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第98話 倣うのは……

……それはまぁ、侮られるからこそ出来ることもあると思ってるからに他ならない訳だが。


「駄目ですよ。この子は必要であれば隠します。自由に動く為だけでなく、子供であるからこそ出来る事がある、と考えた時には」


いや、神父様、バラさないで欲しい。

ラルスさんの顔が歪んでるじゃないか……


「お前……そこまでするのか? まさか、あっちの子達もか?」

「……離れている現状では、あの子達がどう動くかまでは未知数です」

「…お前が一緒ならそう動くということだな?」

「あの子達は真っ直ぐに育っておりますよ?」


今はまだ、ではあるが。

最近は色んな種類の大人を見る機会が増えたし?

その中で上手く立ち回る術を見つける可能性は高いだろうし?

倣うのが神父様であり、私である確率も高いだろう?


「…お前は表側…顔を売るような事は避けている気がしていたが、それも振りか?」


問いには小さく首を傾げてみせる。


なぜなら、そこは半々だからだ。

あまり目立ちたくはないが、そうも言っていられないし、既に目をつけられている状態でもある。


「私でなくとも出来ることは、私が率先してする必要もない、とは考えますが」

「……出来る奴が出来ることをやれってことだな」

「1人が出来ることなど、たかが知れてますし。出来る方にして頂くのが良いかと」

「さっきの森の話もそれか」

「そうなります。興味はあるので同行したくはあるのですが。邪魔になる可能性もあるでしょうし、他にもやることが多くなりそうなので…悩ましい所です」

「お前は手柄を自分のものにしたくはないのか?」

「1人で成したことならば。ですが、そうでないならば、それは関わった全員の益であるべきです」

「関与の度合いが違うだろ?」

「その為に差配する者が必要で、それをギルドが賄って下さる、という話しなのでしょう?」

「そう、なんだが…」

「見える範囲で大丈夫かと思いますが、何か問題でも?」

「ほぼ、お前の手柄じゃねぇのか、と思うんだがなぁ…」

「起点が私達である事は否定しませんが、その先を担うのは他の皆様では?」

「……立案部と実働部隊、か」


随分と格好良く纏めたな。


「…言いたい放題で、振り回している、で良いのですよ?」

「神父殿……」


身も蓋もない言葉にラルスさんが眉を下げる。

まぁ、間違ってはいない。

やるべき事、やりたい事を、あれもこれもと言い連ねて。けれど、それを実際に行動可能な状態に持っていくのは神父様を含む大人達、というのが今の構図だ。

勿論、必要であれば助言もするし、手も出すし、誘導もする。

それは指摘の時もあれば、気付かれないように行うこともある。

最終的に事を成せれば、辿り着く手段など、どれでも良いのだ。

まぁ、出来るだけ穏便に、平穏無事に恙無く、が望ましいと思いながら進めてはいるつもりだが。

それは私とってであり、巻き込まれた大人がどう感じているか、は別の話だろう。

とはいえ、神父様はこの在り方を是としているし、ラルスさんもギルドで賄うと宣言済みだ。

想定内だろうが、想定外だろうが、請け負って貰う。有言実行というやつだ。

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