目かもわからないため息をついた時、うしろでも述者もため息をついたいるのが聞こえた。
考えてることはわかる。言いたいこともわかる。ため息もわざと聞こえるようにしたのだろう。
だが今日は、なにも言わないでいてくれてることも窺える。
まぁ、希望を言えば、ため息も聞こえないようにして欲しいものだが…。
気分を変えろと言わんばかりに、新しい紅茶を持ってくるシャル。飲めばミントが入っているのがわかる。「しっかりしろ」とでも言いたいのか?
言葉を使わずに伝えてくる優秀すぎる述者が時々嫌になる。
思考を変えるために、そんな述者に声をかける。
「………シャル、ずっと気になっていたことがあるんだが…」
「何でしょうか?」
「…あのふたりは、最初からあそこでランチをしていたのか?」
「……いいえ」
横を見れば、いつもと変わらぬ声色で涼しい顔のシャル。数年一緒にいるこの述者が動揺している顔は未だ見たことがない。
「…まさか、あの令嬢も用意したとか言わないよな?」
「まさか、そんな時間はありません。ただあったものを利用させていただいただけです」
「………」
時間があれば用意できた様な言い方に、先ほどとは別の意味の、ため息が出る。本当に、この述者も、教育者である述者の祖父も底が知れない。
でもシャルのことは責められない。きっと責めれば倍量で言い返してくる。そして決まって『忠誠を誓えばこそ』と言って腰を折るのだ。その気持ちも含め、全てを理解しているからこそ、何も言わないし、言えなくなる。
「………ありがとう」
複雑な心境はありながらも、今回はシャルのおかげで現状が変わった。そのことに関しては礼を言う。
「…私の忠誠はあなたに」
「…あぁ」
窓のカーテンがそよぐ。
久しぶりに、頬にあたる風が気持ちよく感じた。
かわいいのゲシュタルト崩壊おこしました。
作品up時にポストしていたアカウントが凍結しました…なんでだろ…?
というわけで、作品をupしてもポストできなくなりました。
よろしくお願いします




