表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/111

78.家族と専属⑨

「さぁ、話した結果を聞こうか」




シルルが部屋を出て行くと、なぜか入れ替わりでローキが入って来た。


しかもなぜかお茶のセットを持っていた。


当然の様に私と自分の分のお茶を入れ終わると、優雅に椅子に座ってお茶を飲みだした。



「あのー・・・ローキ?」

「俺はミントティが好きだ」


「そ、そうなんだ」



ティカップからは爽やかな香りがするので、今ローキが淹れてくれたのは、ローキが好きだと宣言したミントティなのだろう。


「飲まないのか?」

「飲みます」


正直ピーチティを飲んだので、お腹はタプタプだけれど、飲まないとは言えずカップに口を付けた。



「美味しい・・・」

「俺が淹れたんだ。当たり前だろ。ちなみに、ただのミントティじゃない。他にも少しハーブをブレンドしている」


「オリジナルブレンド・・・」

「気に入ったか?好きな時にのめるようにルーリーとリナにも渡しておいてやるよ」


「・・・ありがとう」



・・・これは・・・シルルとの会話を聞かれていたのだろうか?



「おい。なんだその顔、話は盗み聞きしてないぞ。メイドじゃなくシルルの奴がお茶の用意をしていたから念のため事情を聞いたんだ」



事情を聞いて、私に自分の好みを教えるためにお茶の用意を?


まぁ・・・ローキの好みを知りたかったからいいけど・・・オリジナルブレンドを自慢したかったのかな。




「で、どうだった?『影』のやつらは」


・・・なんか・・・どっちが主人かわからないね。

なんか楽しそうだから別にいいけど。


ローキはなぜか機嫌が良さそうに見える。


好きなお茶を飲んでるから・・・じゃないよね?



「話せてよかったよ。時間は短かったけど、やっぱり話さなきゃわからないことはあったと思う。これから回数を重ねればもっと仲良くなれる気がする」


「やっぱり続けるのか・・・」


「私のこれからの計画にも協力してもらえそうだし」


「これからの計画?」



・・・・・・しまった、まだ話すつもりはなかったんだけど・・・



「その顔・・・まだ話す気はないってことか。『じっくり話さなきゃいけない案件関連』か?」

「そうだね・・・多分その話をする時にまとめて話すよ」



「ん・・・まぁいい・・・そういうことなら、どうせ他の奴らはその関連話にたどり着いてねぇから、どうあっても俺よりお前を知ることはないな」



なるほど、どうやらローキが機嫌が良さそうなのは、他のみんなより自分の方が情報を得るの早いのが分かっているからっぽいね。


うーん・・・ライバル意識強めというか、負けず嫌いというか。





「で、どうだったんだ?シキの奴は何の面白味もねぇ堅物野郎だっただろ」


「堅物・・・かなぁ?あ、ローキと同じスーア族だったんだね」


「・・・まぁな」



「ローキはシキと小さい時から仲良かったの?」


「あぁ?!仲がいいわけないだろ!!勝手に突っかかてくる訳の分からない奴となんて」



ん?・・・てっきりローキが突っかかってるのかと思ってたのに、シキの方から?

なんか印象とちがうけど・・・




「他には・・・シキは読書家、ミル―は登山家で、シルルは狩人で食いしん坊だった」



「・・・なんだ?そのどうでもよすぎる情報は」


「ど、どうでも良くないよ!とっても個性的で、仲良くなるには必要な情報だよ!」




「なら俺はなんだ?」


「・・・ローキは私の専属?」



「ちげぇだろ!!今の流れは!お前の中のイメージを聞いてんだよ!!」


「いや、だから私の専属だって。なんでもできちゃう万能タイプなのに、唯一私を主人にしちゃったのが欠点と言うか・・・ローキの全部が私のになっちゃたと言うか・・・」


「欠点とか言うな!そ、それに俺の全部がお前のものとか・・・言ってんじゃねぇよ!」


「え、違うの?前にローキが・・・」


「違わねーよ!!でもお前の言っている意味と俺の言っている意味が違うから、お前が言うな!!」



えぇー・・・何がちがうのさ・・・血の契約して専属護衛になったから、生活の基準が全部私になっちゃたって意味でしょ?




「あ、みんなの共通点も分かったよ!知的好奇心が強い!」


「そんなもんは、あの鍛練場に集まってる全員の共通点ともいえるぞ」



「それならみんな似てるってことだね!ならやっぱり仲良くなれるね」


「ふんっ・・・『影』同士は仲良しでやればいいさ」



ローキも仲良くなっていただきたのだが?




――――――コンコン




「アリステアお嬢様、ローキ、間もなく夕食のお時間です」


「はい、今行きます」


「ちっ・・・時間か」


「さ、行こう。ローキ」

「しょうがねぇ・・・今度しっかり話せよ。『じっくり話さなきゃいけない案件関連』」


「あはは・・・・」






――――カリカリ・・・




「こんなもんかな・・・覚えておかなきゃいけないのは・・・」



うーん・・・はやめにローキに話す時間確保しなきゃだけど・・・どのくらい時間が必要だろう。


次の『その他教養』の時間をローキと『影』全員で話し合いの時間にしちゃったからなぁ・・・睡眠時間を削るしかないかなぁ・・・


おっと・・・その考えはブラックだわ。

耐性のある私はまだしも、ローキにそれを強いるわけにはいかない。


ローキに時間の作り方相談しよ。


あとは・・・



――――ペラペラ



あった、あった・・・


アルティミア祭りの準備と印章を1つ追加するんだった。


印章・・・ユリウスと話していて、なんとなく考えていただけの自分の情報網を作るってことが、まさか先に『影』っていう強力な繋がりができるとは思わなかったな・・・



あ、ユリウスに一度も手紙書いてないや・・・

ランスにも小型通信鏡で通信できてないし・・・


あれ?意外とやる事けっこうあるね。


・・・・・・う、うん。

少しずつ頑張ろうね、私。


ブクマ&いいね&評価ありがとうございます!

誤字報告下さった方ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ