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第99話 視点は……

「今回は私共を頼って頂いた事で、皆、張り切ってしまいましたが。その過程の中で見えてきてしまったものがものですので、必要に応じて、あれもこれもと欲張る? 手を広げる?結果に繋がっております。ですが、全て報告書から繋がる道で、手を打つ必要のある事柄ではないかと思っておりますので、私を含め全員が追求の手を止めることはないでしょう」


私の言葉にラルスさんは渋面を、神父様は諦念を浮かべた。


「子供である私共では手の届かない部分は多々あれど、それがなくては進まない事が多々あるのもまた事実。良しなにお願い致します」


そんな2人に頭を下げる。

負担をかけることは解っている。

それでも止まれない。

だからこそ、礼は尽くしたい。

そこだけは、違えたくない。


「手は尽くしましょう」

「出来る限りの事をしよう」


2人の声は真っ直ぐに強い。


頭を上げ、見えていないと解っていてもにこりと笑みを浮かべる。


「では、当面の動きについての確認とすり合わせをお願い致します。私は続きを読ませて頂きますので」


机に置いた読みかけの本を手に取る私にラルスさんは首を傾げた。


「お前は参加しないの?」

「時間が足りませんし、私が混じらない方がすり合わせをしやすいかと」

「そういうもんか?」

「大丈夫ですよ。必要なら混ざってきます。とりあえず、お互いの認識の確認から致しましょう」

「あぁ…そこから…了解です」


ラルスさんが納得顔で神父様に向き直るのを見て、本を開く。


お互いの動きが判らないと阻害行動になりかねないから大切な作業だ。


2人の声を聞くともなしに聞きながら本を読み進める。

特に口を挟む必要を感じない流れに神父様も随分、私の考え方と扱い方に慣れて来たと感じつつ。

それを受け入れているラルスさんの対応力にも感謝しつつ。


……それにしても。

生物の生態、植物の植生がここまで詳細に関わらず、魔獣の生態が曖昧なのは何故なのか。

鑑定スキルがある以上、同等の情報を得られるものだと思うのだが…

まぁ、実際問題、他にも劣っている分野が幾つもある事を考えれば、ある種のご都合主義、というか世界観の作り込みの時点で曖昧…あやふやにした部分なのかもしれない。

その方が色々と組み込みやすく、抜け道にもなり、広げやすくもなる。

だがまぁ。ここは既に私が生きる現実だ。

私が更新…アップデートしていく。

生きやすさや快適さを得る為に、必要な知識であるならば出し惜しみなく披露する事は厭わないつもりだ。

それがゲームの世界との乖離を起こす?

既に改編は幾つも起こっていると考えるが、修正しようとする強制力は現時点では感じない。

そもそもが、コレは共有型ではなく、個人型のゲームだ。

供給された時点で遊び方は購入者に委ねられ、個々人の媒体に開発者ですら介入は出来ない。

そして購入者の視点…分身はヒロインであるシア。つまり私だ。

であれば、私がやりたいようにやることは許されている、と解釈出来るだろう?

だが、私だけでやるつもりはないし、その必要もない。

ほんの少し、きっかけを与えるだけで気付き、進んでいける人材は多い。

さて、魔獣に関しては何処が適任か…

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